ジョーが私の送り迎えをするのは、任務だから。

勘違いしてはいけない。

 


そう思っていた。


でも、違った。


ううん、厳密には違っていない。
だってジョーが私を心配するのは、確かに任務のひとつには違いないわけで。

 

――違いないんだけれど。

 

・・・。

 

「・・・ねぇ、ジョー?」

息継ぎの間に訊いてみる。
でもジョーは、答えるのがとってもメンドクサそう。

だから私は心の中だけで言ってみる。

 

送り迎えにちゅーするのって、任務じゃないわよね?

 


「・・・任務じゃないよ」
「!凄いわ!ジョーって実はエスパー?」
「・・・きみの考えてることなんて」

お見通しさ。


「――ん。なんだか私もエスパーみたい」

だっていま、ジョーが何を思ったのかわかったもの。

「そう?」


煌めく黒曜石の瞳。
私の少し驚いた顔が写っている。
私はそれを見るのが大好きだけど、いつも長くは見られない。

だってちゅーする時は目を閉じなくてはいけないもの。