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瘋癲狼藉帖
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April ***
2004
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Apr-25-2004
SPセッティング*簡便法
ステレオスピーカーの時間軸(位相)を揃えるには、各スピーカーの音源の中心を通るバッフル面に垂直な直線が一点で交差し、かつ、その音源の中心から交点までの距離が等しいことが必要条件です。
[SPセッティング*簡便法]では、音源の中心を床面に鉛直に投影し、これを基点とすることから始めます。
 
1)床に、各基点を結ぶ直線を底辺とする二等辺三角形を作る。
2)この二等辺三角形の斜辺に直交し、基点を通る直線を引く。
 
二等辺三角形の底辺や斜辺の長さ、並びに、位置は、部屋の条件やスピーカーの特性、リスナーの好み、などによって変わりますが、基本は上記の2点です。
 
さて、床に二等辺三角形を描くには、各頂点の位置を示すマーク(ピンや錐、釘、マスキングテープなど)と斜辺の交点を求める巻尺があれば、十分です。
そして、斜辺に直交する線を引く方法といえば、小学生時代が懐かしい、三角定規ですが、この簡便法では、長尺が50cmの曲尺を使います。      
 
短尺に沿ってマスキングテープを貼り、これに平行にスピーカーの前縁を揃えます(音源の中心は基点の鉛直線上)。
これで、音源は所期の交点に正対します。
 
次に、さらに簡便な方法を紹介しましょう。
 
天板の中心線に合わせて曲尺を乗せます。      
 
続いて、利き目となっている片方の目を斜辺の交点の鉛直線上、曲尺の高さに置き、短尺の縁だけが見えるように、ハコの角度を調節します。このとき、下段の前縁の中心は基点にキープします。
(SUT−200では、10KgをこえるFE208ESを取り付けた上段を外すと、一人でセッティングできます。腰を痛める恐れが少ないのも、セパラブルの長所の一つと、改めて認識しました。)
 
交点からレーザーを照射すると、このように、ピタリと正対していることが確認できます。      
 
さらにその上に、曲尺も使わずに、目視だけで正対させる方法もあります。
 
中段前面で覆われた下段の天板を見ましょう。左右が対称に見えれば、正対しています。
恐るべし、人間の目。3m先の3mmのブレも感知します。      
 
ボディーの水平断面が楕円や卵型のスピーカーのケースも難しくありません。
その長径を斜辺上に合わせ、基点の真上に音源の中心を乗せるだけです。
 
SPセッティングをテーマとした狼藉帖は、ここで一段落としましょう。
 
SUT−100と200は、結局、このようなカタチで落ち着きました。      
 
SUT−100では、一辺が200cmの正三角としました。SUT−200は前回のままです。
 
Apr-18-2004
SPセッティング*続き
前回のセッティングについて長浜さんからコメントを頂きました。
 
「このセッティングが重きを置いているのは、壁からの距離(もちろん離れているに越したことはないと思いますが)というより、
[両スピーカーからリスナーまでの距離角度をいかにそろえるか] に加えて
[SPを結ぶ線をSP後面の壁に対して斜めにする(5°以上)]
ことだと思います。
したがって、この方針でセッティングを詰めてみられて下さい。
私もまだ半信半疑な面もあり、D−55ESでこの方法を試してみたいと思っています。」
 
半信半疑と仰られるこの方法の出所は逸品館さんのこのページです。
[理想的なスピーカーの設置例]には、二等辺三角形の斜辺が90°や120°で交わっている例が図示されています。
しかし、角度を広げていくと、リスナーからユニットまでの距離が短くなっていきます。FE208ESでは、あまり近づきたくなく、正三角形に留めました。
 
スピーカーを前に引っ張り出すと、その後ろのスペースに物が置けて、このように、思いのほか部屋の景色はスッキリしています。
 
セッティングは、底辺(214cm)がその後方の壁と7°をなす正三角形で、左右のユニット面中心と後方の壁までの距離は、それぞれ、100cmと126cm、左右の壁との距離は、共に90cmで、リスナーの位置は部屋のほぼ中央です。
音的には、解像度が向上したようにも感じられますが、この距離では直接音が強すぎ、奥行きもあまり感じられません。
 
結局、底辺はそのままで、斜辺(角度は45°)を280cmとする二等辺三角形で手を打つことにしました(リスナーの位置は、背面の壁から210cm、左右の壁から、共に170cm)。これでも、左右の定位には、まったく不満を感じません。
 
でも、外科医の豊口先生が、アン・サリーの[ムーン・ダンス]、#4の蘇州夜曲で「唇の動きがわかる」と表現されたSUT−100のリアルな空間描写は、セッティングでどのように丹念に探しても、SUT−200では得られそうにありません。
 
二等辺三角形の底辺を斜めに配置すると、音の反射角をコントロールすることだけでなく、平行のときと比べて、底辺の両端を壁からより離すことを可能にします。
間接音の調節の巾を広げるこのセッティングは、特に、8畳(左右の巾が2間)位の部屋で、小口径スピーカーをニヤー・フィールドで聴くときに適しているのではないでしょうか。
 
Apr-10-2004
SPセッティング
先週末、半年ぶりにShuksさん長浜さんがお越しになりました。長浜さんと同じ国立病院にお勤めの豊口さんもご一緒です。
出迎えたクルマの中での話題は
「誘発されて、コイズミで最後のT96A−EXを買いました」 とか
「 大島さんのアクアオーディオラボに9500MkIIを修理に出しました」
など。
 
部屋に入るや、用意したオシボリに手を付けることもなく、長浜さんはカンターテ・ドミノを取り出しました。
「おかしい。もう少し右から聞こえるハズです。セッティングを変えましょう。」
今回はSUT−200も聴いて頂こうと、その内側にSUT−100をユニットの間隔160cmでセットしてありました。
       
「メジャーとマスキングテープがありますか」
長浜さんのリードで、SUT−100を200の前に移し、10分位で手際よく仕上げたセッティングは次です。
 
底辺(180cm)が前の壁と平行(間隔は150cm)な正三角形を作る。底辺の両端にユニットを置き、その向きを頂点に正対させる(左右の壁からの距離は、それぞれ110cmと105cm)。
 
カンターテ・ドミノの#9、JULSANGのソプラノが右寄り後方に定位しました。
驚いたのは、Salzburg Concert 3 (AEOLUS; ACCD8112、注)のオルガンがアゴを上げて見上げる程の高さから音を降り注いたことです。
 
その翌日の長浜さんからのメールです。
「SUT−100の素性の良さを充分に感じ取れることができ、とても有意義なひとときを過ごさせて頂きました。
私としましてはSUT−200をあのセッティングで聴いてみたい感じがします。
シビアーにつめれば小口径に負けない音場が出せると信じております。」
 
と、いうことで、すっかり変わってしまった部屋の景色です。
アドバイスに従い絨毯も新調しました。
 
FE208ESで180cmは、あまりに近いと思い、SUT−200は底辺(235cm)がその後方の壁と平行(105cm間隔)の正三角形でセッティングしました。このとき、左右の壁とユニット面中心までの距離は共に80cmです。
音的には、奥行きはSUT−100に比べるとやや浅くなりますが、左右の定位は遜色ないようです。
 
     注) 長浜さんにタイトルを教えて頂き、AMAZON に注文しました
         (納期は4〜6週間)。
 
 
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