「Check!」
-1- 崩壊してゆく島を遥か下にして、ジョーと私は飛行艇でギルモア研究所に向かっていた。
「大丈夫?―――じゃ、続きを」 続き? 思う間もなく、男の顔が唇が近づいてきて、思わず引っ張たいていた。 ―――許可もなく近づかないで。 そして、ともかく逃げた。 ほどなく建物全体が揺れて、ジョーが助けに来てくれた。
|
-2- 自動操縦に切り替えた筈の、隣のパイロットシートに就いているジョーをちらりと見つめる。 何を考えているの・・・? 「ジョー?」 思わず話しかけていた。 ジョーはむっつりと黙ったまま。 ―――慣れているけど。 「何か怒ってる?」 「・・・別に」 怒っている訳じゃないらしい。 ナビシートの上で、ふうっと力を抜いて背もたれに身体を預けた。 何これ。 今の今まで失念していたけれど、そういえば私は今いつもの防護服ではなかったんだわ。 ううん、落ち着くのよフランソワーズ。 いったん安心しかけて、重大な事に気がつく。 このワンピース、微妙に透けてる!! っていう事はつまり・・・殆ど裸に近い状態ということ? 顔が真っ赤になる。
相変わらず、両手を頭の後ろに組んだまま身動きしない。
髪で隠されてしまっていて、どんな顔をしているのかもわからない。
だって、何だかとっても久しぶりに会ったような気がする。
おそらく一日くらいしか経っていないはずなのに。
でも、いつもだったら・・・無言でもちゃんとこちらを見てくれるのに。
今はこちらを見ようとする気配もない。
私が簡単にさらわれちゃったから怒っているの?
でもね。「簡単に」はさらわれていないのよ。戦ったもの。
ただ、パラライザーを使われるとは思ってもいなかった。
でも、だったら何なの。
・・・変なの。
そうしたら、
自分の太腿が露わになってびっくりした。
どういう事?
ついそのつもりでいたけれど・・・
改めて自分の格好を見たら、恥ずかしさで全身が熱くなった。
だって、私の着ているものといったら。薄いシフォン素材のワンピースなんだけど、丈はこれでもかっていうほど短いし、胸元は深いV字にカットされている。ノースリーブで肩も晒しているし、更にはその袖ぐりも緩くて、服の隙間から簡単に素肌が見えてしまいそう。ウエストを緩く紐で結んであるだけで、そこをほどけばするっと簡単に脱げてしまう。
そして。
下着をつけていない?
ブラジャーは・・・つけていないけれど、ショーツははいているわ。ただ・・・とっても薄いけれど。
私は、そんな格好でグレートやジョーと一緒に走っていたというの?
やだ。
どうしよう。
両手で胸元を隠してみるけれど、今さら遅い気もするし、それに大体・・・そうよ。私はどうしてこんな格好をしているの?
記憶を探ってみるけれど・・・駄目。思い出せない。