【リアルにヤバイ! 邸の中】



キーパー:じゃあ、どなたが先頭で?
木原:照明が先頭でしょう。
宜保夫:では一緒に行きましょう。ガラッ(※戸を開ける音)
キーパー:映像で見たとおり、引き戸は「カラカラッ」と軽く開きます。
カフカ:「ガタガタッ、ガタガタガタ!」というような渋い様子はないわけですな?
百蔵庵 見取り図 キーパー:照明を照らして入ってからの流れも、投稿された映像のとおりですね。土間があって、すぐに上がり口があってという感じです。やはり畳が敷き詰めてあって、ずーっと奥にポツンと仏壇らしきものがあるのが見えます。
カフカ:「足袋が映っていた場所、映して!」
宜保夫:足袋が映っていた場所に何かありますか?
古藤:足跡は?
キーパー:何もありませんね。
カフカ:つーか、足跡がつくようなホコリが積もっているんでしょうか?
キーパー:積もっていないです。
宜保夫:少女の顔が見えた方向はどうですか?
キーパー:やはり茶の間があって、四角いちゃぶ台があります。今回はちゃんとした照明機具を持ち込んでいるので分かりますが、その奥に、どうやら上に向かう階段があるようです。さらに階段の脇にはどうやら襖らしきものがあります。
カフカ:懸案事項は三つありましたよね(※少女の顔、目、足袋)。とりあえず順番に検証してしまいましょう。目玉が見えたのは土間のほうでしたよね? まずはそちらでしょう。
木原:そうですね。目が見えた辺りへ照明機材を持って進みます。
キーパー:目が映ったと思しき場所を照明で照らしてみても、何もありません。染みもありません。
宜保夫:染みも? 場所はここで間違いないんだよね?
キーパー:そうですね。
カフカ:「染みがあるのは間違いないと思っていたんだが……」
宜保夫:「コレじゃ商品にならないぜ……。染み、描きますか?」
一同:ヤラセ(笑)
木原:「でも、このまま帰るわけにはいかないな」
カフカ:台所に生活臭はないですよね? 蛇口があるならひねってみますが。
キーパー:蛇口をひねっても水は出ないですね。
宜保夫:電気は?
キーパー:あります。座敷や茶の間の天井には古いタイプのシェードが下がっていて、台所は裸電球です。
宜保夫:と言うことは、外の発電機が動けば電気は点くということか。
カフカ:ではさらに奥だな。奥のほうを見に行きましょう。
木原:先に見ちゃう?
カフカ:後に回す意味は何もありませんからね。
キーパー:奥にはまた上がり口があって、そこは板の間になっています。そして外に面するように縁がついています。板の間と縁側は障子で仕切られていて、さらに縁側の外に面した部分は雨戸がしまっています。
木原:「どこから上がります?」
カフカ:「まずは……仏壇か。遺影とかあるかもしれないし」
木原:「それで何か邸のことが分かるかもしれませんからな」土足で良いかな? 畳は荒れていないんですよね? ……一応靴は脱いで上がりますか。
宜保夫:畳の間に仏壇以外には何かありますか?
キーパー:壁にモノクロの写真が5つほど掛かっています。
木原:ゆっくりと順番に照らしてきましょう。
キーパー:いわゆる遺影ですね。男性が3人、女性が2人、いずれも高齢ですね。
カフカ:仏壇は開いていますか?
宜保夫:位牌は?
キーパー:開いています。位牌は一つしかありませんね。書かれているのは戒名だけです。どうやら男性の位牌のようですね。「〜居士」という感じです。
カフカ:……。水とか、お供え物とか、線香が上げられている様子はありますか?
キーパー:ないですね。ただし仏壇もきれいなもんです。
木原:人気と生活感はないけど、手入れは行き届いている……。
宜保夫:もう一度遺影を見てみますが、それは古いものですか? つまり、紙質が古かったり、黄ばんだりしていますか、という意味で。
キーパー:そういった様子は見受けられません。
宜保夫:5枚の遺影に古さの違いはありますか? 撮った時代が違えば、風合いとかが変わってくると思うのですが。
カフカ:写真の時系列があるかってことですね?
キーパー:ありません。
木原:まるで一緒の時代に撮ったように見えるってことか。
宜保夫:……どうもこの邸って、人が暮らしていたというよりも、そのように見える風に作ったような印象ですね。
木原:セットっぽいよね、確かに。
カフカ:ははぁ、なるほど。二人暮らしの家で三人目のご飯を用意するような、完全に死者のための家ってことですかね? 死者が暮らすためにある家なんですかね?
木原:ふ〜む。
宜保夫:この邸、違和感バリバリなんだけど、我々の撮影的には今のところ何もないんだよね。
カフカ:「だから何かあるまで探すんだよ、我々は」
宜保夫:「なければ作るんだよ!」
一同:ヤラセ(笑)
カフカ:残念ながらというか、仏壇に異常はなかった、と。次は……茶の間でしょ。

