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ジョーはいつも私を守ってくれる。

いつでも。

どんなときでも。

だから私は・・・彼のために強くなりたい。
足手まといにならないように。一人でもちゃんと戦えるように。簡単に攫われたりなんかしないように。

強くなりたい。

あなたのために。

 

***

 

数日後。

イワンの力によって窮地を脱した私とナインは、その後博士の治療を受け、すっかり元に戻った。
私よりも重症だったナインは、しばらく治療室から出られなかったけれど、今では元気いっぱいだった。
「ほら、言っただろう?大丈夫だ、って」
そう言って笑ったナインはいつものナインで――何故か私は泣きたくなった。

あの日から。

ナインはひとり考え込んでいることが多くなった。
でも、私が心配して見つめるとすぐに「何でもないよ」といつものナインに戻る。
いつもの、元気なナインに。
それが空元気に見えてしまうのは――私の気のせいなのだろうか。

 

***

 

――戦う機械。

 

あの時、敵は私たちに向かってそう言っていた。戦うために造られたサイボーグと言った。
言葉に詰まる私に、「そんなことは知っている」と言い放ったナイン。

――でも。

おそらくその言葉が今でも彼に重くのしかかっているのは確かで、私はそれを言ってはくれないナインが悲しかった。