リアルにヤバイ! 燃え落ちる邸



カフカ:まぁ、基本はもう逃げるだけだから。さて、どうするかな?
キーパー:梯子は当然一人ずつしか降りられないので注意してください。
宜保夫:俺が冷静に梯子を使える状態とは思えないんだけど。
カフカ:それなら突き落とすかってことでしょ。
宜保夫:なるほど。
キーパー:甘んじて1D6ダメージを受ければ、1ラウンドに一人は突き落とせますね。

【第1ラウンド】
宜保夫(※DEX 17)ではまず俺がすごい金切り声を上げます。
古藤(※DEX 13)「に、逃げましょう!」と言って梯子を降りようとします。SANチェックには失敗しているので、人のことなど構っていられないでしょう。
キーパー:カメラマンは次のラウンドには梯子を下りられるものとします。
古藤:はい。
木原(※DEX 13)宜保夫を引っつかんで、梯子の方へ。
キーパー:分かりました。では逃げ出そうと梯子の穴の方向へ動いたところで、皆さんに向かって目玉が飛んできます。一人ずつ命中判定行きましょう。(宜保夫に命中)5ダメージです。
宜保夫:「パネェェェェェッ!」
木原:これで突き落として、その上に俺が飛び降りたら死んじゃうかもしれないな(笑)
カフカ(※DEX 8)……格子、壊れないかな、体当たりで。
木原:いや〜、それは賭けだと思う。かなり。
カフカ:でも、単純に3ラウンドしかないんだから、何かが起こるまでに全員が逃げるのは間に合わんでしょ。でも格子が開けば、二倍の人数が逃げられるわけだから……。
木原:でも壊れなかったら……。
カフカ:そうですけど、ゲーム的に言うと、このままだと一人は確実に間に合わない。それだったら、もう一つある出口を目指さない手はないでしょ。
木原:いや〜、お勧めはしないけどなぁ。こちらから開くように造られているとは思えない。
カフカ:幸い正気度1ポイントしか減りませんでしたが、オレはSANチェックには失敗しているので、最短距離と思われる脱出口の格子を目指します。その方が逃げるには早いと判断します。

【第2ラウンド】
キーパーDEX 13の古藤さんと木原さんが梯子のところでぶつかります。どちらが早いかは1D100DEXの倍率に対してどれだけ下回ったかということで。
古藤:6倍。
木原:3倍。
キーパー:一番良い結果かもしれません。宜保夫が突き落とされて、その後からカメラマンが梯子を降りていくという感じで。宜保夫は落下による1D6ダメージを……(コロコロ)……1ダメージです。
宜保夫:おお〜! 助かった!
キーパー:古藤さんは一応正気度が減っていますので、冷静に降りられるか<幸運>ロールだな。
古藤:(コロコロ……)成功。
キーパー:無事に降りられました、と。木原さんと監督の二人にはもう一度攻撃が行きます。目玉が飛んできます。(コロコロ……)監督に命中です。
宜保夫<回避>
カフカ:こんな時のために40%取ってあります! ……でも格子に体当たりをするのが先だな。ダメージ、カモーーーン!
キーパー3ダメです。
カフカ:ギリギリ気絶判定しなくて済む(笑)(※カフカの耐久力は8)。ではバッファローマン並みの回転をつけて格子に体当たりします。
キーパー:格子は動かないので体当たりは外れませんが、STRの対抗ロールになります。STRは?
カフカ12。結構あるんですよ。ここに勝機を見い出してるのです、オレは。CON3ですが。
キーパー:木製の格子のSTR15です。一人の力ではそう簡単には開かない構造になっていますので。
カフカ:ということは35%。もとより頑丈だってことは分かってやっていますから。35を出せば良いだけの話です……(コロコロ……)72(笑)
キーパー:ガイーン! という感じです(笑)
木原:まぁ、そりゃそうだよね。

