クレズネ計画


6

 夜が明けて、冒険者たちはコッポラの工房へと戻って身体を休めます。事件の後始末はオスカー・キャンベル大尉を筆頭にニューモデル軍が担ってくれるため、冒険者たち(特にエドガー)は安静にして過ごし、体力の回復を図ることができました。


GM:(コッポラ)「なんだか大変だったみたいだな」
エドガー:「死にかけました……」
オリンピアGM:約束通り、オリンピアはケーキと紅茶を用意して、リクエストに応えて歌を歌ってくれます。アルバラのビルとダンはケーキを食べながら「……コレ、すごく甘いな」と顔を見合わせながら小声で話しています。
エドガー:では俺も心臓に痛みを感じながら、オリンピアの歌に合わせてバグパイプを演奏します。
GM:(コッポラ)「静かにしてくれないか!? 騒音はやめてくれたまえ!!」
エドガー:いやいや!(笑)
GM:ケーキを食べ終えると、エドガーのところへダンとビルが来て「では、あっしらはこれで」と暇を告げます。
エドガー:「レディによろしく伝えてくれ。非常に助かった、後日、直接礼を言いに行く、と」
GM:ダンとビルは深々と頭を下げて去っていきます。ケンブリッジのような大都市は、楽園回帰主義者である彼らにとっては居心地の悪い場所だったようです。
エドワード:まあ、そうだろうねぇ。
GM:数日もすると、結局、騒ぎは王党派のせいにされます。王党派のせいにしたほうがニューモデル軍にとっても、議会派にとっても、話が早いし、都合が良いのです。
エドガー:そうだろうね~。

ライン

コッポラGM:数日後、皆さんの傷も完全に癒え、そろそろケンブリッジともオサラバかなぁという時に、コッポラに呼び出されます。(コッポラ)「今回の騒ぎの調査の一環で、自動人形の部品が持ち込まれた。これを組み上げればクロックワーク兵士が1体作れるのだが、どうする?」
エドガー:マジ!?
GM:もちろんオリンピアのようなオーパーツにはなりませんが、単純な行動、例えば戦闘に参加させる程度のものは作れます。
ジョン:「いただけるのでしたら、是非」
エドガー:それって、ジョンでも整備できるようなものなの?
GM:クロックワーク機器は起動や操作に〈工芸(クロックワーク)〉〈機械装置〉が必要なので、ジョンの手が必要になるのは間違いないでしょう。ただし同じものを作り出すためにリバース・エンジニアリングをした場合、再組立てができなくなる可能性はあります。そうなるとお終いです。また、ジョンがロールに失敗したり、不足の事態が発生したりした場合、自動人形は動きませんので、リスク分散のためにほかの人が〈機械装置〉技能を習得しておくのもアリでしょう。
エドガー:経験ポイントを使って?
エドワード〈機械装置〉は上級技能ですな。
GM:ジョンがヒーロー・ポイントを1ポイント使って“起動支援スイッチ”みたいなものを開発すれば、起動時のロールに+20%を与えるクロックワーク装置を取りつけることができます。
エドガー:王党派の俺たちはクロックワークに抵抗があるんだけど……。
GM〈機械装置〉〈工芸(クロックワーク)〉とはまったく別の技能です。錠前とかは機械装置なので、オックスフォードでも使われていますよ。
エドガー:なるほど。機械を扱う汎用的な技能なわけね。それなら覚えるか。
エドワード:俺も覚えておくか。
GM:(コッポラ)「自動人形は女性型と男性型のどちらにもできるが?」
ジョン:「オリンピアもいることですから、こちらは男性型にしておきましょう」

ライン

GM:さらに数日後、自動人形は完成して引き渡されます。基本的にはエドワードの移動式研究所を積んだ馬車に併載して運搬する感じですね。(コッポラ)「王党派、議会派のどちらに見つかってもマズイので、取り扱いは慎重にな」
エドワード:「承知した」
GM:オリンピアは自動人形の完成をとても喜んでいます。皆さんから見ると、新しい自動人形は無機質な鉄の塊ですが、オリンピアはまるで会話をするように、その自動人形に話しかけたり笑ったりしています。どうやら、彼女たちの間では意志疎通ができているみたいです。
ジョン:「……意志?」(笑)