ドルフィン号で帰投中に、違和感の正体はあっさりと判明した。
002が003の額をつついて言ったのだった。
「お前、カチューシャはどうした?」
「ビームがかすって割れちゃったの」
でもおかげで命拾いしたわ。と明るく笑う003に、顔色を変える002。
「割れた、って・・・大丈夫なのか?その、衝撃は受けただろう?」
「ええ。一瞬、気を失ったけれどすぐに意識は戻ったわ」
大丈夫よ。と続ける。
「そうか。・・・まぁ、なんにしても良かったよ。009が気付くのがあと一秒遅かったら、今頃は大変だったぜ」
「本当ね」
そう言って、ちらりと009を見る。
先刻からずっと無言の彼。
戦闘後に無口になるのは、いまに始まった事ではなかったけれど。