連休特別企画
「合コンmix」
参考に シリーズもの「合コン」

 

「合コンんん?」

電話の向こう側で3人の009はくしくも同じ言葉を言って、そして一様に絶句した。

 

 

「懲りたはずじゃなかったのか」

とは旧ゼロ・ナイン。

「あら、だって――何かあったら、また助けてくれるんでしょう?」

無邪気に言うスリーにナインは再度言葉に詰まった。
以前、合コンに行ったスリーが心配で、一日ずっと尾行していたのだ。――という事実を彼女は知らない。
言えるはずもなかったから、ナインはうっすらと額に汗をかいた。

「そ。――そんなの、わかるもんか」
「助けてくれないの」

うっと詰まりながら、ナインは袖で汗を拭った。

「イヤ、そんな事は」

ないけど、という語尾が細くなり消える。

「それにね、合コンっていっても知っている者同士で食事をするというだけよ?」
「知っている者同士?」
「ええ。3人の003だもの」
「――男は?」

合コンというからには男も3人いるはずだった。

「んっと・・・私が知っているのはゴーチェね」
「ごっ・・・」

ゴーチェ?

「え、おい、ちょっと待てよ、どうしてヤツが」
「さあ?知らないわ」
「知らないわ、って・・・」

 

 

 

 

同じ頃。


「――行くな、って言ったよな?」

硬い声で応じたのは新ゼロ・ジョー。

「でも誘われたんだもの」
「誘われたら何でも行くのか」
「行くわよ。だって003同士よ?何も心配することないじゃない」
「だけど合コンだろ。男もいるんじゃないか」
「そうね」
「誰が来るんだ」
「・・・さあ。よくは知らないわ」
「知らないわ、って・・・」

しつこく食い下がるジョーにフランソワーズは小さく息をついた。

「もう。ジョーもよく知ってるひとよ」
「誰」
「ジローくん」
「ジロー?」

彼は今、某研究所で働いているはずだった。

「ジローって」
「あなたの古いお友達」

確かに孤児院で一緒に育った仲だった。ハーフというのも一緒で、自然と仲良くなったものである。
しかし、彼とフランソワーズは面識がないはずだ。なのになぜ、その合コンとやらのメンツに彼が加わっているのかジョーには解せなかった。

「何でアイツが」
「さあ?詳しいことは知らないもの」
「知らない、って・・・」

 

 

 

 

またまた同じ頃。


「――行くつもり?」

今度はちゃんと止めようと心に決めつつ、超銀ジョーは問いかけた。

「ええ。今度は絶対行きますからね」

先を見越したように言われ、ジョーは鼻白んだ。

「・・・そんなの、僕が行かせると思ってるのかい」
「ええ。だって003同士の会合だもの。構わないでしょう?」
「でも合コンだろう」
「そうよ」
「だったら男もいるんじゃないのか」
「そうなるわね」
「だ・・・」

駄目だ、そんなの。と言おうとした彼を遮るように、フランソワーズは続けて言った。

「大丈夫よ。ジョーもきっと知ってるひとだから」
「・・・ふうん。誰」
「確か・・・ゴーチェとジローとカール」
「知らないな。――いや、ちょっと待て。・・・カール?」

それは009たちにとって共通の仇敵ではなかったか。(by未来都市編)

「おい、ちょっと待て」
「じゃあね」

無情にも通話は切れた。