舞台はとある高校。
ヒロイン・楠本和美は同級生のクールでかっこいい関くんにあこがれる平凡な女子高生。
生徒会長「高見沢みちる」は、風紀粛正を名目に私兵を集め、学園の支配を始めた。
実は、彼女はいつのまにか別人に入れ替わっていたのだ。
しかし、どういうわけか誰も気づかない。
ただ一人それに気づいた女生徒は、3階から転落し重傷を負って病院に運ばれた。
翌日、ごく一部の生徒を除いて街の人すべてが彼女のことを忘れていた。 彼女の存在そのものが「消えた」のだ。
さらに翌日、彼女のことを覚えていた別の女生徒が「消された」。
この謎に挑もうとした和美と関にもやがて高見沢みちるの魔手が伸びる。
彼女の正体とは一体なんなのか?
テレビ東京で夜中にやってた同名のTVシリーズに先立って公開された作品。
眉村卓の「ねらわれた学園」の映像化といえば……。
かつて映画としては、大林宣彦監督・薬師丸ひろ子主演で作られた、変な、もとい、独特の雰囲気を持ったもの(最後は峰岸徹の顔が夜空に浮かんで流れ星が流れるんじゃなかったか?)があった。
またTVシリーズとしては、フジテレビ系列で放映してた原田知世主演の、ちょっとおふざけ入ったものがあった。
というわけで、今さら「ねらわれた学園」じゃなくてもいいだろうにねぇ……という気がしないでもない。
ただ、新作TV版「ねらわれた学園」のエンディングに流れていた飯島真理「三日月のカヌー」という歌が妙に印象に残った(結局CDまで買ってしまった)ことがきっかけとなり、TVシリーズの最後の数回はまじめに観てしまったので、映画の方もチェックを入れる気になった次第。
ちなみに、原作は読んだことがない。
観るたびに違うストーリーなので、どれが原作に一番近いのかさっぱり分からない。 そのうち一度読もうかな。
さて、本作のストーリーは「時をかける少女」と「ターミネーター」を足して2で割ったような感じである。
映像は良かった。
特撮は控えめだが、要所要所で効果的に使われていたと思う。 校舎に穴が空いた場面などはちょっと苦しいかなと思ったけど。
BGMはとても印象的だった。 TV版の方でも映画版のものを使いまわしていたから、耳に残ってしまった。
なお、飯島真理の曲は出てこない。
主演の村田和美は昨年の甲子園高校野球のポスターのモデル。 ということでかわいいことについては折り紙付き。
ただ、昔はもっと細かったような……。
ニセ高見沢みちる役は佐伯日菜子。
この人の「悪そうな笑い」ってなんか妙にぎこちなく見える。 近所の東急ストアに貼ってあるポスターでは結構かわいらしく笑ってるんだけどな。
しかし、ラスト近くの演技はなかなかハマってたように思う。
本作の総合評価。
うーん、劇場で観たら少しばかり拍子抜けしたかも知れないけど、レンタルで観るならそう悪くない、というところか。
「エコエコアザラクII」のコメントにも書いたけど、円谷には「ウルトラマン」の続きよりこういうのこそがんばって欲しいなぁ。
1997-10-22