でも

 

僕は――きみに甘えていてもいいのだろうか。
このままずっと甘えていても――許されるのだろうか。


わからなかった。


いつもわからなくなって、そのまま――答えを探すのを放棄してしまう。
「ここまでよ」と境界を引かれるのが怖くて、それ以上確かめることができない。

だからいつまでたっても僕の不安は消えることがなかった。

不安定な僕の心。

フランソワーズを思う気持ちが大きいほど、彼女が背を向ける日がいつか来ると思うと怖くて寂しくて耐えられない。

 

僕は

 

僕はどうすればいいのだろう?

 

 

 

 

 

「ずうっと一緒って言ったでしょ?」

 

 

いたずらっぽく揺れる蒼い瞳。

まるで天啓のように響いた声。

 

 

僕は

 

 

フランソワーズの手をそっと握り締めた。