「エイプリルフール」
朝、いつものようにナインがギルモア邸にやってくると、何故か玄関で待ち構えていたセブンに突然
常日頃からセブンの感情の起伏に関しては興味深いところがあったが、いくらなんでも唐突すぎる。 「……いったい、」 眉間に皺を寄せ詰め寄ったところへ 「へへーん。ひっかかったひっかかった。驚いたかい?嘘だよーん。今日はエイプリルフールだからさ、だから」 みなまで言わせず、ナインはセブンを抱えるとその尻を叩いていた。 「まったく。嘘吐きは泥棒の始まりって言うだろう?」 尻を叩くナインの手に力がこもったことは言うまでもない。
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「……全く。セブンはテレビに感化されすぎだ」 スリーの淹れたコーヒーを飲みながらナインはぼそりと呟いた。 「あら。それだけ平和ってことでしょう。いいじゃない」 そのままふいっとリビングを出て行くスリーの背を見送り、ちょっと首をかしげ――ナインが慌てて腰を上げたのはそれから数分後であった。
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