「抱き枕代わり」

 

 

・・・重い。

 

なんだろう、この重み。

ずっしりと身体全体にのしかかってくる重さと、柔道の寝技がきまっている時のような自由の無さ。
つまり、びくとも動けないのだ。


試しに右手の指先を動かしてみる。


動く。


左手の指先は。


動く。


首を左右に振ってみる。


動く。


右足を持ち上げようとしてみる。


動かない。


左足はどうだ。


動かない。


ナインは諦めて身体の力を抜いた。
途端に感じる身体の上の重量。

鼻先を金色の髪の毛がくすぐった。