桜の花びらが舞う。

夜空に舞うそれは儚くて――星空を背にして流れるそれは美しく、そして哀しかった。

 

 

ひとりで見る夜桜。

あなたはいない。

一緒に歩いたあの日は遠いものになってしまった。

 

私がもう少し大人だったら。

 

今この桜さえも笑って見つめることができただろうか。

全ての愛しさも悲しみも受け止めて、簡単に泣いたりなんかせずに。

 

あなたがいなくても。

 

あなたがいないということを、思い出しても。

 

受け止める温かい手がなくても。