今宵、星降らぬ流星の夜に

捌
メタの時間

キーパー:さて、ここで一つ、このシナリオの今後の方針を決めてください。
泰野教授:ん?
キーパー:これまでに得た情報から、何が考えられますか? メタ的に整理してみましょう。
泰野教授:まぁ、素直に受け取れば、何が何だか良く分からないまま、得体のしれないものを召喚しようとしちゃっている感じかな。
新城:それが大祭ですよね。
泰野教授:ただ、護符を持っている女性たちはどうやらだんだん体が弱っていくらしい。
新城:そうですね。
須堂:うん。
キーパー:……黒幕は誰ですか?
泰野教授:黒幕……実はいないんじゃないかとも考えていたんだけど。
新城:まぁ、二択でしょ。井上惺子か妙星尼。
須堂:新・旧妙星尼のどちらか。新・旧が同一人物の可能性もありますが。
新城:一緒って考えるのが妥当だろうね。
須堂:黒幕は旧妙星尼であることはほぼ間違いないですよね。後は新・旧妙星尼が一緒だったら話は早い。
新城:新・旧一緒だと思うんだよね。土中入定して、出てきているってことでしょ。
泰野教授:死者の復活の魔術が使われたっぽいからね。即身仏になった後に復活したのかも。
新城:おそらく妙星尼は復活していますよね。そして妙星尼の導きで闇無天は帰還するわけでしょ。
泰野教授:旧妙星尼の時代には大祭をしたっていう記録はないんだよね? どうして急に思いついたんだろう?
新城:それをやるために即身仏になったんじゃないですか? 祭祀の資格を得るというか。土中入定して復活するというのは儀式の通過儀礼として必要だったと思うんですけども。
泰野教授:なるほど。
新城:復活によって儀式で神を導く資格を得たっていう感じですかね。
泰野教授:SSCっていう生贄の頭数も揃ったしってことか。
新城:惺子が黒幕だった場合どうなのかっていうと、明確な意図を持って重機で石室掘って、復活させてっていう展開なんでしょうけど、それよりはどう考えても妙星尼の方の可能性が高いですよね。
泰野教授:なるほどね。
新城:木棺の内側に復活の魔術が彫られているっていうことは、妙星尼が黒幕であろうことは堅いですな。
泰野教授:惺子はもう妙星尼の力に取り込まれているかもしれないね。
新城:あるいは、本当に何も知らずに、って可能性もありますけどね。
泰野教授:そういえば、赤い香炉を忘れていたけど、あれって儀式に使うんだろうね、きっと。
新城:大祭の時に使うんじゃないですか? 香炉の数って13個でしたよね? もしかすると生贄が13人必要になるんじゃないですかね?
泰野教授:そんな気もするよね、何となく。あるいは人数は関係ないか、だな。
新城:13個あったからには13個全部使うんでしょうね。
泰野教授:そういえば大祭って8月12日って言っていたよね? 今日って何日だっけ?
キーパー:8月9日ですね。
須堂:もうすぐですね。
新城:本当は1862年にやるはずだったんでしょうね。でも蓮惺に邪魔されてできなかった。それを今やろうとしている。
泰野教授:この護符がマジック・ポイントを5ポイント付与するのって、それを使って儀式をするってことなんだよね、きっと。これを皆に持たせて、一斉に消費して大きな儀式をしようとしている。その常時ブーストの反動で着用者の健康は損なわれて行っているのかなー、とか。
新城:そのうちに、ゲーム的に言うとCONが削られていくって感じでしょうか。
泰野教授:護符を着用していた石原さんの病状を見るに、この護符を身に着けていても大丈夫なのかな~と病院の帰り道に思い始めているんだよね。本気でヤバいんじゃね? 亜衣ちゃんも咳をしているし。
一同:う~む。
キーパー:こんな所ですかね。



異変、あるいは発現

8月9日(火)・夜

護符泰野教授:とりあえず気持ち悪いので、今晩から護符を外して寝ます。
キーパー:すると何ということか、素肌に身に着けていた護符が、まるで粘々とした蛭のように素肌に張り付いていることに気づきます!
泰野教授:「えっ! 何コレ!?」 キタ、現実的恐怖! 引っ張って剥がします! 「イタタタタタ!」
キーパー:皮膚ごとベリベリと剥がれます。耐久力を1ポイント失ってください。護符の皮膚に張り付いていた面には繊毛のようなものが蠢いていて、ビクビクッと震えています。
泰野教授:「なんなのよ、コレ!」(※護符を首から外して投げ捨てる)
キーパー:護符を外すと、追加の5ポイントのマジック・ポイントも失われました。
泰野教授:とりあえず絆創膏を貼って手当をします。
新城:翌日起きた時、胸の絆創膏とかすかな痛みが夢ではないことを物語ってくれるわけですな。


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