「ごめんね、フランソワーズ」

 

 

 

――ゴメン。

僕が悪かった。

 

――ごめんね。

そんなつもりじゃなかったんだよ。

 

――すまなかった。

反省してる。

 

――本当にゴメン。

怒ってるよね・・・?

 

――悪いと思ってる。反省してる。

本当だよ?

 

本当に――ごめんね、フランソワーズ。

 

 

****

 

どれを言っても嘘っぽいと思ったし、どれを言ってももう遅いような感じもした。
だけど、言わないわけにはいかなかった。
だって、そうしなければフランソワーズは――僕の前から消えてしまう。

引き止めなければ。

何が何でも。

行かないで、って。

僕のそばにいてくれ、って。

だって、そう約束したじゃないか。――はっきり口に出して言ったわけじゃないけど。
だけど、絶対離れないっていつもきみはそう言っていたから。

 

だから僕は安心していたんだ。