3】不和の気配



◆二日目 9:30 加羽津村/郷土資料館
キーパー:
では2日目になりましたよ。
ミッキーまずはディレクターに今日の予定を決めてもらわないと。
高田Dまず資料館を調べて神社に乗り込みたい気もするんだけどな〜。
ミッキー郷土資料館は村営なの?
キーパー:県営です。館長は県から派遣されてきています。
高田Dこんな所に飛ばされてきているならダメな職員だな(笑)。
教授ちゃんと開館しているか見てきた方が良いんじゃないの?
高田D「矢田!」。
矢田ADこれは「1人で見に行って……」フラグですか?(笑)
キーパー:資料館は開くよ、10:00には。では資料館に来ました。中には館長が1人います。「加羽津村の林業」とかの展示があります。古いノコギリとかね。
教授「東京から取材に来た者です」。
キーパー:(館長)「ああ、聞いてるよ。何か、ね、ダーツの旅だっけ?」(笑)。
教授「いやいやいや」(笑)。
ミッキー「カエル降った事件です」。
キーパー:(館長)「ああ〜、そっちね。ビックリした」。
教授「ご覧になったんですか?」。
キーパー:(館長)「うん」(半笑いしながら指でOKサインを作る)。
教授……なんだコイツ。
全員:(笑)。
山さんさすが県の職員。
教授「村の職員の方が撮影した映像を拝見しまして、実際に降ったらしいことは聞いたんですけど。ご覧になった?」。
キーパー:(半笑いしながら指でOKサインを作る)。
教授「……はあ」。ムカツク。
全員:(苦笑)。
教授キレていいですかね?(笑)。俺がキレるのは画的にはマズイですよね〜。どっちなんだ。「結局ご覧になってはいない?」。
キーパー:(館長)「いや、見た見た」(半笑いしながら指でOKサインを作る)。
教授ムカツクから、ほんとにムカツクから(笑)。何者だよ。
キーパー:(気を取り直して)えー、今回の現象には完璧に立ち会っていますので、館長は館長なりにすべての記録をとっているそうです。研究者として。
高田Dちゃんと学芸員なのか。
キーパー:彼は自前の記録をペラペラとめくりながら(パソコンとか無いみたいです)、約半年前に「家庭の生ゴミが少量降った」という報告があったそうです。
全員:? 「家庭の生ゴミが少量降った」?
キーパー:村人が役場にそのような報告をしてきたそうです。館長は実際にはその生ゴミが降った光景を見てはいません。その後しばらくは何もなかったんですが、約3ヶ月前、大量のカエルが降ったそうです。これが皆さんが昨晩見たあの映像ですね。残念ながら標本は採らなかったそうですが、アマガエルやトノサマガエルといったこの村周辺で採取ができるカエルが降ったそうです。中にはアカガエルもいたそうです。落下の衝撃で死んだカエルもいたそうですが、基本的にはみんな生きていて、川に落下した個体は元気に泳いでいたそうです。これが3ヶ月前のカエル事件です。
全員:ふ〜む。
キーパー:で、約2ヶ月前に淡水魚が降ったそうです。ウグイとかカジカとか、これもこの村周辺で取れる魚です。ただ、カエル事件と異なるのは、落下時にはすべて死んでいたそうです。一部には腐敗したものまであったそうです。この小魚事件の際、館長は「前回のカエルも今回の小魚もこの村周辺で採れる生物だから、周辺で起こった竜巻が原因なんじゃねぇの?」と村の住人に指摘したんだそうです。
教授なるほどね。
高田D指摘したのは館長なんだよね? それは誰に話した?
キーパー:村長です。
高田Dああ、なるほどね。
キーパー:その指摘の1ヵ月後、サンマが降ったと。サンマは採れません、この村では。
高田D「凍っていたって話だけど、空に巻き上げられた状態で凍った感じだったんですか? それとも食品用に整えられた感じで?」。
キーパー:まっすぐな状態で凍ったサンマが、約百尾降ってきたそうです。
教授前の、死体交じりの淡水魚の時はもっと多かった?
キーパー:もっと多かったですね。数百匹です。カエルも似たようなものです。どの現象の時も異物だけが降ってきたそうです。一緒に雨は降らなかったということです。昨晩見た映像にも、雨粒は映っていませんでした。なお、ファフロッキーズ現象ではどちらもありえます。雨と一緒に降る事も、そうじゃない場合もあります。
