![]() 【五日目:真犯人判明】キーパー:翌日になります。じゃあ、皆さんD6を振ってみてください。 村瀬:(コロコロ)4。 チェ:(コロコロ)4。 鷲羽:じゃあ、オレも4を出そう。(コロコロ)5。 織本:(コロコロ)4。 キーパー:では村瀬、千重本、織本の三人がちょうど同じくらいにBOXに来たということで。今日の出店当番は蕪くんと鷺山さんです。 さて、少し遅れた鷲羽さんがBOXの前まで来ると、扉の前に天草くんが立っています。鷲羽さんは<聞き耳>をしてください。 鷲羽:(コロコロ)失敗(笑)。 チェ:何やっているんだよ〜(笑)。 鷲羽:「ハンハンハハ〜ン♪」と上機嫌でやってきたので(笑)。 キーパー:(天草)「ハッ!?」。 鷲羽:「! ハンハンハン、ハァ! ゲハッハァゥオ! よ、よう!」と咳き込んだフリをして声をかけます。「久しぶりじゃーん」と言って扉を開けて一緒に中に入ります。 キーパー:では、天草くんと鷲羽さんが一緒にBOXに入ってきました。立花くんはまだ来ていませんね。天草くんは黙然と椅子に座っています。 チェ:では我々も居住まい悪そうに黙っています。 鷲羽:チラチラと隣の人に目を走らせながら咳払いしています。 織本:「ン、ンン。ゴホンゴホン」。 一同:(笑)。 村瀬:「……天草くんはファンタジーとか読むの?」。 キーパー:(天草)「はあ。『外道戦記』とか読みますよ。阿修羅系・ル=グウィンという人が書いたやつですけど」。 鷲羽:「オレも『アナルニア国物語』とか読むんだぜ」。 一同:(爆笑)。 キーパー:話しかけられたおかげで、天草くんは打ち解けてくれたようです。ファンタジーの好みなどを話してくれます。 織本:相変わらず影は濃いんだよね? キーパー:濃いですねー。しばらくすると立花くんが入ってきます。ガチャ。「どうもー」。 織本:「やあ、どうもどうも。来てくれたんだね」。 チェ:立花くんが来た時に天草くんの反応はありますか? キーパー:会話が途切れて、「あ!」という感じです。 村瀬:実は立花くんの影も濃いってことはないですよね? キーパー:一目で分かりますが、彼の影は普通です。しばらく新入生の動向などの世間話をします。ここで全員<アイデア>か<目星>を振ってください。 鷲羽:<アイデア>の方が高いですが、技能チェックがほしいので敢えて<目星>で! (コロコロ)01! 来た……。 キーパー:チェックしておいて良いですよ(笑)。皆さん何かしら成功しましたね? チェ:……ダメでした。 鷲羽:どうしようもない人ですな。whityさんの代わりに帰れば良かったのに。(※whity氏は所用のためセッションに参加せずに帰宅していました) チェ:……う、うん、まぁね(汗)。 織本&村瀬:(笑)。 キーパー:では鷲羽さんと村瀬くんは、天草くんの影が普通に戻っていることにふと気付きます。そして織本さんは立花くんの影が濃くなっている事に気付きました。 鷲羽:ヤベ! キタ!! キーパー:それに気付くと同時に、立花くんの足下から「アタリだっ!!」と言う声が聞こえました。皆さんが「え?」、立花くんも「え?」という顔をした次の瞬間、立花くんの姿が陰の中に消えます。 村瀬:へ? 鷲羽:影の中に沈むっている感じですか? ダッシュして彼の手なり足なりを掴む事は可能ですか? キーパー:この場合は不意を打たれていますので、DEXの1倍ロールです。 織本&鷲羽&村瀬:(コロコロ)ダメだ! チェ:私は気付いてすらいなかったので振れません。 織本&鷲羽&村瀬:ダメだ(笑)。 キーパー:立花くんの姿は消えてしまいましたが、彼の影だけはそこに残っています。そして残された影がザワザワと波打つように蠢くのが分かります。 鷲羽:チェが気付いていないと困るので、「か、影がっ!!」と言って指差します。 