キーパー:茶の間には角ばった大きなちゃぶ台があって、壁にはカレンダーがかかっています。
宜保夫:! 大きな手がかりになるかもしれない。
キーパー:カレンダーは1975年6月のものですね。
カフカ:……37年前。
木原:何かピンと来ますかね、この年代に。
カフカ:来ないでしょうな。その年代に生きていませんからね、このキャラクターたちは。
キーパー:「日付」と「仏滅」とか「戌」とかが書かれた実用本位のものですね。○○工務店と社名が入っていますので、もらい物でしょう。
古藤:日付に印がついていたりすることは?
キーパー:ありません。
宜保夫:ほかに何か家具はありますか? 座布団とか。
キーパー:座布団はありません。特にほかに茶箪笥のようなものもなく。
カフカ:ほかには何もなしか。じゃあ、いいや。「Fusuma Door!」と言って襖を開けます。パァン!(※襖を勢いよく開ける仕草) もう開けちゃいました。
キーパー:そこは畳の部屋ですね。
カフカ:この部屋はなんだろう? ここで布団敷いて寝たりするんですかね?
木原:正面の障子を出ると縁側ですよね?
カフカ:縁側の突き当たりは?
キーパー:おそらく厠でしょうね。
宜保夫:厠を開けてみますけど?
キーパー:汲み取り式のトイレです。トイレに入ったのは誰でしたっけ?
カフカ宜保夫:はい。
キーパー:二人は<アイデア>ロールをしてください。
カフカ:成功。
宜保夫:っ……(失敗)。
キーパー:では監督はふと、誰かに見られているような気になります。
カフカ:「……?」きょろきょろとしてみます。「誰かに見られているような気がしないか?」
宜保夫:「? 便器の中じゃないっスか?」
カフカ:「まさか」覗き込んで見ます。
キーパー:目が合いました。目玉が二つ、あなたたちの方を見上げています。
カフカ:「ううわぁ!」っと大声を上げて、便器の中を指差します。
宜保夫:見ます!
キーパーSANチェックです(笑)
カフカ宜保夫:成功です。
キーパー:1ポイント喪失です。一瞬で、その目はスッと消えました。
宜保夫:「便所の中、パネェっス! 一瞬目が見えませんでしたか!?」
カフカ:「え!? ややや、やめろよ! 目の錯覚だよ! ドドド、ドッピオ!?」と動揺します。
木原:しかも、それイタリア語だよ(笑)
宜保夫:消えた目玉っていうのは、あの投稿された映像で見た目玉と同じものですか?
キーパー:確かに、同じもののように見えました。そういうわけで便所でちょっとした騒ぎが起こっています(笑)
古藤:慌てて駆けつけます。
カフカ:「中を照らして!」
木原:「はい!」
キーパー:ぽかーんと黒い穴が地面の下まで続いていて、使われていた形跡もありません。
カフカ:そこはかとなく汚臭が漂っているとかもなく? 一度も使われていないんですかね、便所として?
宜保夫:便器はキレイなの?
キーパー:キレイなもんですね。黄ばみ一つ、ちり一つありません。
カフカ:使われてないのか、まったく。やっぱり生きた人間が暮らしていたわけではなさそうだな、この邸。
キーパー:では、皆さん<アイデア>ロールをしてください。
全員:成功。
キーパー:トイレは通常、もっと湿っぽかったりするものですが、全然水気がないですね。邸が全体的に乾ききっている感じですね。
宜保夫:電気やガスの設備がこれだけ整っているのに、水気がないっていうのには何か意味があるんじゃないの?
カフカ:でも蛇口はあったんですよね?
木原:でも水は出なかった。井戸もなかったよね。地下に水道管引いているのかもしれんけど。
宜保夫:いや、この構造で地下に水道管を引いているというのはあり得んでしょ。感じからいって井戸水を使っているのが普通だと思うんだけど、土間にも井戸はなかった。
キーパー:山や川から引いていたりするものですが、その様子もありませんね。
宜保夫:何かの理由で、ここは水を断っているんじゃないか?
カフカ:水がないってことは人が暮らせないってことですから、邸は人が暮らす用には造られていなかった?
木原:電気がないよりも困るよね、水なしは。
宜保夫:蛇口はあるから、形としてはそういう風に造っているんだけど、水は絶対に出ない。
木原:セットっぽいよなぁ。
カフカ:確かに。……次は、二階? 「もっとヤバイものが見つからないと、我々がヤバイ! これじゃ企画にならないぞ!」
木原:「DVD売れない!」



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