-3- 両肩にふわっと布がかけられた。 これ・・・ジョーのマフラー? 思わず胸元に引き寄せるようにして、身体がすっぽり隠れるように巻きつけてしまう。 「ジョー、ありがとう」 「・・・別に」 相変わらず言葉が少ない。でも優しい。 「ねえ、どうして私こんな格好をしているのか知ってる?」 不安だった。 「『続き』って・・・何の続きの事だったのかしら」 小さく呟いたつもりだったのに、思いのほか響いてしまった。 ―――怒ってる、ジョーが。静かに。 何故急に怒り出したのかわからないけれど。 私の疑問には答えてくれないのね。 |
-4- ギルモア研究所の地下で飛行艇を降りて、地上へ続く階段を昇ろうとしたらジョーにいきなり抱き上げられた。 「ジョー?!私、歩けるわ」 でも降ろしてくれない。 「降ろして」 じたばたしてみても、鋼の身体は私の身体を抱えたまま、軽々と階段を昇ってゆく。 邸内に入っても降ろしてくれる気配はなかった。 「フランソワーズ!無事でよかった」 「とりあえず、休ませます」 あ。口きいた。 軽く混乱している間にジョーは私を抱き上げたまま2階に向かっていた。 まぁ、降ろしてくれなくてもこのまま部屋まで運んでくれるなら楽だし、いいかな・・・早く着替えたいし。 「ジョー!どこへ・・・」 彼は私の部屋の前を通過し、当たり前のように自分の部屋に入った。 |