北海道フリーきっぷの旅 (2

■ 2日目2/15(金)
(特急オホーツク9号)6:15網走6:42(普通列車)8:15川湯温泉12:28(快速マウントレイク摩周号)13:46釧路湿原
15:32(普通列車)15:55釧路16:13(特急スーパーおおぞら10号)17:43帯広 19:00(特急スーパーとかち12号)19:34新得20:35
(特急スーパーおおぞら12号)22:20札幌23:00(特急まりも)


網走に到着したオホーツク9号。

◇網走から川湯温泉へ
網走到着前の車内アナウンスで目を覚ました。途中、遠軽で進行方向が変わるのだが全く気付かないで寝ていた。いったん、北見あたりで無理な姿勢なため、体が痛くなったので目が覚め再び眠りについた。

駅の待合室で荷物を整理し、駅前にあったローソンで食料を調達して6時42分発の釧路行き普通列車に乗り込んだ。

列車の窓越しに朝焼けで赤く染まっているオホーツク海を眺めながら朝食を食べた。その間も、海沿いに走る釧網本線を単行のディーゼル列車はグイグイ進んで行った。

浜小清水駅を過ぎたあたりから流氷が着岸していたが、海が一面びっしりと流氷で埋め尽くされている風景-が見たがったので少々残念であった。

知床斜里駅を出ると海が見える車窓とは打って変って、広大な畑が広がる車窓に代わってきた。札弦(さっつる)駅を過ぎたころにはその畑も森に変わり、いよいよ山間に入ってきた。

緑駅を過ぎると道路とは別れ、雪がざーっと舞うなかを釧網本線は我が道を行く。 25パーミルの急坂を、列車は鈍重な歩みで上り始める。まわりに畑はなくなりどんどん山深くなっていく。急坂を登りきり釧北トンネルを抜けると、川湯温泉に向かって列車は転げ落ちるようにスピードを上げて急坂を下っていった。


流氷に覆われてるオホーツク海。

知床斜里駅に停車中のキハ54。


川湯温泉駅。 駅内には喫茶店オーチャードグラスが営業している。バスの陰になっているところに「摩周の伏流水」が涌き出ているが、冬は元栓が閉められているらしく湧き出ていない。


川湯温泉の共同浴場は毎月1日・15日が休み・・・・。


観光案内所からイチバン近かった民宿でもらい湯。


標茶駅で撮影のマウントレイク摩周号。 リゾート列車だけのことはあり、乗り心地と眺めは最高!

◇川湯温泉から釧路湿原へ
川湯温泉駅には8時15分に到着。しかし、降り立ったのは僕独り。本日、最も楽しみとしている川湯温泉への入浴を果たすのだ。事前の調査では、川湯温泉は「湯の川」と名づけようとしたところ、函館に同名の温泉があったので、逆にして「川湯」にしたという。泉質は草津温泉と同じ強酸性硫黄泉の名湯らしい。

駅前からバスに乗り換え、川湯温泉街へと向かう。バスには僕1人しか乗車しておらず、途中、運転手さんに「どこまで乗るの?」と聞かれたので「(川湯温泉の)バスターミナルまで。」と言い返した。途中、どこかをショートカットしたみたいだが、初めての土地なのでどこをショートカットしたのか解らなかった。10分ほどでバスターミナルに到着した。

バスターミナルから早速川湯温泉共同浴場へと向かう。温泉街といっても土産屋や飲食店が立ち並ぶ俗っぽさは無く、さわやかな樹林 に囲まれた中に旅館やホテルが点在し、静かで落ちついた所である。まだ、8時30分だったので商店やお土産屋のほとんどは雪を除けていたりと、準備中のところが多い。また、車道脇の排水溝から湯気が立ち上がる所を見ると、「温泉地に来たなぁ」なんて気持ちにもなった。

そして、公衆浴場に着くとドアノブに「休日」と書かれた木札が・・・。
「えっ?もしかして休み?(^^;;」っと思ったが、どうも冬季の入浴時間は午前9時から(夏季は午前8時からの営業らしい。)のようなので、しばらく川湯の温泉街をウロウロして時間を潰し、9時になったので再び共同浴場に着てみたが、やはり「休日」と書かれた木札が下げてあり営業していなかった。初日の寝坊や六花亭喫茶室が休業日だったりと、あまりついていない気がしてきた。周りにはホテルや旅館など多数有り、日帰り入浴もできるのだが、そのほとんどが昼過ぎから営業なのだ。

温泉に入れず途方に暮れながら時間潰しの散策中に発見した、『川湯エコミージアムセンター』へ行ってみる。 川湯温泉街周辺、屈斜路湖、摩周湖などの四季折々の動植物や自然現象の紹介や情報提供をしている環境省の施設だ。まだ、完成してそれほど経っていないらしく、とても真新しい建物だった。中の展示物を一通り眺め、閲覧自由の写真集などをちょっと読んで、この建物を後にした。

「歩きで硫黄山にでも行ってみようかなー」っと思って歩いていると、観光協会の案内所を発見したので、午前中から立ち寄り湯ができる場所を尋ねてみた所、午前中から日帰り入浴をやっている宿を教えてくれたので イチバン近い「我家」という民宿に行ってみる。

奥からおばーちゃんが出てきて、「日帰りの温泉に入りたいんですが。」と言うと「今日はお客さんがいないから、ゆっくり入っておいで。」と言われ、なかなかアットホームな出迎えを受けた。