キーパー:(館長)「この村の古老たちがこの現象を酷く恐れていますな。まぁ、迷信から来る根拠のないものでしょうが」。
教授そんな感じだったよね。「ところで、館長は神社についてはどのような事をご存知ですか? 沱降しの絵を描いた屏風があってそれを見せてもらえるという話にはなっているんですが」。
キーパー:(館長)「ほう。まぁ、確かにそのような伝説がこの村にはあるようですな。私は屏風は見たことがありませんが。この村の住民ではないので」。
教授「見せて欲しいと頼んだことは?」。
キーパー:(館長)「あるんだけど、断られた」。
山さんあの宮司さんじゃあねぇ。
キーパー:胸元崩していったんだけどダメだったそうです(笑)。
教授それで反応されたらなおさらイヤだわ(笑)。
山さん「カエルとかが降ったのってどこなんですか? 村全体? それともピンポイントで? 神社だけとか」。
キーパー:(館長)「いや神社ではないね。どちらかというと村だな。でも村全域というわけではなくて、局地的に降ったり、降らなかったり。3件とも別の場所に降ったよ」。
教授そうなんだ。全然重なってないの?
キーパー:重なっている部分もあって、まったくランダムっぽいです。
高田D「館長さんはこの事件をどのようにお考えですか?」。
キーパー:(館長)「まぁ、2回目までのカエルと魚までは、この周辺で採れる生物だから何らかの仮説は立てられるのかな、と思っていたんだけど。……サンマに降られたら、その仮説は全部崩れ去ってしまったね」。
教授確かにサンマはな〜。謎としか言いようがない。
ミッキー暇なんで資料館の中を見回してみますけど、何か目を引くような展示品はないの?
キーパー:実際、特にないですね。農耕具とか、林業の村なのでその関係品とか。観光客も少ない場所なので、「これは他では見れねぇわ」的なものは一切ありません。
教授屏風を写した写真はないの? ないのか。徹底的に見せないな。
キーパー:一番目を引くのは、この館長の人柄かと言われています(笑)。
全員:(爆笑)。
教授「ところで、宮司さんとお話したことってあります?」。
キーパー:(館長)「もちろん、ありますよ」。
高田D「あの神社って、村人からそんなに敬われているんですか?」。
キーパー:いや、あの神社に足繁く通って賽銭とお祈りを捧げるような人はいないそうです。
高田D村の土地神は別にいるの?
キーパー:この村、あまり迷信深くないんだよ、ぶっちゃけた話(笑)。まぁ、鎮守の神社といえば加羽津神社になるんだろうけど。
教授普段足繁く通ってお参りするような感じじゃないのか。
キーパー:基本的に宮司が不真面目なので。
教授「あの宮司さんは昔からあの神社にいらっしゃるんですよね?」。
キーパー:(館長)「代々の宮司の家系です。でも、どうなんですかね。あまり“村の風習を残していこう!”という使命感に燃えている方とはお見受けできませんな。社も荒れ放題だからね」。
高田Dその割りには村長と仲がよさそうだったよね?
教授有力者を押さえているんでしょ。
キーパー:(館長)「あなたたちが来た事によって村にお金が落ちれば、建て直しとか、綺麗にしたりとかを目論んでおられるのではないでしょうかねぇ」。
ミッキー自ら率先して村民から寄付を募って建て直そうという人じゃないわけね。
高田D「村長ってどんな方ですか?」。
キーパー:(館長)「非常に立派な方ですよ。村の事を非常に深く考えておられるご様子。村の発展に関しては、かなり力を入れていらっしゃるようですな。どちらかというと開発派ですな」。
全員:なるほど。
キーパー:村長と宮司が開発派という、一般的に対立しそうな2人の足並みは揃っているようですね。開発によって宮司にも……というのがあるんでしょうね。
教授ふ〜む。
キーパー:(館長)「もしよろしければ、反対派の老人をご紹介しますが?」。
高田D「いいんですか?」。
キーパー:(館長)「私はゲーム的に言うと“中立的な立場”なので。何ら問題ないです」(笑)。
高田Dせっかく紹介してくれたんだから、反対派の方も取材してみましょう。
キーパー:では田端洋蔵という老人を紹介してくれます。
ミッキーでは最後に資料館をざっと撮影するだろうから、館長にも簡単なメイクをしますよ。
キーパー:(半笑いしながら指でOKサインを作る)。
教授……なんなんだよ(笑)。


