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![]() 異次元の豚キーパー:洞窟は高さ10メートル、幅5メートルほどの大きさです。壁面が不気味な黄色に光っています。その色は、まさしく風見の黄色です。洞窟の中は複雑に分岐していて、迷宮になっています。照葉:豚の鳴き声のする方向は分かりますか? キーパー:分かります。 照葉:声の聞こえる方へ、聞こえる方へと進みましょう。 キーパー:無数にある分かれ道を豚の咆哮を頼りに奥へと進んでいく、と。途中で、倫子が着ていたナイトドレスの切れ端が見つかります。 一同:おお……。 キーパー:血痕等は付いていませんが、乱暴に引き裂かれた跡が見受けられます。 佐川:「こりゃ、ヌードが拝めそうだぜ」 照葉:パァン!(平手打ち) キーパー:やがて直径30メートルほどの半球形の大広間で洞窟は終わります。鮮やかな風見の黄色が、遠近感を狂わせる空間です。ここがゴールであるのは間違いないでしょう。大広間の中心には、咆哮を上げている張本人と思われるモノがいます。それは……(ごそごそ)……こんな感じの存在です(ミニチュアを置く)。 ![]() そこにいるのは、軽トラックのような大きさを除けば、青白い豚か猪に似ているとも言えなくはない代物だ。しかしながら、それは獣と言うには異形過ぎる。巨大な猪の牙をのぞかせる口が三つもあり、黄色の洞窟の床を踏みしめる木の幹のような脚は、少なくとも1ダースはある。それら嫌悪をかき立ててやまない多すぎるパーツに反して、その顔には目が一つしかない。しかも、この一見すると偶蹄類のカリカチュアにも見える異形に似つかわしくないことに、その目には深い知性が感じられ、その事実こそが君たちを最も心胆寒からしめる。キーパー:正気度ロールをお願いします。田中:(コロコロ)……よし、成功! 佐川:成功。 照葉:成功です! 川上神父:失敗! 間之原:よっしゃ、成功。 キーパー:成功した人はたった1D8ポイントの喪失で良いです。 間之原:(コロコロ)……8! なんでだよ、ここで!? <アイデア>ロール……(コロコロ)……96! 失敗!! 佐川:6! <アイデア>ロール……(コロコロ)……77! 失敗! 照葉:2! 田中:1! キーパー:(おお、スゲーな! とりあえず、シナリオは成立しそうだ)失敗した人は1D20でお願いします。 川上神父:(コロコロ)……20! 一同:(爆笑) キーパー:とりあえず、一時的狂気表を適用します。1D10+4を振ってください。 川上神父:(コロコロ)……12。 キーパー:12戦闘ラウンドの間……、1D10を振ってください。 川上神父:(コロコロ)……3。 キーパー:肉体的なヒステリーあるいは感情の噴出(大笑い、大泣きなど)をしてください。 川上神父:「わはははは、はははははは!」 キーパー:「豚とか! デカイ豚とか!」と、文字通り体をくの字に曲げて、神父様は大笑いを始めました。 川上神父:まぁ、扱い易い方だと思うけど(笑) 間之原:確かに。 川上神父:この場所でどこかへ駆け出すとかやっちゃうと、多分永遠にロストしてしまうので(笑) 照葉:……倫子さんは? キーパー:この豚のような怪物の腹の下に、全裸で組み敷かれています。彼女はどうやら正気を取り戻しているみたいで、あなたたちの姿を見ると一言、「助けて!」と叫んで気を失いました。 大広間の壁際には、ブタ人間が五体います。ただ、彼らはあなたたちが入ってきたことに気づいていないのか、それとも気にしていないのか、ぼーっと親分幽霊である豚の怪物の方を見ています。 さらに、近くの壁際には古ぼけたイーゼルとそれに載ったキャンバス、絵の具等の絵画道具があります。キャンバスには風見の黄色が一面に塗りたくられています。 間之原:ふ~む? 照葉:さて、それではこのディフィカルトなミッションの内容は? キーパー:えー、豚親分を倒せば倫子は救われます。 照葉:そうですよね(笑) 佐川:簡単じゃないか! 1対5だ! 