「夢」

 

 

 

あまりにも好きで好きで大切で。
いったい、この思いをどうすればいいのかわからなくなることがある。


顔を見るだけでいい。


という日もあれば、


もっと近くに彼女を感じないと耐えられない


という日もある。


いったいどちらが本当の僕なのか。
あるいは、両方とも本当なのか。

僕はいったい、彼女をどうしたいのか。

 

――わからなくなる。

 

大事で大切で誰の目にも触れさせたくないから、どこか僕だけの秘密の場所にしまっておきたいような気持ちもある。それはただの妄執に過ぎないとわかっていても、心のどこかにそんな思いは常にある。
かと思うと
こんなに可愛い彼女と手を繋いでいいのはこの僕だけだぞって世界中に自慢して歩きたくなる。
誰も手を出すな、彼女は僕のなんだから。とふれまわりたい。誰も手出しができないように。


いったい僕はどうなってしまったんだろう?


でもこの気持ちをぶつけるわけにはいかない。
こんな――ことを思っているなんて彼女に知られたら、嫌われてしまう。
熱くて重くて鬱陶しいに違いない僕の想い。


だからことさら、僕は彼女にそっけなく振舞う。
そしてそのせいで泣かれることもしばしば。
そんなの本末転倒だと思うけれど、僕の本当の思いがばれてしまうよりはいいだろう。
だって、僕の本当の思いを知ったらきっと――彼女は僕を怖がって、そして去ってしまうだろう。

そんなことになったら、僕は。

 

 

魂を悪魔に売り渡すだろう。