AMANO'S
超・究極のBH
瘋癲狼藉帖
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December **
2005
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Dec-23-2005
フェスティバル後記
「今年のフェスティバルは、用意した椅子も満席で、特に、休憩時間が終わると皆さん自発的に着席され、固唾を呑んで再開を待つという、熱気に圧倒されました。
何度も開催してきましたが、これまでになかったことです。
これは、何回も検討を重ねた企画が、多くの参加者に関心を持って受け入れられたからだと思います」
との、前田会長の言葉で、「ミューズの方舟」サウンドフェスティバル2005の総括が始まりました(先月の定例会)。 
その総括を踏まえ、参加者から頂いたアンケートにも目を通しながら、各演題について、遅ればせながら、振り返って見ましょう。
 
13:00
「ホーンツイーターの聴き比べ」
 
JA0506II、T500A、FT96A-EXの3種を比較試聴
(コンデンサーは午前のリハーサルで複数のスタッフが容量を決定)。
 
参加者の評価(挙手)は
  FT96A-EX > JA0506II > T500A   (約3:2:1)
 
T500Aは数年使用していない、とのハンディもあったようです。
小型で知名度の低いFE96A-EXが、FE208SS4本(片側)の大型システムでも高い評価を得たことが印象的です。
 
13:30
「アナログ・カートリッジの聴き比べ」
 
*システム
アナログプレーヤー  SP-10III(テクニクス)+IT-407(イケダ)
MCヘッドアンプ     H-Z1(パイオニア)
フォノイコライザー   SPA-1HL(SME)
HDD/CDレコーダー  CD-R HD-1300(ヤマハ)
このシステムで焼いたCD-Rを次で再生
 DP-77 > C-2800 > P-7000 > スーパーブラザーズ(FE208SS4本)
 
*比較の組み合わせ
I.CD、SACD、アナログ
 使用カートリッジはDL-103(DENON)
II.オーディオテクニカの3モデルを聴く
 AT-F3II(\10K)、AT-33PTG(\40K)、AT-ART2000(¥55K)
III.ビクターの3モデルを聴く(長岡先生のリファレンス)
 MC-1、MC-L10、MC-L1000
IV.デジタル時代の高級カートリッジ(長岡先生に聴いて頂きたかった)
 AT-33R(オーディオテクニカ)、コントラプンクト・b(オルトフォン)
 ヘリコン(ライラ)、パルナサスDC・t(ライラ)
 9Ω(IKEDA)、スプレモ GOLD(IKEDA)
 エミネント(マイソニックラボ)
 
私は、アナログを全然やりませんので、コメントできませんが、アンケートによると多くの方が違いを楽しんでおられます。また、「CD-Rに焼いてから」という方法に対する疑問も見当たりません。
 
14:20
「直管折り曲げ式バックロードホーンのチューニング」
 
パンフレット(要旨)をこのPDFファイルにしました。
実験は、時間の関係で、調節板が
   (1) 300x77x9mm  (2) 使用せず (3) 140x77x9mm
の3ケースに減らしました。
 
その評価は
   (3) > (1) = (2)   (2:1:1)
で、やはり、オトの好みは様々で、労多くして絞り込んだ(3)が、辛うじて面目を保った、というところでしょうか。
 
「小さな変更で大きな変化。良い体験をさせて頂きました」
「大変分かりやすい実験でした。素晴しいBHですね。(炭山さん)」
「通常では実験できない内容、良くやってくれた(自作歴40組)」
「音の基本、低域の違いが良く分かり面白かった。SPの設計に応用できそう。
チューニングできるSPは貴重です(自作歴7組)」
「スロートの断面の違いで低音の出方が違い。よく分かりました。FE108ESII 良く鳴っています(自作歴10組)」
「ソフトの録音状態をストレートに出すBHの特徴が良く現れております。それにしてもスゴイ。ライブみたい。最後の調節板が素晴しかった(自作歴10組)」
「モニター的な音が好みなので、BHはチョットちがうなと思っていましたが、見直しました(自作歴6組)」
「全くBHの癖がなく、ピーク・ディップを感じないのに驚き(自作歴10組)」
「低音のメロディーラインが良く出て感心しました(自作歴5組)」
 
と、アンケートはまだまだ続きますが、概ね、好評でした。
 
15:00
「ローコスト・フルデジタルアンプの真実」
 
要旨は、演者の内田さんが”ばっかす”名で箱船の客室にポストされています。
「解説がとても楽しかったです(炭山さんの奥様)」
との感想もありますので、是非、ご覧ください。
 
  (DP-77 + C-2800 + P-7000 + SUT-100)
     VS (DVD-S75 + SA-XR25 + SUT-100)
の比較試聴で、約10人(1割)がフルデジタルに挙手されました。
その価格比は
   270万 : 5.5万=49 : 1
ブラインドでやれば五分五分との声が定例会でありました。
 
「音の差はありましたが、コストの点からもローコスト・フルデジタルアンプに注目しています。音のクリアなパナ、あたたかみのアキュフェーズでどちらも長所があると思います(オーディオ歴30年)」
「CP抜群と思った。いい物をご紹介頂きました(オーディオ歴33年)」
「思わず買って帰ろうかと思わせる実力の高さにびっくり!(オーディオ歴38年)」
「デジタルはかたい、やせているというふうに思っていたが、かなり良くなっていて、ゴリ感が出ている(オーディオ歴40年)」
「ローコストの割には良い音であった。光ケーブルと同軸ケーブルでは、同軸の方が音が良かった(オーディオ歴40年)」
「見直す機会を与えて下さり有り難う御座います(オーディオ歴45年)」
 
いずれもオーディオ歴の長い方々のコメントです。
 
15:50
「続・音質向上のテクニック」
 
安くて簡単な音質アップ法を披露しました。
(1) コクヨの粘着材「プリットひっつき虫」 制振材としての効果を聴く
    SPユニットの固定ネジの頭部に貼り、前回(2001年)の「伊研の練りゴム」
    を上回る効果を期待しました。
(2) 粘着剤付き鉛シートの可能性は?
    JA0506IIの開口部外周に鉛シートを貼り、その効果を試聴しました。
(3) NEC CD-10 を用いた音質アップ方法
    ステレオアンプの一方のチャンネルに信号を逆相にして送り、SP端子で
    同相に戻すという手法です。
 
アンケートでは、ひっつき虫と鉛シートが好評でした。
逆相実験での効果は微妙のようで
「貧弱なアンプでやると効果大かも」
「アキュフェーズのAmpの性能が良いのでその違いは判らなかったです」
とのコメントがありました。
 
16:30
「マイCD自慢」
 
こういう参加型のテーマは盛り上がりますね。
内田さんの洒脱な司会が好評でした。
 
何らかの形でフェスティバルの記録を残して置きたいとは考えておりましたが、
主催者側の一人、演者の一人としては、思い入れも冷めやらぬ直後では、自画自賛に過ぎないか、との懸念もありました。
とは言え、2ヶ月が過ぎて、疎らな記憶を紡いだ「フェスティバル後記」です。
 
では、良いお年をお迎えください。
 
 
 
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