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「アニキ。ほっぺに何かついてるよ」 「ああ」 セブンに指摘されても、むっつり黙り腕を組んだままのナイン。 「なんか四角い痕・・・?なんだい、これ」 しかしナインは渋面を作ったままである。 「もう、ジョーったらそんなに怒らなくたっていいじゃない」 スリーはコーヒーをみんなに配ると、ナインの隣にちょこんと腰かけた。 「やっぱりベンジンじゃなきゃダメかしら」 ナインの両頬には白い四角い痕。 「まったく、油性ペンで描くことないだろ」 ワールドカップサッカーで日本チームを応援する際、両頬に日の丸をペイントしたのだった。 「ふうん。スリーは自分のほっぺには描かなかったのかい?」 ナインの頬を見つめながら、セブンが至極もっともな疑問を放った。 「えっ?ええ・・・」 スリーは隣のナインをちらりと見つめ、頬を染めた。 自分もペイントするつもりだったのだ。 ・・・なんてことはセブンに言えなかったから、スリーは隣のひとの脇腹をちょっとつねった。 「なに?」 ナインの頬が少し緩んだ。
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