新年早々、
「ところで、このあいだ AU-07が、
アクアによるファイン・チューニングが済んで戻ってきましたが、[凄いです !!]
切れ味、艶、三次元的音場、どれをとっても私が知る中では最高だと思います」
続いて
「ところで、我が家のD-58ES/SAも、エソター+T96A-EXで、そろそろ本領発揮という感じで、以前のモアイESを越えました。
特に[奥行き]・[高さ]はなかなかのものですよ!」
との、ぶちかましメールが届きました。
そこで、「これは、お誘いですよね。聴かずば、なりません」
とばかりに押しかけたのは、Shuksさんが、一昨年末、
訪問記で紹介された長浜さん宅です。
外壁は鉄筋コンクリート、部屋の広さは3.3m*6.9m*2.85m(W*D*H)で、床はムクの桜材。奇しくも三島の石田さんのと、ほぼ同じです。
ただ、2畳位の絨毯が敷かれているだけで、反射音はまったくコントロールされていません。
各FE208ESのコーンの中心は190cmの間隔で、コーン面の中心を通る垂線は200cmで交わっています(この交点がリスニング・ポジションの中心)。
D58ES/SAの上には、エソターとT96A-EX。
FE208ESとT96A-EXをAU-07でドライブ、エソターは、新調したVictorのAX-V8000(写真、右手前)でレベルを合わています。
さて、音の印象です。
A.オトが部屋全体に広がり、SPの存在を感じない
B.楽器などの各音源が左右は勿論、前後、上下に定位する
C.定位した音源の大きさが小さく、輪郭がシャープ
D.低域のメロディー・ラインが不明瞭
これらの特性をもたらした要因を次のように推察します。
A.部屋がライブで、直接音と間接音が絶妙にバランスする位置にSPがセッテ
ィングされている(ユットを結ぶ線が壁とナナメになっているのに注目)
B.各ユニットの振動板面がリスニング・ポジションを中心とするコンパクト
な球面(半径2m)上に精密に配置されており、
左右の壁から各約70cm、後ろの壁から約150cm離れ、天井が高い
C.ボケ気味の写真をフォトショップでコントラストを高めるように、指向性の強い
トゥイーター(エソター)の帯域と音量を絶妙に調節してイメージをシャープに
している
D.中・高域と低域とで減衰時間が異なり、低域の残響が多すぎる
それにしても、このように天板にはナマリ棒がギッシリ、
その上、開口段にある階段状の補強板の間にもナマリ粒がギッシリ詰まっていて、総重量が170kgとか(勿論、片側)。
これをミリ単位で動かして、セッティングを最適化された執念には恐れ入りました。
参考までに、長浜さんの音場創造へのアプローチの対極として、石田さんから送られた近影を紹介しておきましょう(ステレオ誌2005年1月号・3月号参照)。
長浜さんは、この1、2年、WWW上で、これはと思うシステムを持つ方を探し、片っ端から訪問され、ヨイ音を求めて研鑽を積まれてきました。
今後は、自らを、修行中の若い僧になぞられて、[おんば小僧]と名乗られます。
さらに、多くの方に、自らのシステムを聴いて頂き、問題点の指摘など、ご批評を受けたい、とのことです。
長浜邸襲撃の楽しみは、美しい奥様にお会いできることだけでなく、次の二つ。
*長浜マジックのノウ・ハウを実地で見学できる
*三次元情報の入った多数の優秀録音ソフトのコレクションを視聴できる
(スリ減らし、またスリ減らし、今4枚目、というのもありますヨ)
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長浜邸訪問の後日、[ミューズの方舟]の定例会の後、居酒屋で[音場]を話題にしてみました。
[音場]を[おんば]と読むと、長岡先生は[おんじょう]と訂正された、とか。
ボーズ、ヤマハなど、メーカーが[おんば]と読まないのは語感が悪いから、とか。
[おんじょうかん]は再生音の高さや奥行きを含まない、とか。
瘋癲老人には、
[おんじょう]には、重箱読みを避ける文科系の香り、
[おんば]には、高校で物理を選択して[電磁場]の洗礼を受けた理科系の香り
を感じます。
そして、長浜さんの用いる[おんば]は、三次元座標(左右、前後、上下)に音のファクターを加えた四次元空間から成り立っていると推察します。
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「ミューズの方舟」の2月定例会は、20日(日)午後2時から
秋葉原デパート二階の喫茶店「
古炉奈」 で