「あいつら、バカだよな」

「そうだな」
リビングでオセロゲームをしながら、ポツリと言う。

「何、意地張ってるんだか」
「放っておけよ。お前はいつも心配しすぎだ」
「わかってるよ。だけど」
結局、一番割に合わない目に遭うのは何故かいつも僕なんだよな・・・。

「やめとけよ。いい加減、あいつらも自力で仲直りくらいできなきゃダメだ」
「わかってる。・・・だけど、二人とも頑固なのは知ってるだろう?」
「・・・まぁな。ジョーもああ見えてかなり頑固だしな」
「フランソワーズはああ見えて意地っ張りだし」
やっぱり僕が何とかしないと。

そう呟く008をじっと見つめる004。

まったく。
あの二人の兄貴役は大変だよな。・・・お互いに。

 

 

 

 

 

それをあっさり解決したのは005だった。
それも、最も簡単な方法で。

相変わらず微妙な距離を保つ二人を見かねて、背を押したのだった。
009の方に向けて、003を文字通り突き飛ばした。

「ジェロニモっ?!」

とっさに003を胸に抱きとめて、驚いて005を見つめる009。

「・・・悪い。通れなかった」
そう言って、洗濯籠を両手に抱え、廊下を進み、やがてデッキに向かう階段に姿を消した。

呆然とその後ろ姿を見つめる003と009。

そして。

お互いの顔を見つめ合って。

どちらからともなく笑い出した。

 

あんまり笑って、涙が出てきちゃった。

僕もだよ。

 

そうして、お互いの肩に髪に顔を埋めた。

 

 

 

 

 

 

キッチンから出ようとした006は慌てて中に戻った。
デッキから戻ろうとした002は005に止められた。
二人の笑い声に何事かとリビングのドアから顔を覗かせた004と008は、やれやれと再びオセロゲームに戻った。
001を抱いてキッチンに向かっていた007は途中で足を止めた。

「イワンよ。どうやらしばらく通行止めのようだぜ」
『ソノヨウダネ』
ちょっと考えて。

『みるくハ後デイイヨ』
「我慢できるのか?」
『スル。今、アノ二人ヲ邪魔スルノハ避ケタイ』
「・・・だな」
やれやれ。

「大変だな、お主も」
『ン?・・・フフッ。僕ハふらんそわーずガ幸セナラ、ソレデイインダ』
ジョーはどうでもいいのかよ・・・
と、001の顔を見つめる007なのであった。

 

 

 

 

オマケです(ある意味セルフ突っ込みです)
注意!あまりに「ばかっぷる」で頭痛がするかもしれません。
それでもいいというかたはどうぞ!