田中:(笑) 照葉:何、頭数に入れちゃってくれてんの?(笑) しかも一人(※川上神父)は自律的な行動できないっつーの。君らは【一撃必殺】カードの使いどころなんじゃないの? 田中:もちろんクライアントを助けるのが仕事ですし、その訓練も受けているでしょうから助けに行きますとも! クソッ!!(笑) キーパー:ブタ人間を攻撃することもできるよ。 照葉:ブタ人間たちはボーっとしているんですよね? 田中:それならクライアントを助けることが最優先ですね。 間之原:……このキャンバスは何か意味があるのか? 田中:とりあえず、我々はクライアントの救出に向かいますので、絵をどうするか等はよろしくお願いします。 照葉:私もクライアントを助けに行きます。 [第1戦闘ラウンド] キーパー:ここからは戦闘ラウンドで行きますよ(※DEXは高い順に川上神父(13)、田中、間之原、豚親分(12)、照葉(10)、佐川(7))。豚親分はサーイティという名の存在です。こいつも12で動きます。 田中:クライアントを助けようとしますけど、当然サーイティは妨害してくるんですよね? キーパー:倫子はサーイティに組み敷かれているから、彼女を助け出すにはサーイティの相手をしないわけにはいかないね。近づく君を、サーイティはジロリと睨むよ。 田中:警棒で殴ります。(コロコロ)……命中。【一撃必殺】(※効果:ダメージを決めるために振るダイスの目を最大にできる)を使います。ダメージは10点。 キーパー:分厚い獣皮に阻まれて、効果的なダメージが与えられた感触はない。 佐川:エエーーーーーッ!? 田中:ですよねー(笑) 照葉:そんなもんだよな(笑) 間之原:イーゼルを蹴倒しに行きます。 キーパー:イーゼルを蹴っても、何故か、それは蹴倒せません。 間之原:えっ!? キーパー:載っていたキャンバスがカタンと揺れました。 間之原:蹴倒せないなら……次はキャンバスを何とかするしかないな……。 キーパー:次のラウンドから、サーイティは能動的な行動を始めます。 照葉:どうやれば倫子さんをサーイティの下から引っ張り出せますか? 接近して手なり足なりを掴んで、引っ張ろうとします。 キーパー:分かりました。では倫子の手を掴んだというところまでにしましょう。 佐川:助け出そう路線に変更します。「ババア、力を貸せ!」 照葉:「その発言はセクハラです! お宅の会社に報告しますからね!!」 間之原:意外と余裕だな(笑) [第2戦闘ラウンド] キーパー:川上神父は大笑い2ラウンド目が終わり。 川上神父:はい。 間之原:では、イーゼルからキャンバスを外そうとします。 キーパー:なぜでしょう、キャンバスは外せません。 間之原:くわー……。 田中:引っ張り出そうとしている二人(※照葉&佐川)をかばおうとするってできますか? キーパー:う~ん、そうだな。ではサーイティがランダムに攻撃目標を決める時、高い確率で君に向かうことにしよう。 田中:それでお願いします。 キーパー:で、サーイティか。サーイティは近づいてきた邪魔者を排除するために牙を振るいます。1D4で1か2:田中、3:照葉、4:佐川を狙います。(コロコロ)……1。狙い通り、田中に行った。 田中:【危機一髪】(※効果:直前に受けたダメージを0ポイントにできる)があるので、少なくとも一撃は耐えられます。 キーパー:サーイティは太い首を振って君を牙にかけようとする。(コロコロ)……00! グキッという筋を違えた鈍い音とともに、今まで豚の咆哮を上げていたサーイティの三つの口から「「「オゥ!」」」という苦痛の声が漏れた。 一同:(爆笑) 照葉:「オーエス!」(※倫子を引っ張る仕草) 力を合わせて引っ張るなら、低いDEXに合わせることになりますか? キーパー:そうですね。佐川のDEXに合わせましょう。 佐川:力を合わせて引っ張ります。 キーパー:(佐川と照葉のSTRの合計が21で、サーイティのSIZが35だから対抗表で……)ではロールで01が出たら教えてください(笑) 照葉:やっぱりそうか! そうだよね。 