シュトレゴイカバール



ケナルゴ・マーズ本社 第28会議室

ケナルゴ・コーポレーション

 産業部門:航空宇宙・宇宙船製造、コロニー管理、医療技術
 現在の株価:55E$
 所有権:EF 政府 9%;理事会 51%;個人投資家 40%
 本社:地球(ロンドン)と火星(バイキング市)
 GDP:1064 億E$

解説:
 ケナルゴ・コーポレーションはフォスコロ無反動位相ドライブの開発に出資した二社、ケンタウロス・テクノロジーとアルゴン・エアロスペースが合併して設立された。経済学的に宇宙旅行を実現可能にする技術への早期の投資によって、ケナルゴ社は莫大な利益を得た。ケナルゴ社は宇宙船製造、コロニー管理、医療技術という多くの新しい分野へと経営を多角化していった。
 今日、ケナルゴ社は宇宙探査、貿易、コロニー建設、軍事の部門において政府と密接に連携して動いている。さらに最近、ケナルゴ社はテラフォーミング中のコロニーの輸送船と、そこで働く社の従業員の生命の安全を確保するための新しい兵器技術の開発に携わるようになった。人類は何世紀もの間宇宙を探査し、新しい惑星の発見のたびに新たな脅威に見舞われてきた。これは企業が非常に重く受け止める要素であり、そうした脅威に対する新しい対抗手段を生物兵器部門が常に開発している。
 ケナルゴ社の多くの部門は、すべてのプロジェクトが社内標準を満たすように監視する株主の厳重な検査の下、一致協力して動いている。この宇宙の恐怖、裏切り、陰謀の中で、人が信頼するに足る仲間を知ることは非常に難しい。ケナルゴ社は、最も強力なパートナーとして、ずば抜けた存在である。

