「――誕生日?」 ええそうよ。と003は微笑んだ。 「不本意ながらまた集まることになってしまったけれど・・・、ちょっとしたお互いのお祝い事とか、忘れないようにしたいな、って思って」 再び車の雑誌に目を落とそうとしたら、横からひったくられた。 「・・・!」 002だった。 「フランソワーズが訊いているんだから、ちゃんと答えろよ」 やれやれ。何をそんなに熱くなっている? 「あなたはいつなの?ジョー」 邪気のない蒼い瞳を見ていると、ちょっと意地悪したくなった。 「誕生日って、どっちの?」 声もなく見つめる蒼い瞳。 「貴様っ」 いきなり胸倉を掴まれた。 「何を言い出すんだ、彼女に!」 片手で払う。 「だって、本当の事だろう?僕たちの誕生日ってどっちの事だ?」
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