ギルモア博士、お元気でいらっしゃいますか?
私たちはみんな元気で休暇を楽しんでいます。
学会がなければ博士も一緒に行けたのにと残念ですが、
博士のことですから、きっと学会を楽しく過ごされている事でしょう。
ちゃんとお食事をしてちゃんと眠ってくださいね。
ランチョンセミナーとかディナーディスカッション等で食事を曖昧になさらないように。
こちらはとても暑いですが、セブンもナインもイワンも元気いっぱいです。
もちろん、私も元気です。
先日はセブンとナインがスイカ割りをして大騒ぎでした。
ナインったら力加減をしないから、スイカを粉々にしてしまって食べられなかったセブンがごねて、
結局新しくスイカを買いに行かなくてはいけませんでした。
そんなふうに大騒ぎしながらですが、楽しく過ごしています。
もうすぐ帰りますので、博士も楽しく過ごしていてくださいね。
お土産も期待していてください!
フランソワーズより
(C)むき操様
「フランソワーズ、何を書いてるんだい?」
ナインがスリーの手元を覗きこんだ。
「博士にお手紙を書いてたの」
「ふうん。手紙が着く頃にはむこうに帰ってると思うけどな」
「んもう。そういうこと言わないの」
スリーが頬を膨らませると、ナインは笑ってその頬をつついた。
「ファックスで送ればいいよ」
「そうね・・・そうするわ」
手紙のほうが風情があるんだけど、と呟きつつ、それでもナインに同意する。
確かに郵送よりファックスのほうが速いし確実でもあった。
「――午後はどうする?」
「ん・・・そうねぇ」
スリーは眼前の海に目を向けた。