海神の神殿



4:粒粒辛苦1


訓練:第1週
蔦橋海霞
キーパー:特訓開始です。「(スンッ)イラッシャーイ」とだけ言って蔦橋迸は店の奥へ引っ込んでいきます。インストラクターは海霞が担当します。特訓ですが、座学の〈ダイビング〉か、実践のシュノーケリング(=〈水泳〉)になります。CBも人手がないので、全員で同じ教科に一日を費やすことにしましょう。なお、特訓を受けないということもアリです。
泰野教授:ん? どゆこと?
キーパー:つまり、練習せずに文献その他を解読するとか、別の調査をするっていうことです。最終的に全員が〈ダイビング〉20%、〈水泳〉40%に達すれば良いので、一週間単位で誰が何をするのかをマネージメントする必要があるでしょう。何やら追われている人(=悪夢を見続けている須堂と磯浦美和子)もいますしね(笑)
安坂:確かに、彼らを救う方法も考えなくちゃいけないんですよね。
キーパー:今、皆さんが抱えている課題は「①竜宮への訪問」と、「②杯の発見」です。CBでの特訓で解決するのが課題①で、あとは課題②をどうするかです。課題②をクリアするには『鵷鶵文書』の解読が必須でしょう。
泰野教授:「私はまず杯を何とか見つけたいと思っているので、『鵷鶵文書』の方を先に読むわ」
須堂:「では、そちらは教授にお任せします」
キーパー:了解です。第1週は先生が『鵷鶵文書』の解読、磯浦美和子を含めた残りが〈ダイビング〉の特訓ですね。では座学に一日を費やしたということで、〈ダイビング〉01%に対して成長チェックを行なってください(全員成長チェックに成功)。安坂と新城は〈ダイビング〉が1D6%上昇します。磯浦美和子と須堂はなぜか「なじむ! 実に! なじむぞ!」ということで1D8%上昇します。何か、感覚的にスッと入ってくる感じです。
新城:「須堂さん! 成長してますね!!」(笑)
キーパー:(海霞)「お二人とも、素質ありますよ!」
須堂:……嬉しくない(苦笑)
キーパー:初日の特訓が終わって帰宅した須堂は、いつもの悪夢を見ます。内容はあまり変わりませんが、小エビだったり、海草の切れ端だったり、不吉なものが見つかる頻度が上がります。ということで、これから毎晩正気度ロールです。

 以降、磯浦美和子を含めた4人は月曜日~金曜日を特訓に費やし、その日の終わりに〈ダイビング〉〈水泳〉の成長チェックをし、夜に須堂(&磯浦美和子)が正気度ロール(通称「夜のお楽しみ」)をするというルーチンが始まります。
 新城と安坂が1D6%ずつをコツコツ積み上げていく中、海の悪夢の影響なのか、須堂(&磯浦)は多少効率よく1D8%ずつ成長していきます。


キーパー:そんな特訓が行なわれている中、先生は古文書解読です。でもじっくり腰を落ち着けて読書するために、まず環境整備ということで、散らかっている部屋を片付け始めてしまいます(笑)
新城:コストコ行って、徳用洗剤買ってきて、洗濯とか始めたりして。テスト勉強しなきゃならない時ほど捗るみたいな(笑)
泰野教授:……部屋の模様替えを始めます(笑)
一同:(爆笑)
キーパー:先生は『鵷鶵文書』を読み進めるために〈母国語〉ロールをどうぞ。
泰野教授:(コロコロ)……41。レギュラー成功。
キーパー:解読を進めるにはハード成功以上が必要なのですが……。
泰野教授:くっ! ここは幸運ポイントを1ポイント消費してハード成功にします。
キーパー:なるほど! では読み進めて「本文から有益な個所を見つける」の段階をクリアしたぞ!
泰野教授:うん、うん。
キーパー:さーて、あと1週間くらい頑張れば内容を理解できるかもしれないぞ! というところで今週は終わりです。
須堂:第2段階があるの!?(笑)
安坂:(笑)