【第3ラウンド】
宜保夫:俺は落ちた衝撃で「はっ!?」とか正気に戻らないの?
カフカ:12ラウンド後に「はっ!?」ができますよ。
宜保夫:12ラウンド後に生きていればね(笑)
カフカ:(笑)
古藤:「助けよやよや」ということで邸の外にまろび出ようとします。
カフカ:「格子の破壊を手助けしてくれた者に、ボーナス30万!!」
一同:(笑)
木原:「!」ボーナスに引かれて、格子の破壊を手伝いに……。
キーパー:二人でやればSTRを足せますので破れるかもしれません。
カフカ:でも、このラウンドに攻撃を受けてしまった場合、オレは即昇天の可能性が高いんですが(笑)
宜保夫:どちらにしてもこのラウンドが最後なんだから、同じでしょ。
木原:う〜ん、それなら……。
カフカ:(木原に向かって)いやいや、どう考えても手近の梯子で脱出でしょ。今、一番近い出口が梯子なんですから。ここで二人を危険にさらす必要はない。オレはこのラウンドでSTRの対抗判定に成功すれば良いんですから。
キーパー:ちなみに、現時点で木原さんは唯一、理性的に物事を考えて行動できる人です(※直前のSANチェックに成功しているので)
木原:そうなんよ。格子を破るのに加勢して、ダメだったら戻ってきて逃げるということが可能ならばやるんだけど。
宜保夫:直感的に3ラウンドしかないと思っているんだよね、今。
カフカ:「なんとなくヤバイ!」ってことは分かっているんですよ。3ラウンドしかないからオレは格子の突破へ行ったわけですからね。
木原:確かにね。行ったら間に合わないわけか……。梯子を降ります。
キーパー:では残っている監督に目玉が。(コロコロ)当たります。
カフカ:ヤバイッ! <回避>か!?
キーパー:ちなみに、飛び道具に対する<回避>なので半分です。
カフカ:なるほど。でも直感的に時間がないことは分かっているので、ここで<回避>に費やす時間はない。2ダメであることを祈ります。(※2ダメージなら、ギリギリ意識を保ったまま、気絶判定なし)
キーパー5ダメ(笑)
カフカ:「げふぅ……」ちょうど0です(笑)。次のラウンドまでに誰かが<応急手当>してくれれば死にません。「応急手当してくれた者に、ボーナス40万!」
一同:(笑)
キーパー:監督が格子の前で倒れたところで3ラウンド終了! 薄れ行く意識の中で監督は見るんですけども、消えていた提灯が、突然、赤い光を放ち始めます。木原さんは梯子を降りていると、急に赤い光が上から差してきたことに気づくという状態です。
木原:はいはい。
提灯キーパー:提灯には五芒星が描かれていましたが、その真ん中に、真っ赤な瞳が出現します。そしてものすごい勢いで、提灯から炎が上がります! 炎はまず、真っ先に壁に向かいます。壁をなめるように炎が「ゴォッ!」と走っていって、今度は柱が真っ赤に染まっていきます。そして赤くなったと思ったら、実際に燃え始めます。
木原:実際に火がついちゃうのか……。
キーパー:古藤さんが一階から見ていると、上からパチパチと爆ぜるような音が聞こえてきます。
カフカ:薄れ行く意識の中で、「これは凄ぇ……これは凄ぇ画になるぜ。これでオレは、映像界のグレゴール・ザムザだ……」と思いながら死んでいきます。

キーパー:ここで、えーと、木原さんは攻撃を一度も食らっていない?
木原:はい。
キーパー:古藤さんは、最初に邸に入る前に壁に書いてある字を触ったよね?
古藤:触りました。
キーパー:宜保夫は攻撃を食らっている、と。
宜保夫:食らってます。
キーパー:古藤さんは邸を飛び出して「あわわわわ……」と言っていると、指先に燃えるような痛みを感じます。そして一瞬、指先がボっと燃えます! 3ダメージ
古藤:「うわぁ! あちあちあち!!」
キーパー:木原さんが引っ張ってきた悲鳴を上げ続けている宜保夫の体が炎に包まれます! 6ダメです。
宜保夫:残り、3! 意識不明一歩手前ですよ!! 気絶判定は……05! いっそ気絶させてよ(笑)。「熱いよ、痛いよ! パネェ……(弱)」
キーパー:人体発火現象を見てしまったので、木原さんはSANチェックを。
木原:67、失敗。
キーパー:地味に1ポイントです。炎は一瞬で消えます。逃げ出した三人の前で、邸が見る見る炎に包まれていきます。見ている前で炎が舐めるように邸を包み込んで、あっという間に燃え尽きてしまいます。古藤さんと木原さんは<アイデア>ロールを振ってください。
古藤木原:成功。
キーパー:燃えている邸を見ていると、その壁が白くなっています。そして書かれていたはずの「百蔵庵」という文字が見当たりません。そんな様子を見ている間に炎は凄い勢いで邸を燃やし尽くしてしまいました。
木原:……。とりあえず、「あれ!? 監督は!?」
古藤:「たぶん、あの火の中で……」

キーパー:これで一通りのことは終わりましたが、邸から出てきたら夕方くらいです。その後どうしますか?
古藤:宜保夫君の<応急手当>をして体力を回復させてあげます。
木原:一応、監督の亡骸を探したり、警察や消防に連絡を……。
キーパー:問題は携帯電話が圏外だということですな。そして焼け跡には何も残っていません。灰すらもありません。
古藤:監督の骨も残らず?
キーパー:そうです。
木原:「……これ、発売するの?」
古藤:「……」
宜保夫:「……」
キーパー:結論から言うと、お蔵入りでしょうな。
宜保夫:裏ルートでコッソリと……。
カフカ(死):YouTubeに……。
古藤:監督の死体は残っていないので、行方不明扱いになるんですかね?
宜保夫:「監督は見えない世界へ行ってしまったんだ……」
カフカ(死):なるほど。それならまだ生きている可能性があるな(笑)

 この後、宜保夫は長期の狂気表を振って、1ヶ月間「健忘症」になることとなりました。「百蔵庵」はおろか、監督のことも忘れてしまったようです。

キーパー:後日ちょっと調べてみますと、細々とではありますが、まだ「百蔵庵」の噂は継続中のようです。
(了)



←戻   進→
表紙へ戻る