◆二日目 11:27 加羽津村/田端洋蔵宅
高田D時間があるようなら反対派の、その老人に話を聞きに行きましょうか。
教授田端さんね。
ミッキーま、ディレクター次第じゃないの?
キーパー:時間は、そうですね、まだ昼くらいです。では田端氏の家は川沿いにあります。林業を営んでいます。洋蔵さんは……84歳ですね。
高田D「すいませ〜ん」。
キーパー:(田端老人)「ん? ああ、TV局とやらから来た人かい」。
高田D「村に古くからいらっしゃる方にも話を聞けたらと思いまして」。
キーパー:(田端老人)「沱降し(だおろしで村興しなんて、とんでもない!」。
教授いきなり核心だな。
キーパー:ただ、宮司は“だふらし”って呼んでいましたよね? でも田端老人は“だおろし”と呼びます。きっと字(沱降し)は同じなんでしょう。
高田D「? “だふらし”じゃないんですか?」。
キーパー:(田端老人)「沱降しは“だおろし”だ」。
山さん“神を降ろす”のおろし? 降霊術とかの?
キーパー:(田端老人)「“だおろし”で村興しなんて、とんでもない事だ。バカ村長とバカ宮司は即刻こんな罰当たりな事はやめるべきだ。あんたらも変に煽らずに、そっとしておいてくれ。何かが起こってからでは遅いぞ!」。
高田D「? “だおろし”って言うのは、雨乞いの儀式の事ですよね?」。
キーパー:(田端老人)「そう、雨乞いの儀式といわれておる。だが、あの儀式は恐ろしい事に違いない」。
教授「昔、それで村が助かったと聞きましたが?」。
キーパー:(田端老人)「ハァ……考えてもみろ。日照りの時に穴に水なんか注ぎ込めるものか! 水不足を解消するために、昔の人は“別のもの”を降らせたんだ……加羽津川も千夜来川(※“ちあらいがわ”と発音!)の支流。そういう事だ」。
全員:……!
高田Dなるほど。何リットルもありますな、1人につき。
教授……水分は確かに出るよね。
山さん70%でしたっけ、確か(※60〜70%と言われています)
教授血液だけでも13リットルあるからね。そうか、確かに日照りの時に水を集めるなんてできないよね、よくよく考えると。
ミッキー神社としても、あまり人身御供をしたとは大きな声では言わんでしょうからな。
高田Dだとしても、穴に入れたものが上から降ってくるだけなら、何も恐ろしい事はないじゃないですか。
教授まあね。……まずは屏風を見てみるしかないな。
キーパー:(田端老人)「もういたずらに村を騒がすのはやめてくれ」。老人はそう言って立ち去ります。
ミッキー「次の映像素材を求めて神社に行きましょう。別に我らは謎を解き明かすためにここに派遣されたわけではないのだから。番組を作るためにいるわけですからね」。
高田D「何でもいいわ。超常現象が撮れるなら」。


