「・・・ごめんね」

 

泣いてしまったフランソワーズが可愛くて。
僕のせいで泣いているのに。
僕が泣かせてしまったのに。

とても、愛おしかった。

 

うつむいたまま、僕の胸にもたれる君を抱き締めて。

だけど僕は、ずっと君の事が好きだったんだよ。
信じてもらえないかもしれないけれど。

 

同じサイボーグである君と一緒にいると、否応なくサイボーグである自分を意識せざるを得ないから、
全てを忘れたい時は、一人になるしかないと思っていた。君と離れて。

だけど、それは間違いだった。

ただ、孤独な自分を知るだけだった。

 

僕はね、フランソワーズ。
やっぱり君が隣にいないとダメみたいだ。

「一人」になりたいと願っても、それは必ず君の元に還ることができるのが前提での事だった。
そうでなければ、僕は「一人」になんてなれるわけがない。

君の手を離したまま、生きていけるわけがない。

 

きっと僕は、君に甘えているだけなんだろうな。

フランソワーズの温かさを感じながら思う。

だから、いつか

 

いつか僕は、君を失うかもしれない。