「――ねぇ。登録するのってこうでいいのかしら?」 ジョーのマンションのエントランス。 「・・・ね。ジョーって今までずうっとここに住んでいたんでしょう?」 登録したのは私が最初なの? とは、さすがに訊けなかったので、代わりにこう言った。 「いいの?登録しちゃったら、私、しょっちゅう来ちゃうわよ?」 まじまじとジョーを見つめる。 「・・・本当に、来ちゃうわよ?」 すると、ジョーは一瞬黙って、 「そうしたら、帰ってくるのが楽しみだな」 にっこり笑んでそう言った。
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ギルモア邸での共同生活において、それぞれ各人に割り振られているものがある。 島村ジョー。009。 彼に「食事当番」が回ってくることはない。
「だって、『当番制』にしているのに、ひとりじゃ何にも作れないんだもの。インスタント食だとか、ピザをとってごまかしたりとか――私たちはいいけど、博士が可哀相よ」 はぁ、そうですか・・・ 「それに、私の当番の時は邪魔ばっかりするし」 島村ジョー。 後に彼には、「キッチン入室禁止令」も発令されたのだった。
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