「イケメンの条件」
イケメンの条件。
「さわやか」「誠実」あとひとつは?
「――なんだって?」 「だから、イケメンの条件。『さわやか』『誠実』あとひとつはなに?」 スリーがそう言うとナインはふんと鼻で笑った。 「そもそもが愚問なんだよ。大体。誰に向かってその質問をしているんだい?」 そうだったかしら、とスリーはちょっと首をかしげた。 「みんなそれを満たすために努力してるってわけだ。もちろん、外見の話じゃない、内面の話だ。中身が既にいけてる人間にする質問じゃないくらいきみにもわかりそうなもんだけど?」 きっぱり言う彼の顔はいたって真面目で、本当の本気でそう思っているのは確かなようだった。 ナインがイケメン。 確かに外見も内面も、誰が見てもそう思うだろう。彼の言っていることはもっともだった。 しかし。 「…でも、ほんとうにイケメンのひとは自分でそういうこと言わないと思う」 可愛くないもの。ジョーが勝手にそう思っているだけよ。と言おうとしたけれど顔が熱くなって何もいえなくなってしまった。 「正義のヒーローでイケメンの僕が言うんだから本当のことだ」 好きでしょうがないからに決まってるだろ、とナインはスリーにキスをした。
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