ライン


訓練:第2週

キーパー:今週は何をしますか?
泰野教授:『鵷鶵文書』を読み進めます。
キーパー:了解です。では他の人たちは特訓ですね。

 探索者たちはそれぞれにタスクをこなします。


三谷努キーパー:木曜日に三谷努がCBに現れます。「お疲れ様です」
新城:「あ、どうも」
キーパー:(迸)「(スンッ)ああ、待っていたよ、三谷さん」ということで、今日は三谷が開発した最新の水中ドローンで底州湾の海底の調査を行なうそうです。
一同:おお!
キーパー:(三谷)「もし興味があるなら、一緒にどうですか?」
新城:「本当ですか!?」
安坂:「ぜひぜひ!」
キーパー:そういうわけで、CB所有のダイビング・ボート「セカエリア号」で調査に向かいます。なお、本日は蔦橋海霞が他の用事で外出していて訓練もできないので、ちょうど良いタイミングかもしれません。
新城:「水中ドローンを使って、どのあたりの調査を?」
キーパー:(三谷)「“海神の迎え火”が見えるというあたりを、事前調査的に探ろうかと思います」
新城:「おお! では沖まで出るんですね」
キーパー:古文書解読で泰野先生はこの場にいないので、三谷努、磯浦美和子、船長の蔦橋迸を加えた計6人で調査ポイントへ向かいます。セカエリア号で30分ほど沖へ出て、該当ポイントに到着すると、三谷は最新式の水中ドローン「かぶとがにくん」を進水させます。
安坂:ドブーン、と。
キーパー:かぶとがにくんから送られてくる映像がタブレットに映し出されます。海底までは20メートルくらいですね。「“迎え火”はこの辺りで見えるといわれているんですけどね~」などと言いながら、三谷は何時間かドローンを操って海底を探査しています。そして皆さんが飽きてきた頃に「あ! 何か洞窟のようなものがありますよ!」と三谷が声を上げます。
一同:おおっ!
キーパー:(三谷)「う~ん。ケーブルがギリギリですけど、行ける所まで洞窟の奥へ行ってみますか」
須堂:夢の中で見覚えがある感じがしますか?
キーパー:まあ、そう言われれば、そうかな? っていう程度だね。美和子も「あ! ここ!」みたいな激烈な反応はしていませんね。ただ、ぐぐっと身を乗り出してタブレットを見つめています。かぶとがにくんは弱いライトで先を照らしながら洞窟の中へと入っていきます。
一同:ゴクリ。
キーパー:しかし、突然、魚か何かがキラッと閃いたかと思うと、ザーッと映像は途切れてしまいました。
一同:おおぅ?
キーパー:三谷も「は?」みたいな感じでレバーをガチャガチャやっていましたが、どうやら動かないようです。有線なので、ケーブルを引いて上げてみましょうということになります。
安坂:えっちらおっちら。
蔦橋迸キーパー:蔦橋迸はその様子を後ろから窺っていますが、特に興味はないようです。彼は操船に集中して、ポイントから外れないように微調整などをしています。
新城:で、引き上げてみると?
キーパー:ケーブルの先の本体はグシャグシャに壊されてしまっています。配線がプチッと切れちゃったという感じではなく、破壊されています。「このあたりってサメはいないっていう話ですよね?」と三谷は迸に確認しています。
新城:傷ってどんな具合ですか? 噛みつかれたとか、そんな感じですか?
キーパー:かぶとがにくんの本体は強化プラスチック製なのですが、それが引き裂かれてしまっています。明らかに外圧による破壊ですね。三谷は「とりあえず、映像を確認してみましょう」とタブレットを操作します。
新城:「最後、何かがキラッと光ったように見えた気が……」
キーパー:新城の言うとおり、何かがキラッと光った後に映像はザーッと途切れます。次にコマ送りにして映像を確認してみると――
新城:「はいはいはい……」
キーパー:かぶとがにくんの弱々しいライトの中に一瞬、人間の顔に似た造作をしたものが映ったと思ったら、ザーッと映像が途切れます。
一同:おお……。
キーパー:「……人間? え?」ということで、皆さん、正気度ロールです(安坂が失敗して1ポイントを喪失。後日、泰野教授も映像を見て正気度ロールをしましたが、正気度喪失はなし)。
新城:「三谷さん、今のは何ですかね?」
キーパー:(三谷)「な、何でしょう、光の加減で何かが顔のようなものに見えたのでしょうか?」
新城:「当たり前ですけど、あんな場所まで素潜りできるような人はいませんよね?」
キーパー:(三谷)「もちろんです。それに水中であれほど俊敏な動きをできる人なんて、この世に存在しませんよ」これ以上の調査ができなくなったので、帰港することになります。


ライン


泰野加代子泰野教授:今週の成果は……(〈母国語〉ロール)……47。幸運ポイントを7使ってハード成功にします。
一同:着々と(笑)
キーパー:解読は進んで、杯について記されている個所を見つけて理解することができました。その内容は“饗酔の杯”と呼ばれる品の入手方法です。
泰野教授:「“饗酔の杯”……?」
キーパー:“饗酔”はローマ神話のバッカスとかに冠される称号っぽい印象がありますね。で、その入手方法ですが、「イルカに命令して、海底から持ってこさせる」のだそうです。
一同:ほぉ~~~。
キーパー:ちなみに、ギリシャ神話でバッカスに当たるディオニュソスの聖獣はイルカです。
泰野教授:なるほど。イルカに命令して取って来させる、と。ギリシャ神話だな……完全に場違いだけど、なんで? とりあえずそんなところですか?
キーパー:ゲーム的に言うと、《入鹿魚(イルカ)に命令する》という呪文を習得することで、それが可能となります。今週の勉強で判明したのはここまでなので、あとは次の一週間をかけて誰が呪文を習得するかですね。