―7―
同情ならやめてくれ。フランソワーズ。 きみが大事に思っているのは僕ではない、ヤツなんだろう・・・?
――僕は本当にばかだった。
きみが僕を好きになるわけなんか、ないのに。 勝手に、きみは僕のものなんだと決めてかかっていた。 とんだ幻想を抱いていたものだ。しかもそれを現実だと誤認して。
――本当に情けない。
そして――
――みじめだった。
僕は誰かを愛してはいけない人間だった。 求めてはいけないのに勝手に夢を見たから、ばちが当たった。
フランソワーズ。
僕が――僕みたいなのが、きみを見つめてちゃいけなかったんだ。
だけど
本当に大好きだったんだ――