「いばら姫」
昔々、ある所にいばらに囲まれたお城がありました。
そこには囚われのお姫さまがひとりぼっちで暮らしておりました。
お姫様は大層美人でしたから、周りの国の王子様たちが放ってはおきません。
誰もがお姫さまを助けにいばらの森に入ってお城まで迎えに行きました。
けれども誰一人としてお姫さまをお城から連れ出すことは出来ませんでした。
力自慢の王子様も。
知識が自慢の王子様も。
誰からも優しく愛されている王子様も。
どんなタイプの王子様がやって来ても、お姫さまを連れて帰ることはできませんでした。
そして、いつしかそれは伝説となりました。
「いばら姫を助けることができるのは真の勇者だけである」と。