オーディオサークル[ミューズの方舟]の定例会(1月25日)で、隣席したSさんにFE-138ES-Rのアルニコに布粘着テープを巻くことを紹介したところ
「よし、やってみる」
とすぐに納得された様子です。
Sさんはスピーカーコンテスト2008に出品され、その空気室はSUT-130と同様に円筒状です。
そのときの説明を要約しましょう。
巻いた布テープより前(コーン側)の空間をA、後の空間をB、布テープと円筒が作る空間をCとします(FE138ES-R対策(3)の写真から想像してください)。
では、布テープを巻くことのハタラキです。
1)コーンの背圧が高くなる。
テープを巻く位置とその量によって変わり、オト的には締まり具合に影響する。
2)AからBに送られるエネルギーがコントロールされる。
高域側が減衰されて送られ、テープを巻く量により調節できる
(Aを空気室、Cをスロートと見なすと理解しやすい)。
3)BからAに戻されるエネルギーについても、2)と同様である。
B以降で生じる、原信号に含まれない新しい振動(ひずみ)の高域側が減衰
されてAに戻されるので、オト的には透明感が増す
(AはSUTシステムの空気室、テープはそのスロート調節板、Bは調節板の
後方の空間と見なすこともできる)
4)Cでは、その断面積・長さ、Aの容積・形状などに依存する周波数で共振が生
じる。
テープを巻く量と位置で共振周波数を調節でき、巻く量を増やすと高域側に
シフトする(Cをバスレフのポートと見なすとそのハタラキを想定しやすい)。
フォステックスが限定販売したフェライト使用のFEユニットは、磁気回路を強化するため、バッフル穴径にギリギリ近い大きな径のマグネットを使用しています。
このマグネットにより、上に列記した、巻いた布テープのハタラキのいくつかは、調節はできないものの、機能していると思われます(特に3)。
さあ、売れ残ってるFE138ES-Rを買いましょう。そして、布テープを巻きましょう
(25mm巾のテープは300円でオツリがきます)。
最後に、アルニコの後端に25mm巾の布テープを直径115mmまで巻いた
SUT-130のF特を示します。
柔らかで豊潤なオトが想像できるでしょうか。
1.軸上 0.2m
2.軸上 0.5m
3.軸上 1m
4.軸上 2m