「ぱんつ事件」

このお話は、超銀「ムースポッキー」の後を受けてふざけて書いたお話です。
なのでとってもクダラナイです。
超銀のお話の展開を踏まえてのバージョンではありますが
なくても何となく読めると思います。
超銀「ムースポッキー」を先に読んでから、という方は
コチラからどうぞ

ちなみにテーマは「旅行するのに着替えのはいったバッグを忘れた!さあどうする!」

 

新ゼロの場合


「ぱんつ?ダメだなぁ、忘れるなんて」
「でもジョー、あなたも手ぶらじゃない?」
「ふふ、ちゃーんと持ってるさ。ほら、この通り」

ジャケットのポケットから取り出されたのは、ぱんつだった。気持ち退くフランソワーズ。

「・・・なんでそんなとこに入ってるの」
「いつどこに行くかわからないだろう?その時の気分で」
「・・・」

ああそうね、あなたには放浪癖があったんだったわね。と、フランソワーズは小さく息をついた。

「で、こっちのポケットにはきみのぶん」
「!!ジョーのばかっ!」

でも好き・・・?か、どうか、ちょっと自信のなくなったフランソワーズであった。

 


 

旧ゼロの場合


「何を失礼な。この僕を誰だと思ってる!忘れ物などするものか!」

大威張りで掲げたのは、着替えなどの入ったバッグ。

「だいたい、自分の荷物を自分で準備しないから忘れたりするんだ。自業自得、同情の余地もないね!」

両手を腰にあて仁王立ちで高らかに宣言するナイン。
が、その隣にいるスリーは何か他の事が気になっているようだった。

「・・・ねぇ、ジョー」
「なんだい?」
「着替えがあると、一緒にいる時に着るものがちゃんとあるっていうことになるわよね?」
「そうだね」
「・・・良かった」

ほっとしたように胸をなでおろすスリー。

「だって」

問うようにこちらを向くナインをちらちら見ながら、

「そうじゃなかったら裸でいなくちゃならなかったでしょう?・・・私たち」
「!!」

ナインの指先が緩み、重い音をたててバッグが地面に落ちた。

「さすがジョーは違うわよね!」

にっこりするスリーにぎこちなく笑顔を返すと、ナインは思いきりバッグを蹴り飛ばした。
彼方へ消えてゆくナインのバッグ。

「ああっ、大変だ!バッグがなくなった!」
「まあ!」
「これでは着替えができないっ・・・仕方ない、宿では裸でいるしか」
「安心して、ジョー」
「・・・えっ?」
「こんなこともあろうかと私もほら」

スリーは片手を差し出した。
その手に握られているのはナインの持っていたのと似たようなバッグだった。
違うのは色がメタリックピンクというのだけである。

「ちゃあんと用意してきたわ!もちろん、ジョーのぶんも入ってるわ!」

誇らしそうに目を輝かせるスリー。
ナインは頬をひきつらせると、さすがスリーだなと言った。

「そうよ。ゼロゼロナインに何があっても補佐するのがゼロゼロスリーなのよ!」

・・・そうだったろうか?

ナインは内心首を傾げたものの敢えてコメントはせず、

「ありがとう。頼りになるよ」

と心にもないことを言った。
そして、そっと涙を拭った。