◆二日目 13:20 加羽津村/加羽津神社
キーパー:では神社です。あなたたちを見つけると、向井宮司は近寄ってきて「おお、悠里ちゃん、悠里ちゃん!」。
教授隣に座らせてウハウハ状態にさせておきます。
キーパー:(悠里に向かって)「……やっぱり、屏風は見せられん」。
全員:!?
キーパー:(宮司)「でも! 写真撮っておいたから!」。
教授……一応、見ます。
キーパー:屏風の全貌を撮影したものじゃなくて、一部を写したものです。どうやら雨が降っている情景を描いた、昔の水墨画っていうんですかね? そんな感じです。ただ、雨は赤い絵の具で描かれていますね。
全員:あああああ。
キーパー:白赤黒で表現されていますね。雨は赤く描写されています。
ミッキー屏風の額縁とかは写っていない? じゃあ、四隅を写したというより、本当に屏風の“どこか”を写したんだな。
キーパー:そうです。屏風のごく一部を切り取って写した感じですな。写っているのは雨を避ける人と赤い雨、あとは山とか家とかですね。地面は赤く染まっています。ではここで<芸術(絵画)>ロールを。
高田Dミッキー成功。
キーパー:では写真の中の屏風では雨が降っているんだけど、ポツポツと黒い点が雨と一緒に描かれています。
ミッキー「なんじゃこりゃ?」。
キーパー:まるで「固形物が降っている」みたいな描写です。それは汚れとしてついた黒い点ではありません。故意に“描かれた”ものである事が今のロールで分かりました。
高田D描かれている人は喜んでいる感じ?
キーパー:いや、雨を避けようとして、どこか屋根のある場所へ向かっている感じです。
高田D雨乞いの絵なら村人は喜んで然るべきだよなぁ。「これ以上は見せてもらえませんか?」。
キーパー:(宮司)「これ以上はちょっと……」。取り付く島もない。まぁ、お金もらっちゃったので、写真くらいは……という彼の最大の譲歩なんだろうね。
教授見なきゃならんだろう、どうしても。
高田Dそうですねぇ。
山さんでも、これ見に行ったら死にそうですよね。
キーパー:その後ものらりくらりと質問をかわしつつ、「じゃ、ちょっと具合が悪くなったから。じゃあね、悠里ちゃん」と言って宮司は社務所に去っていきます。ただ、あなたたちが屏風のある祭殿に行かないように屋内から見張っているのが、明らかに分かります(笑)。


◆二日目 15:08 加羽津村/村役場の応接室
教授「とりあえず、一度屏風を見ないことには話は進みませんな」。
高田D村長からの口添えが得られないかな? 村長を当たってみましょう。
キーパー:役場にいくと応接に通してくれます。
高田D「宮司からはこう言われたんですが、何とかなりませんか?」と相談してみます。
キーパー:(村長)「ああ、なるほど。確かに全面的に協力していただきたいと村人には頼んであるのですが、だからと言って家の中に入って冷蔵庫の中身を撮っても良い訳ではないということです。その場所の管理者の判断が優先されるわけです。あくまで“協力”ということで、ひとつよろしくお願いします」。
高田D「村長さんの口添えをいただくというのは難しいですか?」。
キーパー:(村長)「そうですね、村内のことであれば我々も協力しようがあるのですが、そこはあくまで宮司さんの判断が常に優先されるということですね」。
教授「神社にあるものは宮司家の私有財産なんですかね?」。
キーパー:(村長)「もちろん村の財産でもあるのですが、神社に関して言うと、私の権限よりは宮司さんの権限の方が強いのです」。
教授村長命令というわけにはいかない、という事か。
高田D「宮司さんは何で急に頑なになったんでしょうか?」。
キーパー:(村長)「いやいや、宮司さんは屏風を見せられないと言ったのでしょうが、どうでしょう、どうやら写真を受け取られたようですが、だいぶ譲歩してもらったとは考えられないでしょうかねぇ?」。
教授「まぁ、確かにねぇ。でも、これ(写真)では画にならないんですよね」。
高田D「もうちょっと、こう、この村を打ち出すインパクトが我々としても欲しいところなんですけどねぇ」。
キーパー:そう言うと、村長はしばらく口を噤んだあとにこう言います。「……でも、カエルが降っている所を撮れれば良いわけでしょ?」。
高田D「まぁ、それが一番……」。
教授「インパクトがありますよね……」。
キーパー:(村長)「そうですよね! じゃあ、大丈夫ですよ」。
全員:……(苦笑)。
キーパー:(村長)「カエルが降ってきたら、それを撮ってください」。
高田D「……そうですねぇ。そういう現象がまた起こってくれたら、私たちとしては非常にありがたいんですけども……」。
教授「次にいつ起こるか分かるわけでもないですしなぁ」。
キーパー:(村長)「そうですな。皆さんがいる間に降ってくれるといいですね」。
教授ロケの日程ってどれくらい? 「そう長い間、東京を空けるわけにはいきませんので、我々も」。
キーパー:(村長)「プロデューサーさんからは4、5日滞在されると聞いております」。
教授「そういえば、宮司さんが昨晩2、3日中に何かが降ると言っていましたが、何か根拠でも?」。
キーパー:(村長)「いやいや、酒の席での冗談だと思いますよ。はっはっはっ。いや、予言なんてねぇ。予言とかwww」。
全員:(爆笑)。
教授「ですよねーwww」。

