陽勝香炉


六


キーパー:翌日になります。皆さんが朝のモーニング・ルーティンの中でTVや新聞やネットでニュースをチェックしていると、地方ニュースのトップで白凰市で殺人事件が起きたとのニュースが目に飛び込んできます。場所は万座区にある繁華街の路地裏で、SPHFの事務所から比較的近く、被害者は中年のサラリーマンだそうです。食事をしてからの帰宅中に襲われたらしく、頚部と腹部に損傷があったと報道されています。山田さんは〈幸運〉ロールをしてください。
山田:成功!
武納警視キーパー:では幸運にも携帯に電話がかかってきます。実は連絡先を交換していた、武納警視です。
山田:おお、武納警視!「もしもし?」
キーパー:(武納警視)「よう、探偵? 今回の殺人事件は、お前たち現場に立ち会っていないよね?」(※世間的には“千引町の化け猫”事件は迷宮入りしています)
山田:「いやぁ、立ち会っていませんなぁ」
キーパー:(武納警視)「目撃情報がないんだよねぇ。ここだけの話、今回の被害者って喉笛を噛みちぎられて、腹を食い破られて内臓の一部が抜き取られているんだ。目撃情報はないんだけど、今回も動物の可能性がある。あれから“千引町の化け猫”事件についての新しい情報とか、ないよね?」
山田:「ないない。ありませんよ~」
キーパー:(武納警視)「何か事件の解決につながる情報があったら、教えてくれない?」
山田:「分かりました。何かあったら連絡をするので、そちらも何かあったら情報を共有してください」

ライン

キーパー:そんなことがあった後、皆さんはSPHF事務所に集まります。
山田太一山田:「いやぁ、武納警視から連絡があってさ~」と言って皆さんに白凰市にクマが出たっぽい情報を共有します(笑)
宇乃:内臓が食い破られているっていうのは、ちょっと気にはなるよね。
村雨:では、現場に行ってみますか!
山田:現場の規制線は、解かれているの? 規制線の外から見る限りでは、異常なことは見当たらないよね?
キーパー:まだ立入禁止になっていますが、外からは異常は見られませんね。現場をうかがっていると、宇乃さんの電話に着信があります。同業者(=ネット配信者)“ビビビ”という人物からです。このビビビっていう人は、いわゆる“現場へ行く人”です。事件・事故のあった場所、廃墟、心霊スポット等に、とにかく行く人です。
宇乃:「ど~も~。何か面白いことでもあるの?」
キーパー:(ビビビ)「確か、宇乃さんは白凰市にお住まいでしたよね? 今朝、殺人事件のニュースがあったじゃないですか。今晩にでも、現場に凸してみようと思っていまして。急な話なんですけど、佐山さんとかも一緒にどうかなって思って」
宇乃:「あ、そうなの? 偶々なんだけど、今、現場にいるのよね。規制線が張られているんだけど」
キーパー:(ビビビ)「マジすか!? じゃあ、今晩、コラボってことでどうですか?」
宇乃:「OK、OK」
キーパー:では、宵の口くらいを待ち合わせの時間として、現場の近くで待ち合わせとなります。
山田:では、ボディーガード役で私も行きましょう。
村雨:怪我した場合の〈応急手当〉要員として私も行きましょう。
泰野教授:じゃあ、私も。
キーパー:待ち合わせまでもう少し時間がありますので、皆さん一旦SPHF事務所に戻るということで。

ライン

キーパー:事務所に戻ると電話がかかってきます。北始製薬会長秘書の多賀さんからですね。「先日お話しした、弊社の会長が儀礼をやってみたいという件です。できれば1週間から10日のうちに香炉をお借りできたらと思うのですが」
泰野教授:「可能だとは思いますが、会員の立ち合いの件もありますので、一応確認を取ってからの返事となります」
キーパー:(多賀)「では再度お電話させていただきますので、その時に正式にご返事をいただくということでいかがでしょうか?」
泰野教授:「分かりました」ガチャリ(電話を切る仕草)
宇乃:香炉を貸す際には、使用用途を確認しておいた方が良いですよ。
村雨:確かに。貸してくれっていうんだから、香を焚くってことですよね、きっと。
佐山:でも香炉にはこれまで使用された形跡はないんですよね?
泰野教授:現状で返却してもらえるのかどうか……その辺り、はっきりさせておかなくちゃならないな。