−エピローグ2−

 

膝から力が抜けていく。
ジョーの深いキスで・・・立っていられなくなる。
久しぶりだから?こんなに激しいのは。
ジョーがしっかり支えていてくれなければ、このまま倒れていたと思う。

唇を離して、どちらからともなく息をつく。
私はジョーの胸に抱き締められ、もたれたまま。
「・・・フランソワーズ。大丈夫かい?」
耳元で囁かれて、体に電気が走ったみたいにびくっとした。
ただ首を振るしかできない。
「抱いて戻るのは簡単だけど・・・」
それは嫌。
あとでみんなにどんなに冷やかされることか。
「・・・少し、待って」
自分の声が掠れているのに驚く。
「もう少ししたら・・・歩けるわ。きっと」
「・・・本当に?」
耳にキスしながら、甘い声で言うあなた。
「もう・・・だめよ、ジョーったら」
「何が、だめ?」
言いながら、頬にキス。
「だって・・」
がくん。
膝から力が抜けてしまった。
「おっと」
あなたは私をしっかり抱き締め、そのままゆっくり座り込んで。
そして優しく微笑んだあと、再び唇を重ねてきた。
さっきよりも激しく。深く。
ジョー。
いったい、どのくらいキスしたら気がすむの?

 

どんなにキスを交わしても足りなかった。
まるで、離れていた時間を埋めるかのように。

頬が染まるフランソワーズ。
目が潤むフランソワーズ。
困った顔のフランソワーズ。
ぜんぶ、可愛い。
だから抱き締めて、キスを続けた。

 

 

「ジョー、ダメよっ!」

急に大きい声で言われて、はっと我に返った。
僕の体の下で、フランソワーズが怒っている。
防護服のマフラーが外れ、いつ背中のファスナーを下ろしたのか憶えていないけれど
とにかく彼女の首筋から肩が露わになっていた。

「あ」
「あ、じゃないわよ、もう」
「・・・ごめん」
知らないっとプイと横を向いた。
頬をピンクに染めて。
・・・可愛い。
胸に抱き締め、髪にキスする。
離れたくなかった。
だけど。
これ以上、彼女とここにいたらどうなってしまうのかは、さっきの自分を見れば
容易に想像できることなので・・・
フランソワーズの肩を抱いていた腕を何とか引き剥がした。

「立てる?」
「ええ・・」
よろめくフランソワーズを支えて。
「もう。みんなに笑われてしまうわ」
「笑わないよ、きっと」
たぶん、気を利かせてくれてるはずだから。

フランソワーズとドルフィン号の中に降りた。
そのまま肩を抱いて、部屋に送って、そして・・・・

後ろ手にドアを閉めると施錠した。
「・・・ジョー?」
見つめる君を強く抱き締め、キスをした。
今度は抑えない。
フランソワーズの体から力が抜けていく。
そのままベッドに倒れこむ。
「・・・ジョー・・・」

フランソワーズ。
結果的に僕はずっとよそ見していた事になるのかな。
君から見れば。
だけど・・・本当に、君のことはずっと好きだったんだよ。
一度だって、揺らいだ事はないんだ。
だって君は、他のどんな女の子とも違う。
誰よりも大切で。
既に僕の一部なんだから。
君を失ったら、僕はきっと生きていけない。
それだけは、いつでも僕の真実なのだから。

 

 

 

 

もしくは、このまま第28話SS「涙」へ直行!

 

 

でもって。
「部屋」って、ドルフィン号にそんな余分な部屋なんてあったっけ?
とお悩みのあなた。
実は、書いている途中で、ここってXポイントの廃船を模した居住スペース・・・だっけ?
と、大いなる勘違いをしてしまったワタクシなのです。
そのへんは、大目に見てください。
きっとドルフィン号には、「メディカルルーム」「休憩室」の他に
「仮眠室」くらいあるでしょうから。そういうことで!
それから、なぜこの「エピローグ2」をつけたのかというと・・・
実は、次のSS「涙」に繋がるのでした(ちょこっとですが)
なので、どうしても外せず・・・
ワタクシ的には「かなり大人テイスト」な雰囲気になってしまいました。
(でもこれが限界です。凄いのを期待してた方、すみませんです)