佐川:(コロコロ)……02! 一同:おおーーーーー! キーパー:失敗ですけどね、惜しいけど(笑) 田中:次からは私も力を合わせましょう。 [第3戦闘ラウンド] 間之原:絵をどうこうすることに意味はなさそうなので……。 キーパー:いえ、ぶっちゃけると意味はあります。 間之原:そうなの? 田中:描き変えるとか? 間之原:そうなんだけど、キャラクター的にそれは躊躇してしまうんだけど(笑) 田中:実際、画家が何かしてくれなければどうにもならないですよ! 佐川:画家にすべてがかかっている! キーパー:では神父様は「引っ張り出せねぇでやんの!」と言って大笑い中。 田中:引っ張り出しに協力します。 間之原:絵の具は全色揃っている? まさか全部黄色じゃないよね? キーパー:絵の具は普通のもので、色も揃っていますよ。 間之原:じゃあ、手当たり次第に絵の具を引っ掴んで、筆も使わずにキャンバスにぶちまけようと―― キーパー:この期に及んで何ですけど、これって風見飄衛の作品です。 間之原:……え? キーパー:言うなれば、発見されていない本当に最後の作品です。 間之原:……(考え込む)。 田中:……じゃあ、覆い隠す? 間之原:じゃあ、シャツを脱いでキャンバスにかけて覆いますけど。 キーパー:覆うわけですね……残念、ハズレ。もう1ラウンド頑張りましょう(笑) 一同:(爆笑) キーパー:サーイティは接近している三人の内……(コロコロ)……照葉に牙を振るいます。もう「グキッ」はないな。 照葉:<回避>にポイントは振っていましぇ~ん。 田中:まぁまぁ、00が出る確率は減っていませんから。 キーパー:(コロコロ)牙は命中しました。<回避>をすると、このラウンドのSTRの合計には加算されなくなります。 照葉:それでも<回避>はしておくべきだよね。<回避>20%……(コロコロ)……失敗、当たりました。 キーパー:ダメージは……(ゴロゴロ)……18ダメージ。 照葉:死にました。即死です。 キーパー:牙に突き刺された挙句、振り回されて大広間の壁際まで吹っ飛んでいったって感じですかね。 田中:警備員二人のSTRの合計は25です。 キーパー:了解です。01が出たら教えてください。 田中:今回は俺が振ってみるよ。(コロコロ)……07! 一同:かーーーーー! 田中:出目が良いっていうのが、また悔しいですね(笑) [第4戦闘ラウンド] 川上神父:カウンセラーの死にざまを見て笑っています。 間之原:今度こそ絵の具をぶちまけます。ブシャーーー! キーパー:では<芸術:絵画>ロールを振ってください。 間之原:(コロコロ)……成功。 キーパー:すると、言葉では言い表しにくいですが、何となくサーイティの存在が寄る辺なくなった感じがします。サーイティの巨体の端々が不安定に揺らぐといった感じでしょうか。さて、自分の研究対象の貴重な作品を破壊してしまった間之原君は、正気度ロールをお願いします。 間之原:なるほど。ロールは成功。 キーパー:では1ポイント減ります。 田中:画家の本懐ですね。 キーパー:サーイティは……(コロコロ)……佐川に攻撃。しかし存在が寄る辺なくなっているので、命中率は下がります。 佐川:頼むーーー! キーパー:(コロコロ)……寄る辺なーーーい! 攻撃は外れた。次は引っ張り出しだよね。存在が寄る辺ないので、成功率は上がっているよ。 田中:(コロコロ)……受動能力値が29まで。 キーパー:(受動能力値は32)失敗。 [第5戦闘ラウンド] 間之原:よし、俺も引っ張り出しに参加しよう。 キーパー:ではサーイティかな。(コロコロ)……寄る辺ない(失敗)。 佐川:引っ張り出します。(コロコロ)……失敗。 [第6戦闘ラウンド] 川上神父:高笑い。 キーパー:サーイティは……(コロコロ)……佐川に対して……(コロコロ)……寄る辺あり(牙が命中)。 佐川:<回避>……(コロコロ)……71(失敗)。 一同:あちゃ~。 キーパー:(ゴロゴロ)……19ダメージ。 佐川:死にました。 