 ここで都合により遅れていた編集長氏が登場。空き枠の「ロケバス運転手」としてプレイ参加となります。
キーパー:では旅館に戻るとロケバスの前に今までモヤモヤしていたロケバスの運転手が実体を持って現れています(笑)。

林田 元 (ロケバス運転手、林田
 株式会社ナイス・ロケバス社員。福島県出身、44歳、男性。
 気が弱く(POW 8、矢田ADお友だちになれそう(笑))、存在感のない男。いつもオドオドして汗をぬぐっている。
 レフ板持ちやコード巻取り等、今のロケバス運転手に必要とされる雑用能力に優れている。APP 13。
 プレイヤー:編集長 (常連)
 kitakataラーメン 
福島県名産品
「kitakataラーメン」

全員:イケメン キタ━━━(゚∀゚)━━━!!。


◆二日目 19:51 加羽津村/古池旅館
キーパー:今夜は宴会は開かれないようですが、食事の用意がされています。そこへ八木村長が来て「これから沱降し(だふらし)の儀式をします」。
全員:え!? 急展開!
キーパー:(村長)「深夜2時から開始します」。
高田D「その様子は取らせていただけるんですか?」。
キーパー:(村長)「残念ながら。宮司さんから聞いたかとは思いますが、沱降しの儀式というのは村人しか参加できないこととなっております」。
全員:う〜ん、そうか。
キーパー:(村長)「ただ、儀式によって何かが空から降ってくるかもしれませんので、撮影の用意だけは早朝からお願いします」。
高田D「分かりました」。
キーパー:(村長)「せっかくいらっしゃったのですから、そのナントカ現象っていうんですか? それが撮影できた方が良いわけですよね?」。
高田D「そうですね。それさえあれば世界的に有名になりますよ」。
キーパー:(村長)「そうですよね! それが実現すればこの村のためにもなる。うん。ではよろしくお願いします」。村長は旅館を後にしました。
高田D「みんな、夜の散歩とか、したくない?」。
矢田AD「来た!」(笑)。
教授「ここは、行かんといかんだろう」。
キーパー:そこへ三波Pが来て「くれぐれも問題は起こさないように」。
教授「……トラブルを起こさなきゃ良いんですよね?」。
キーパー:(三波P)「頼むよ、ひとつ」。
山さん<隠れる>が50%あるので、ハンディカメラで。
ミッキー隠密技能で、ここは。
キーパー:そんなわけで村長は出て行ったんですが、外から「村長はどこだ!?」みたいな声が聞こえてきます。旅館の2階から見下ろすと、どうやら反対派が村長に詰め寄っているようです。(反対派)「沱降し(だおろし)は遊び半分で手をつけてはいけない儀式だ! 今に取り返しがつかない事になる!」。なお、反対派の中には駐在さんもいます。
全員:ほほう。
キーパー:「まあまあまあ」という感じで間に割って入るわけではなくて、駐在さんは反対派のようです。
高田D「山さん、撮って撮って!」。
教授確かに面白い画かもしれないな。
キーパー:(村長)「こんな田舎で細々と暮らすのは、あんたも嫌だろう!? チャンスなんだよ、沱降し(だふらし)は!!」。言い合いの声は神社の方へ遠ざかっていきます。
高田D「我々はその模様を追いたいと思います!」(なぜか実況口調)。
山さん「追いたいと思います!」(なぜか実況口調)。
キーパー:実際問題として、悠里は「追うべきでしょ!? そのために来たわけですし! 絶対行くべきですよ!」。
教授「確かに、ここを追わないと……」。
キーパー:(悠里)「昨日見たビデオが本物だとしたら、それってスゴイ事なんでしょ? あのスケベ宮司も絶対何か隠しているし、この取材で1本番組が作れるくらい、取材は徹底的にやるべきですよ!」。
林田「でも村人以外は行ってはいけないと言われているんじゃあ……」。
ミッキー「俺も風呂に入りたいし……」。
全員:(笑)。
林田クライマックスの場面にいないという愚行を(笑)。
キーパー:ADの佐智は「あのぅ、揉め事は起こさない方が良いと、俺は思います。正直言って、この村って何でもアリじゃないですか、金次第で。それなのにこの儀式だけをNGにするのは、何か理由って言うか、考えがあると思うんスよ。この村の財政とか、今後の計画とかは分からんですけど、ここで全てのソフトを放出したら、何も残らなくなっちゃうと思うんスよね。だから今後のためにもソフトを小出しにするために、神社とか、儀式とかは秘密にしておきたいんじゃないですかね?」。
高田D「アンタね、ソースを小出しにするかどうかは、こっち(TV)が決める事でしょ!?」。
山さん「そうだよ! 撮っても使わなきゃ良いんだよ!」。
高田D儀式を撮るかはともかくとして、村が騒動になっているということは把握しておいた方が良いと思うんですよね。
キーパー:(三波P)「おいおい、頼むよ、高田君」。
教授……黙ってりゃ、確かに何か降りそうだもんなぁ。
高田D逆に言うと、儀式をちゃんとやってもらわなきゃ困るんですよね。
教授儀式をやって、方法は分からないけど、明日あたり、空から何かが降ってきそうな気がするよね、凄く。
キーパー:(佐智)「今このまま俺たち帰ったら……たぶん番組になりませんよね?」。
教授「まぁね」。
キーパー:(佐智)「だから、何か“切り札”がこの村にはあるんじゃないかと、俺はそう踏んでるんですよ。じゃあ、その“切り札”って何ですかね?」。
高田D「そりゃ……空からカエルが降ってくる事でしょうね」。
キーパー:(佐智)「っていう事ですよね?」。
高田D「でも、カラクリも知っておきたいっていうのはあるわよね」。
林田儀式の現場を撮らずに、結果として何か起こったって事を撮っても、説得力ないよね。
キーパー:(佐智)「でも、“この村で何か邪悪な儀式が行われている”って番組じゃないわけですよ」。
高田D“空からカエルが降ってきた”って言う番組ってことか。
林田だから、それが何でかっていう事を……。
キーパー:村とのトラブルになると、放映自体どうなの? ってのもありますね。三波Pも言っていますしね。
ミッキーまぁ、撮る撮らないは別として、まず神社の麓まで行ってみて様子をうかがうくらいはしてみたらどうですか?
高田D成り行きは確かめたいよね。本当にその儀式が中断させられるかどうか。
教授「撮影するのは止めてくれ!」と言われるまでは撮るというのもありだよね。


