−3− 「僕と君は、たったいま別れたんだから」 「だめ。人のせいにしないで。『アナタは』どう思っているの」 ・・・これは、夢、なんだよな? 今度はフランソワーズの頬をむにーっと引っ張ってみた。 これは現実? え。 現実に、フランソワーズは僕と別れたいと言ったのか? ちょっと待ってくれよ。 混乱している頭で考える。 そうだ。 「嫌だ」 だって、嘘だろう? 何かの冗談だろう? 君がそんな事を言うなんて。
「ジョーは別れてもいい、って思ってるの?」
「・・・それは。フランソワーズが」
別れたいって言ったから。
「そりゃ・・・」
別れたいわけ、ないだろう?
夢、だよね?
「いたた」
・・・痛い?
「何するのよジョー」
ぷうっと頬を膨らませる。・・・可愛い。
「痛かった?」
「痛いわよ」
て事は・・・夢じゃなくて、現実?
夢、じゃ、なくて?
そして僕は、そうとは知らずに同意して・・・
だったらどうして、自分で別れを切り出した君が泣くんだ?