キーパーさて、最初の舞台はケナルゴ・マーズ本社です。ケナルゴの火星本社ですね。皆さんは第一研究部のゼネラルマネジャーであるメリッサ・ヤヤ博士から呼び出しを受けます。マークは第一研究部の所属なので、ヤヤ博士は上司に当たります。
マーク:分かりました。
キーパー:時間と場所が指定されたメールが皆さんに届いています。
アンドリュー:我々に面識は?
キーパー:キャラクター同士に面識はほとんどありません。部門が全然違いますからね。
ジョン:粛々と命令には従いましょう。
キーパー:第28会議室で皆さんが落ち着かな気に待っていると、中年の女性、メリッサ・ヤヤ博士が入って来ます。(ヤヤ博士)「結構。お集まりのようね」 ヤヤ博士は3人のタブレットに誓約書を表示させ、それにサインを求めます。内容は、これから与えられえる任務に関しては他言無用との誓約です。
全員:署名します。
キーパー:署名を確認すると、ヤヤ博士は口頭であなたたちに任務の内容を伝えます。「これからあなたたち3人はチームを組んで、ある任務に当たってもらうことになります。内容は、人捜しです」
アンドリュー:「ほう?」
キーパー:アルファ・ケンタウリ星系にあるテラフォーミングされた惑星ケンタウリ・プライムで、異星文明の遺物らしきものが発見されました。
マーク:「ほほう!?」
キーパー:これは大変なことです。まず、政府に届けなければなりません。
アンドリュー:過去、異星文明との接触はあるんでしたっけ?
キーパー:極秘ですが、数例あります。当然、公にはなっていません。人類と同程度の文明を持った異星生物というものは、公式には認められていません。建前は一般市民にショックを与えないために、もし異星文明の痕跡などを見つけた場合、発見者は政府に報告をする義務があります。ただし、企業としては……。
アンドリュー:オイシイ話だよね。
キーパー:オイシイ話です。過去、異星テクノロジーなども発見されていますので。そのため、発見されたものを調べ尽し、オイシイところをさらって、詳細な記録を取り終えてから、政府に届け出るというのが企業としてのやり方です。そして、これは当然ライバル企業にも知られてはならないことです。
マーク:なるほど。
レイチェル・サマセット博士キーパー:さて、皆さんもこの異星文明の遺物発見の報は初めて聞きました。ヤヤ博士によると、見つかったのは文字らしきものが刻まれた黒い石板とのことです。それを調査するために、既にとある専門家が派遣されました。それが、この若きレイチェル・サマセット博士です。コペルニクス大学言語学研究室を首席卒業した才媛で、数年前にケナルゴ社に招聘されて、この第一研究部に所属しました。つまり、マークの同僚です。
マーク:ふむ。
キーパー:サマセット博士は将来を嘱望された言語学の専門家です。なぜ言語学博士がケナルゴのような会社に入ったかというと、今回のような事態を想定してのことです。
アンドリュー:なるほどね。
キーパー:サマセット博士は操縦士のクラタ、護衛官のドーソンと3人のチームを組んでケンタウリ・プライムにある発見場所へと派遣されました。そこはR-38Y研究所という辺境にある研究所です。このR-38Y研究所という施設は、ケナルゴ社がアルファ・ケンタウリでの利権を確保するためだけに設立されたものなので、現在までのところ何も成果を上げていません。「R-38Y研究所へ転属を命ず!」ということは、要するに左遷です。
マーク:(笑)
アンドリュー:あれば良いだけの場所なのか。
キーパー:今のところ、彼らが確認できたのは「ここのエリアには何もない」という事実だけです。実際、その研究所には12人しか人員が配置されていません。ところが、世紀の大発見が今回降って湧いたわけでして、そこへサマセット博士他2人が派遣されました。
アンドリュー:ふむ。
キーパー:ところが、彼女たちは行方不明になっています。研究所に博士一行が到着したのは間違いありません。その連絡は博士本人から通信員が受けました。そして博士一行が石板の発見場所へ行ったというところまでは、研究所の職員たちの証言が取れています。しかし、発見場所へ行ったまま帰ってこなかった、と。これが現状です。
アンドリュー:ふむ。「それで、我々の任務とは?」
キーパー:(ヤヤ博士)「行方不明となった3人を発見して、可能な限り生還させることです。特に、サマセット博士は将来を嘱望された優秀な人材です。必ず生還させてください」
ジョン:「なるほど。了解です」
キーパー:(ヤヤ博士)「もちろん、このことは政府およびライバル企業には内密に進めなくてはなりません。博士および遺物のデータは是が非でも確保すること。良いですね?」
アンドリュー:「分かりました。我々はどのようにしてアルファ・ケンタウリまで行けば?」
キーパー:(ヤヤ博士)「目立たないように、定期便で移動してください。席の手配は済んでいます。アルファ・ケンタウリに着いてからの研究所までの足、つまりシャトル等はこちらで準備しておきます。研究所の職員たちは当然事情を知っていますので、協力してくれるはずです」
アンドリュー:「了解しました」
マーク:「研究員たちはどの程度の知識を持っていますか?」
キーパー:(ヤヤ博士)「石板の発見については当然熟知していますが、R-38Y研究所は異星文明を専門に行う研究所ではなく、あくまでコロニーや惑星の開発のための施設です。職員も当然そういった知識の人員が配されているので、異星文明に詳しい人材がいるとは期待しないでください」
ジョン:「石板発見場所の座標やデータなどは研究所員に聞けば分かりますか?」
キーパー:それは問題ありません。なお、石板自体は研究所に確保されています。
アンドリュー:「まぁ、分かりました。全力を尽くしましょう」 出世のために。
マーク:(笑)
アンドリュー:サマセット博士の情報は頂けますか?
キーパー:写真、経歴などの公的なデータであれば。
アンドリュー:他に火星でやっておくべきことは……R-38Y研究所については、何も実績上げていないのだから、特記事項はないよね?
キーパー:そうですね。配属されている職員のデータは一通り与えられます。所長はパトリック・ポルンガ博士です。研究所では彼の指示に従うように言われます。
アンドリュー:まずはポルンガ博士を訪ねて行けば良いわけですな。「よし。ではケンタウリ・プライムへ出発しよう」



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