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![]() トンネルを抜けると、「イア! イア! シュブ=ニグラス!」という詠唱が何百人もの声で響いている。出口は険しい斜面に面しており、そこから道が、ごつごつした高い崖に挟まれた小さな楕円形の湖へと続いている。暗闇の中で松明が湖を照らしている。取り替え子の男女が輪を描いて踊り、空には美しき民が飛び回っている。その光景は竜巻のような雲の壁に包まれている。湖の南端では儀式が行なわれ、石の祭壇には裸の女性が横たわり、フードを被った2人の人物に挟まれて、ナイフを持った黒い肌をした裸の男が立っている。しかし、それは本当に“男”なのだろうか……? 見れば見るほど、人間らしく見えない……。![]() GM:〈知覚〉ロールをしてください(全員成功)。では、ナイフを持った人物が人間ではないことに気づきます。ソレには山羊のような角が頭からカールしながら生え、人間を超越した力と存在感を放っています。彼は原始的な存在であり、自然の力であり、強力な性欲を持つクリーチャーなのです! 男性キャラクターは-20%で正気度判定を行なってください。 エドガー:成功! エドワード:成功! GM:それなら正気度ポイントは失いません。女性キャラクター(=ヴァレリィ)はちょっと違うロールをしますが……(コロコロ)……良かった、成功しました(※もしここで〈忍耐力〉ロールに失敗すると、山羊角を持つ男(=森の主)に魅了されてしまうところでした)。 エドガー:良かった? GM:皆さんが立っている場所から生け贄の祭壇のある場所までは、急峻なガレ場が200メートルくらい続いています。銃の射程をはるかに越えています。 エドガー:200メートル!? GM:(ダニエル卿)「シュブ=ニグラス! あれが真の姿を取り戻した場合、この地域が、いや、この星がどうなってしまうか分からないぞ!!」 エドガー:「何か止める方法はおありですか!?」 GM:すると、出がけに袋に入れていた布に包まれた本を取り出します。(ダニエル卿)「私が持ってきたこの『北イングランドの古き風習と習慣』という本には、シュブ=ニグラスを、それが普段棲んでいる忌まわしい地獄へと追い返すための方法が記されている」 一同:おお! ![]() エドガー:カトリックにせよプロテスタントにせよ、この儀式を止めなくてはならないのは確かなので、全員で協力して追い返しましょう。 GM:ゲーム的に言うと、《シュブ=ニグラスを退去させるために》という呪文を唱え始めます。参加者は全員“疲労”を1レベル失います。『クトゥルフ神話TRPG』で言うところのマジック・ポイントを失ったみたいな感じです。 一同:なるほど。 GM:皆さんが呪文を唱えている間も生け贄の儀式は進行します。シュブ=ニグラスの脇に立っているフードをかぶった2人は、ケズィックの宿で会ったド・マンカスターとその従者ラドリーであることが分かります。ド・マンカスターは皆さんに気づいたのか、従者を伴ってガレ場を登ってこちらに近づいてきます。 エドワード:ハイハイ。 エドガー:「あいつら、こんなところに!」 GM:儀式自体は邪魔されていないので、女性が生贄にささげられると、シュブ=ニグラスの姿がスーッと消えて、真の姿が顕現し始めます。ド・マンカスターと従者の後ろから、黒い霧がガレ場をジワジワと上がってきます。ということで正気度判定です。先に言っておきますと、-20%で1D8減るのでお願いします。 ![]() エドガー:頼む~! 成功してくれ~! ……失敗。(コロコロ……)5ポイント喪失。でも、まだ正気度ポイントは0ではありません。 エドワード:失敗。(コロコロ……)6ポイント喪失。正気度ポイント、マイナス5!(※“永久的狂気”の影響を受けているが、“完全な狂気”ではないため、治療によってはある程度回復する可能性がある状態) GM:(笑)。幸いダニエル卿とヴァレリィは成功しています。(ダニエル卿)「逃げるぞ!!」ということで、出てきたばかりの鉱山へと戻ることになります。 エドガー:私がエドワードの手を引いていきましょう。「呪文は成功したのですか!?」 GM:(ダニエル卿)「……やれることはやった。あとは運を天に任せるしかない」 ![]() GM:やがて、ゴーツ・ウォーター湖畔にいた何百人もの取り替え子たちが雄叫びを上げながらガレ場を登ってきます。 エドガー:振り返らずに逃げます! GM:美しき民とクロックワーク鉱夫たちが作業をしていた広間へ引き返すのは危険と判断して、来るときにはたどらなかった抜け道を進みます。やがて外に出るのですが、そこはゴーツ・ウォーターからは離れた場所です。 エドガー:竜巻の外へ出られた? GM:ゴーツ・ウォーターのある方角へ目を向けると、あの障壁の竜巻は消えてしまっています。(ダニエル卿)「どうやら、少なくとも儀式を終わらせることはできたようだ。シュブ=ニグラスの力を削げたかどうかが分かるのは、また後日となるだろう」 エドガー:「……そうですな」 GM:(ダニエル卿)「コニストンへ戻ろう……エドワード卿もこの有様だしな」 エドワード:(苦笑)
冒険者たちはコニストンへの帰路につきます。
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