浴室は民宿の温泉なのでそれほど広くなく、片方に体を洗うための真湯が入った浴槽と、産地直送源泉直結の温泉浴槽の2つの浴槽があった。温泉浴槽の方は3〜4人も入れば一杯になってしまうぐらいの大きさだった。頭と体を一通り洗って、温泉浴槽に入るとスゴイ熱い。熱すぎじゃー!熱すぎるので薄めようと思い、水を入れると白く濁りだし驚いたので即座に水注入中止!!我慢して熱い湯に入る事にした。体が徐々に熱い湯に慣れてくると、大変気持ちの良い湯になってきた。のぼせても、身体を冷却してまた浸かる。浸かるごとに大変気持ちよいのである。出たり入ったりを繰り返している内に、1時間近く経ってしまった。

温泉から出ると今までに無いポカポカ感に襲われ非常に良い感じだった。民宿のおばーちゃんも「ここの温泉は水で薄め無い方がいいんだよ。」と言っていたので、水で薄めないで正解であった。そしてお礼を言い民宿を後にした。

バスターミナルからバスで再び川湯温泉駅へ向かう。 川湯温泉駅には喫茶店・オーチャードグラスが併設されている。ここのビーフシチューがなかなかの絶品との話なので、本日はココで昼食とした。 ハヤシライスにも少し心を惹かれたが、やはりここはビーフシチューを注文。ん!旨い!お肉が柔らかく、デミグラスソースもすごいおいしいかった。最後は摩周の伏流水で入れたコーヒー。これもなかなか香り高くてよかったです。でも、おなかいっぱいでソフトクリームが食べれなかったのはちょっと心残りだった。

川湯温泉駅12時28分発の快速マウントレイク摩周号に乗り込み、次の目的地の釧路湿原へと向かう。



マウントレイク摩周号の車内から見た特別天然記念物のタンチョウ鶴。


釧路湿原細岡展望台。約210度の大パノラマ! 急坂を登って行く価値はある。


細岡ビジターズラウンジ。釧路湿原に関する各種資料が展示してある。

◇真冬の釧路湿原へ
乗り込んだ快速マウントレイク摩周号の車内は団体のお客さんで満席であった。かろうじて確保しておいた指定席に座り込むと、疲れが出てきたのか眠ってしまい、気が付くと標茶駅に到着していた。団体のお客さん達は全員、この駅で下車ししてしまい、賑やかであった車内は急に静かになっていた。どうやら、知床斜里あたりからこの列車で標茶まだ来て、標茶からはSL冬の湿原号に乗り換え釧路に向かうツアーらしい。

標茶からは僕以外に数人のお客さんを乗せて出発した。この快速列車、トマムサホロエクスプレスという特別仕様の列車ためシトーの座り心地やリクライニングの角度がなかなか良く、ハイデッカー車のため眺めもかなり良いものであった。

お客さんも少ないので、リクライニングシートの角度を最大限に倒してくつろぎながら車窓を眺めていると、突然列車が止まり「右手にタンチョウ鶴がご覧頂けます。」とのアナウンスがっ!
大急ぎでカメラを取り出し、28-80mmレンズから70-300mmレンズに換装してシャッターを押した。

湿原の合間を列車は通り抜け、釧路湿原駅に到着。降りたのは川湯温泉駅と同じく僕1人。

駅から徒歩7分、460mの雪の積もった急坂を登って細岡展望台を目指す。雪が積もった急な階段を登るときは「このまま足を滑らせたら、釧路湿原の餌食になるのかー。」とか結構、後ろ向きな気持ちで登っていた。

そんなこんなで、急な坂道で疲れてしまったが、いざ、細岡展望台に着くと、正しく『絶景』という言葉がピッタリの景色だ。天気も良かったので釧路湿原が一望でき大満足!絶景を拝めたので疲れもぶっ飛んでしまった。

しばらく大絶景を眺め、展望台から少し下った所にある「細岡ビジターズラウンジ」を訪ねてみる。館内には釧路湿原に関する様々な資料や動植物の写真、風景の写真などが展示しており、ソファーなどもあるので、ひと休みできる施設だ。ベランダがあったのでベランダの方に出てみると、小鳥が何羽もいたので何枚か写真を撮ったりして遊んだ。

散策しながら釧路湿原駅に戻ってみると、静寂を切り裂くようにSL冬の湿原号が入線してきた。少々、停車するらしく、観光客の方々がホームに降りたりし、そして再びケタタマシイ音を掻き立ててSL冬の湿原号は去っていった。僕の乗る、普通列車が来るまで30分ほど時間があったのでホームから線路に降り、線路の上を歩いてみたり駅の周りを散策してみたりした。その間には風の音と、鳥の鳴き声、樹の枝がそよぐ音だけの自然の音しか聞こえず、感傷に浸ったていると30分という時間はあっという間に過ぎ、釧路行きの列車が着たのでそれに乗り込み釧路湿原駅を後にした。


ビジターズラウンジのバルコニーから宮島岬を望む。昔々のその昔、釧路湿原は海面下にあったという。

なんて名前の鳥でしょうか、解りません・・・(^^ゞ ビジターラウンジのベランダから撮影。

釧路湿原の駅標。なぜか堂々としてます。

SL釧路湿原号。静寂を切り裂くように現れ、去っていった。

はい!次っ!( ̄□ ̄;)!!