チェ:二度見します。 キーパー:しばらく影は蠢いていましたが、しばらくすると「クソッ!」という毒づく声がして、影の中から人が一人ゴロンと転がり出てきます。 織本:「どちらさま!?」。 キーパー:見たことのない人ですね。「えーーーーーっ!?」と思っていると、その影だまりはフッと消えます。 村瀬:天草くんの方を見て「一体、何が起きているんだ!?」。 キーパー:天草くんも一連の出来事に呆然としています。 チェ:出てきたのは「クソッ!」て言っていた人? キーパー:どうやらそのようですね。ワイシャツを着た30代くらいの、皆さんよりは年上の男性です。 鷲羽:立花くんがいなくなって、代わりにこの人が出てきて、影は消えたってことですね。「あんた何モンだ!? SANチェックするぞ!」と言います。 キーパー:そういうことでSANチェックです(笑)。(全員成功)成功した人は正気度を失わなくて済みます。天草くんは呆然としながらも何かを減らしたようです(※失敗したらしい)。何事もなかったかのように男性は立ち上がると、「クソッ! 何かがいたんだ!!」と言い捨てます。 鷲羽:「いや、クソッじゃないですよ!? クソッじゃないですよ!?」。 一同:(笑)。 織本:「誰?」。 鷲羽:とりあえず、天草くんと「誰?」には椅子に座って説明をしていただきましょうか。「あの影は、天草、お前が連れてきたんだろ?」。 キーパー:(出てきた男)「彼を責めないでやってくれたまえ。彼は私に協力してくれていただけなんだ」。 チェ:<聞き耳>を我々がことごとく失敗していたから彼の存在が今まで分からなかったんだな。 一同:なるほど。 鷲羽:成功していれば「お、お前はあの時の声の……!?」という展開になったわけですね(笑)。 織本:おかげで「え? 誰?」になっちゃったわけね(笑)。 キーパー:(出てきた男)「私の名前は姿直樹(すがた・なおき)」と名乗ります。鷲羽さんは思い出しますが、昨年の大量餓死事件(※シナリオ「影が来る」)の時に教授と一緒にいなくなった数学の講師の名前です。「話すと長いのだが……」と言って、彼は話し始めます。 姿は“純粋二次元平面の侵入角”を求める数式を研究しています。数式を組み立てて二次元平面に入ったは良いものの、“退出角”に関する数式が完成していなかったので出られなくなってしまいました。退出角の算出には紙と鉛筆がなければ不便だと感じた姿は影の中から天草くんに協力を求めて、数式を組み立てている途中でした(※キーパー解説:天草くんは二件目の事件の際に学食前で村瀬と会話した直後、姿と出会いました。村瀬が<目星>ロールに成功していれば、怪しい影(姿)に気付いた筈です。姿は二件の変死事件に関する情報を含めて、天草くんに協力を要請しています。天草くんは8割の好奇心と2割の正義感とで、姿に協力していた模様です)。数式はまだ完成していませんでしたが、今回の事件に関わる何物かの力(?)によって、姿は図らずも元の世界に戻ってくる事が出来ました。 姿によると、退出角の算式は未だ組みあがっておらず、今回のようなアクシデントでもなければ再び入っても出てくることはできないそうです。 村瀬:「で、立花くんはどこに行ったんだ?」。 鷲羽:「そもそも、アンタは今までどこにいたんだ?」。 キーパー:(姿)「二次元空間にいたんだ」と事もなく。 鷲羽:「ふ〜ん」。……じゃなくて。 織本:(笑)。 キーパー:(姿)「天草くんには退出角の計算の協力を仰いでいたのだが、少なくとも私の知る限り2件、何かおかしな変死事件が起こっているようだね。私には、あれを起こしている存在に心当たりがある」。 鷲羽:「ああ、良かったよ。あんたが起こしていると言ったら、チェをけしかける所だった」。 チェ:(笑)。 