「さいぼーぐ・しまむらくん 我が家へ来る」
3
「か、かくしてないよ、なんにもっ!!」
・・・かめも、いちおう「しまむらじょー」だったりするので、「対決」する時は頑張ります。
咄嗟に「ぜろぜろないん」もーど、になったりもします。
が
相手に甲羅を掴まれて空中でじたばたしながら言うのは、いまひとつ迫力に欠けるのです。
・・・これがアウェーっていうのかな。
などと、頭の片隅でしみじみ思ったりして。
そんなかめを観察しつつ、こちらのジョー島村はあくまで「余裕」で
「ふぅん?・・・何にも隠してない、か。・・・「何にも」ってなに?」
あうう。しまった。と、思っても遅いのです。かめのしまむら。
まさかこちらのジョー島村が、ふだんお嬢さんに言われているセリフを言ってみたかっただけとは思いもよりません。
「君には悪いけどさ」
甲羅を掴んでいる手をぱっと離すと、反対の手で受け止め、今度はぽーんと空中に投げ上げます。
「フランソワーズと勝手に何か話すなんて、放っておけないね」
ぱし!と受け止められ、もう一度ぽーんと空中に投げられる、かめ。
頭の中がぐるぐるしてきます。
「・・・君も「しまむらじょー」なら、わかるよね。彼女に近づくヤツは許さないって」
彼の手の中でジャグリングされ、くらくらしてくるかめのしまむら。
・・・思い出しました。
この家のジョー島村は、「メルヘンランド」で確か・・・
あの蝶も怪しいわ。と言ったお嬢様のために蝶を捕まえて壊してしまったのでした。
しかも「ロボットだった。触ったら壊れてしまったよ♪」と、のほほんと言ったヤツなのです。
(あれは「壊れた」のではなく、アナタが「壊した」のではないかと。)
笑顔であれこれ(怖い事が)できてしまうジョー島村。の、居るウチ。(つまりここ)
・・・ひどいやっyumaさんっ
知ってたら、知ってたら・・・せんとうもーど、で来たのにっ
今さら叫んでも遅いのでした。
(どーするよ、かめ・・・。まさかジョーに捕獲されるとは・・・気の毒に・・・)
「で。フランソワーズとの話って、何なのかな?」
表面上、にっこり♪しているけれど、それは嘘だということは知っているかめ。
(えぇ、彼も「しまむらじょー」ですからっ!)
ふらんそわーず。どうしよう・・・
一瞬、考えて。
いま「目の前にある危機」と「お嬢さんとの約束←ジョーには内緒よというもの」を比べてみて。
さて。
かめが選択したのは。