キーパー:同じように、牙で突き倒されて壁際まで吹っ飛ばされた。ブタ人間から喰らっていた3ダメージが響いたね。 一同:関係ねーよ(笑) 田中:引っ張り出しロールは……(コロコロ)……46。 キーパー:失敗だね。 [第7戦闘ラウンド] キーパー:ここで神父様はINTの5倍ロールをしてみましょう。 川上神父:(コロコロ)……95、失敗。 キーパー:狂人の洞察力が発動します。神父様はイーゼルに歩み寄って、高笑いをしながら両手に青い絵の具を塗りたくると、キャンバスにそれを擦り付け始めます(※青は神聖な天上の色なのです。W・H・ホジスン「異次元の豚」参照のこと)。 一同:おおお~? キーパー:そこでさらにサーイティの存在が若干寄る辺なくなります。サーイティの攻撃は……(コロコロ)……田中に行って、07で命中。ダメージはたったの14点。 ![]() キーパー:(「画家」が飄衛の絵画を破壊して、絵の具で塗りつぶして、狂人が青で塗りつぶしてだから……)ズルズルっと倫子をサーイティの腹の下から引き出せる。 一同:よし!! 田中:次のラウンドには逃走モードになるのかな? キーパー:いや、ここで戦闘ラウンドは終了としよう。倫子が組み敷きから引き出されると、サーイティは無念そうな咆哮を一つ上げて、スーッとその姿を消してしまう。壁際に並んでいたブタ人間たちは、薄れゆくサーイティに向かって殺到し、一緒にその姿を消す。消失の間際、ブタ人間たちは一際大きくいななく。生き残った三人(※間之原、田中、川上神父)は<アイデア>ロールを(全員失敗)。それでは、そのいななきに含まれた意味は分かりませんでした(※成功すれば、それがブタ人間たちの歓喜の咆哮であることが分かりました)。 田中:なんだか、今回は全員そろって失敗することが多いですね。 間之原:そうだね(笑) キーパー:黄色の光を放っていた洞窟の壁面は、その光をだんだん減じていきます。ブタ人間の咆哮を最後に、響き渡っていた豚の声も遠ざかっていき、やがて聞こえなくなります。残されたのは、梶原さんと佐川君のひしゃげた遺体と、全裸で倒れる倫子です。川上神父はもう少し大笑いを続けた後、自失状態になります(※川上神父はサーイティを見て正気度を20ポイント失ったため、不定の狂気ラインを突破しています)。 田中:とりあえず倫子さんを抱えて、脱出しましょう。 間之原:神父様の手を引いて行きましょう。 キーパー:カウンセラーと佐川の死体はどうしますか? 間之原:倫子さん抱えて、神父様の手を引いて二人を引きずっていくのはさすがに無理でしょう。「二人とも、ごめん!」 照葉:そこは仕方ないですよ。文字通り手が足りない。 キーパー:では大広間から出て、少し進むと、すぐに最初の縦穴の底へ出ました。 間之原:「あれ?」 キーパー:目の前に、神父様が来る時に使ったロープが垂れています。大広間への往路と比較すると、不自然なほどに復路は短い距離で済みました。 間之原:何かあるんだろうけど、気にしている場合じゃないな。このロープを使って脱出しよう。 田中:人を抱えたまま、<登攀>ロールとかですか? キーパー:まぁ、ここまで来て「ロールに失敗して脱出できませんでした」にしても意味はないので、色々苦労はしたものの、四人は館の地下室まで戻ってきたことにします。四人目が縦穴を登りきったところでふと穴を振り返ってみると、そこには深さ50センチほどの、床下収納のような穴があるだけです。その底には石炭の欠片が落ちているだけです。 間之原:閉じたのか、何かが。 田中:穴の形は菱形ですか? キーパー:いや、落とし戸は正方形になっている。館の歪みは消滅したらしいね。 一同:なるほど。 キーパー:倫子を寝かせるために二階の彼女の寝室に行くと、もちろん暗赤色の光輝は消えています。どうやらこれで、今回の超常的な現象はすべて終了したようです。初見で館に違和感を覚えた田中君は、その違和感がなくなっていることに気づきます。 |
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