鷲羽:「二次元空間と変死を起こしている存在とやらには何か関係があるということか?」。 キーパー:(姿)「そう。実際に行ってみて分かったんだが、二次元の世界というものには色々な平面があるようだ。その内のいくつかの平面を見て回っている時に、とある平面で怪しい存在を見たんだ。おそらく、その存在が今回の事件に関係しているのだと思う。そしてようやく今日、消えてしまった彼(※立花くん)に会って探りを入れたら、彼の影の中に何かがいた」。 織本:彼の影にも何かいたのか。 村瀬:やはり彼がもう一人のキーパーソンでしたね。推測は大きく外れてはいなかったか。 キーパー:(姿)「何とか捕まえてみようとしたんだが、逆に叩き出されてしまった」。 織本:「では立花くんは、今、二次元の世界に?」。 キーパー:(姿)「おそらくそうだと思う」。 鷲羽:「立花くんは望んで二次元世界にいるのか、それとも囚われているのか?」。 キーパー:(姿)「それは私にも分からない」。 鷲羽:彼が利用されているだけだったら、助けてあげるべきですよね。 村瀬:そうですね。「ところで、今回こうして出てきてしまったことで、何か退出角についての知見は得られましたか?」。 キーパー:(姿)「そうだね。参考になることはあった」。 鷲羽:「じゃあ、問題は……どうするんだ、と?」。 チェ:「この変死事件は止められるのか? 立花くんは無事なのか?」。 キーパー:(姿)「私が今回の事件に関わっていると考えているのは、意志のある影のような存在なんだ。どういう方法で変死事件を起こしているかは分からないし、これで終わったのかどうか、君たちの言う立花くんがどうなったのかということは分からない」。 チェ:今まで立花くんの影が変死事件を引き起こしていて、それは立花くんごと消えてしまった。立花くんがいなくなってしまったら、もう事件は起きないって事? 織本:別人の影を使ってやるかもしれない。 鷲羽:そこは立花くんに聞いてみない事には分からんでしょ。 織本:それをするには二次元に入らなくてはいけないけど、それができるのは立花くんの影からしかない? キーパー:(姿)「私ならできるだろうが、退出角の計算がまだなので、先ほどのアクシデントのような事でもない限り戻ってはこれない」。 村瀬:「ところで、その意志のある二次元体というのは光るのですか?」。 キーパー:(姿)「いや、その存在自体は光らないと思う」。 織本:「やはりあれは一種の症状なのか。しかし、何をしているんだ? 人間の水分を吸い取っている。咽喉でも渇いているのか?」。 村瀬:「光る現象がなぜ起きているのか、推測は立ちますか?」。 キーパー:(姿)「分からないな」。 村瀬:二次元から三次元へどうにかして干渉する方法に光る現象に付随しているのだとすると、そこで何が行なわれているかが分かるかなーと思ったんですが。 キーパー:(姿)「三次元に直接の干渉はできないはずだ。奴らは影を通してしか影響を及ぼせない」。 村瀬:そうなると、あの怪死事件をどのように起こしているのか、もう一段階謎の部分があるてことですよね。そのもう一段階を立花くんが意図してやっている可能性がある。 織本:それを聞こうにも、彼は“向こう側”へ行ってしまったので。 キーパー:そうしていると鷲羽さんの電話が鳴ります。 鷲羽:「ハイ、もしもし?」。 キーパー:今回は病院からではありません。今回は鴻家からです。“書”の鴻の知り合いからです。「ここ最近、立て続けに起こっている変死事件に君が関わっているって聞いたんだけど?」。 鷲羽:「ああ、大体のことは把握している」。 キーパー:(鴻)「それに関してちょっと気になる本を見つけたんだけど。君なら状況は分かるかもしれないと思って連絡したんだ」。 鷲羽:「了解。すぐ取りに行く」。