◆二日目 20:44 加羽津村/加羽津神社への石段下
キーパー:
神社へ行ってみると、実際騒動になってますよ。石段の下あたりで。
高田D反対派は神社へ入れていない感じ?
キーパー:そうだね。石段の所に村役場の役員がいて、人が来ると「アンタはOK、アンタはダメ」とやっています。川でカエルを取っていた子供とその両親が来ると、その人たちはみんなOKという形で石段を登らされます。君島少年とその両親は石段を上がって神社へと向かいます。
ミッキー反対を声高に叫んでいる人たちはダメなわけですな。
キーパー:そうですね。
高田D反対派の人たちは石段を上がる人たちを止めようとしないの?
キーパー:やめるように言っています。「行くのはよせ!」と言っているんですけど、実力行使に出るほど手荒ではありません。
教授必死に説得しようとしている感じですか。
林田神社に入って行くのは何人くらいで、反対派は何人くらいですか?
キーパー:入っていくのは2、30名ですね。反対派も同じくらいです。実際、興味ない人の方が大半です。あるいは黙認しているんでしょうな、双方を。何しろ村長が関わっているので、逆らうと居心地悪くなるよなぁという考えもあるのかもしれません。
林田200人の村でそういう目で見られるのは……アウトですよ。

キーパー:今は22:00くらいです。つまりあと4時間後くらいに儀式を始めるということになりますね。まぁ、どうなんですかね? 子供づれの一家が参加する儀式とやらで、深夜2時から開始するっていうのも、何か変な話ではありますな。
高田Dなんで子供までいるんだろう?
林田我々はその「入っていい、入っちゃダメ」みたいなことをしている近くまで行っているって事?
キーパー:そうですね。ここまでだったらOKですよってことですね。ただ、「この押し問答している場面の放送はやめてください」と言われます。撮らないでくれ、と言われますね。
林田当然カメラはメインのカメラと、カバンに忍ばせたものと……。
山さん靴とかにも(笑)。
高田Dタイピンとかね。
キーパー:じゃあ、(役員)「そのカバンやめてください。そのピンやめてください。その靴やめてください。靴脱いでいってください」。
全員:(笑)。
林田鋭すぎだろ(笑)。



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