たまたま居合わせた研究所で起こった事故に巻き込まれて何故か透明人間になってしまったニックは、彼を利用しようと企むCIAのジェンキンスに追われるハメになってしまう。
透明人間になったっていいことなんか特に無い。
自分の手が見えないから食事をとるのも面倒だし、食べたものは透明じゃないから消化中の状態が見えてしまうし、まぶたが透けているから睡眠もろくにとれない。
買い物をするにも一苦労だ。
しかもCIAはその強力な捜査力でニックを執拗に追い続ける。
ニックに安寧の日は訪れるのか……。
「サボテン・ブラザーズ」のコメントを書いているときにそんな映画があったなぁと思い出したのでレンタルビデオで観た。
あんまり期待していなかったおかげか、結構面白かった。 アタリである。
観てるときは全く気づかなかったが、ジョン・カーペンター監督作品である。
というだけで何となく身構えてしまうのは何故だろう。
知らずに観たのが良かったんだな。
透明人間になるきっかけの事故の起きる様子はあまりにお手軽である。
コンソールにコーヒーこぼしただけでいきなり研究所がエマージェンシーは無いでしょ。
きっと監督の名前をあらかじめ知ってたら納得しながら観たに違いないのだが。
研究所ごと透明になったため服も透明になったというのは話の都合上便利で感心した。
透明人間というとつい人間だけが透明(したがって表を歩くときはハダカ)と思いがちだが、本作では靴やなんかもみんな透明なのだ。
寒い中を裸でがまんしたり裸足で歩いたりしなくていいので便利。
ただ、一度脱いだら探すのが大変である。 何せ透明なので。
さておき、やっぱこういう映画はああいう終わり方がいいよね。
話の組み立ては別に目新しくない。
ありそうもない事件に巻き込まれて困る主人公、その主人公を利用しようとする悪人たち、そして主人公を助ける恋人。
そういや「インナースペース」もそんな話だっけ。
と言っても別にお手軽な映画だと思っているわけではない。
とにかくアタリでした。
1997-10-16