「ジョー?」

思わず身体が強張る。
駄目だ。
いま、君の顔を見たら。

 

声を掛けてもこちらを見ようともしない。
・・・おかしい。
思わず身体を起こす。
そっと彼のほうに手を伸ばすけれど、届かない。

 

「・・・どうしたの?」

彼女が優しく声を掛ける。
駄目だ。
僕はこれ以上、ここに居てはいけない。

 

「待って」

どうして出て行こうとするの。
また私を置いて行ってしまうの?

そんなの、もう嫌。二度と嫌よ。

気付いたら叫んでいた。そうしないとあなたは行ってしまいそうだったから。

 

「また私を置いて行ってしまうの?」

その言葉が君から逃げようとする僕の身体を縛った。