(ガチャ=電話を切る仕草)「参考になりそうな本を知り合いが見つけたので、取りに行ってくる。以上」。 一同:「は〜い。行ってらっしゃい」。 鷲羽:ブブーン、キッ(※←車のブレーキの音のつもり)。取りに来ました。 キーパー:(鴻)「これなんだけどね」と言って出したのは『イステの歌』という書物の日本語抄訳版です。いわゆる<古い日本語>で書かれています。書物にはしおりが挟んであって、該当箇所が分かるようにしてあります。 鷲羽:目を通してみます。ぺらりら(※←本をめくる効果音)。 キーパー:斜め読みしてみるということですね。<母国語>-20%のロールです。 鷲羽:65%。(コロコロ)95。「なるほど。オレには読めないけれど、オレの仲間になら読める奴がいるかもしれない。ちょっと貸して」と言って借りていきます。 キーパー:(鴻)「了解」。 鷲羽:「一両日中にこの事件は解決してみせる!」と他力本願な事を宣言して立ち去ります(笑)。ブブーン、キュッ! と帰ってきて、BOXの扉をバーンと開けて、バン! と机に書物を置きます。「さあ、誰か読め」。 一同:(笑)。 村瀬:「私が読みましょう」。(コロコロ)<母国語>-20%は成功。読めました。 キーパー:斜め読みは現代語訳しながら読む感じなので、4時間くらいかかります。正気度は1D2喪失します(村瀬は1ポイント失いました)。 鷲羽:その間に飯食いに行って来ます。 チェ:「ちゃんとまとめとけよ」。 村瀬:「はあ」。 キーパー:(笑)。その間、姿さんは数式の続きを一心不乱に書いています。 『イステの歌』には、姿が「ある存在」と呼んでいる、“深淵の邪悪なる影”について書かれていました。 “深淵の邪悪なる影”は人間の生命力を糧としており、それに殺されたものは全身が干からびて、光り輝く斑紋が身体に浮かび上がるのだと言われているそうです。“深淵の邪悪なる影”は獲物を狩るために、人の世に「探求者」と呼ばれるものを放ちます。そして、その「探求者」の姿は人間そのものなのです。 鷲羽:「探求者」っていうのが立花くんか。問題は“深淵の邪悪なる影”の撃退方法だな。 チェ:うん。 鷲羽:立花くんを探さなくてはならないですね。 織本:現状、いなくなってしまった状態なので、どこを探したら良いのか……。 鷲羽:しかし、奴らは二次元からの「出方」を知っているかもしれませんからね。再びこちらへ出てきているかもしれない。 村瀬:その可能性はありますね。 鷲羽:後はどうやって立花くんを探し出せば良いのか? 何か方法はあるのか? 法則性がないから捕らえようがないんだよな〜。次にどこで事件が起こるかが分からない。 織本:行き当たりばったり的に事件を起こしているのなら、待ちようがないよね。 鷲羽:むしろ、こっちに来てくれるようなら話は早いんですけど。 チェ:我々にできることは、次の事件が起こるかどうかを待つ事くらいだよね。 鷲羽:とりあえず、我々が知る「探求者」は立花しかいないので、パトロールをして彼を探す。学外にいたらお手上げですけど、とりあえず学内くらいはパトロールする意義があるでしょう。 チェ:あの“影”も我々の事を知っているはずだから、また狙ってくるかもしれないしね。 村瀬:とりあえず今日はこんな所ですかね。4時間も本を読んでいたらとっぷりと日も暮れているでしょうから。 鷲羽:今日は犠牲者が出たという電話は架かって来なかったね。 キーパー:そうですね。今日は被害者は出なかったようです。 織本:「探求者」がいなくなったせいで狩りができなかったのかな? 鷲羽:あるいは我々の中の誰かを狙っていたかもしれませんね。 キーパー:なお、姿さんはBOXのパソコンを借りて退出角の検算を開始しました。 村瀬:まぁBOXは24時間使えるでしょうから、どうぞご自由にやってください。 「深淵より」トップへ戻る |