「弱さは強さ」
僕はなんだかすっかり弱くなってしまった気がする。
以前は強気に何でも決めて、ただがむしゃらだった。
そうでなければ地球の平和なんて守れない。
そう思っていた。
だからおそらく、いまのような弱い気持ちを持った僕には地球なんて守れないのだろう。
だって、いまは怖いものがある。
怖くて怖くて仕方がない。
こんな正義の戦士なんかいるだろうか。
でも。
あるいは、こういう気持ちがない者には、地球だって何だって守れやしないのかもしれない。
――惚れた女ひとり守れなければ。
僕は、フランソワーズを失うのが怖い。
彼女が傷付くのも嫌だ。
これが僕の弱さ。
だけど。
フランソワーズが幸せに笑ってくれたなら、僕は何も怖くなくなり、誰よりも強くなる。
だからフランソワーズは僕の弱点であると同時に、僕を最も強くさせる存在。
誰よりも大切なきみ。
――どうか幸せに。
毎日、笑っていてくれたら僕は誰にも負けない。
隣にいるのが僕じゃなくても。