地底の侵略者08:福岡県杉山市友成町

 まず呉の実家付近の過去の事件記事が残っていないかとネットと図書館を当たってみましたが、該当しそうなものは何一つ発見できませんでした。白凰市では何も分からないと見た一行は旅行計画を練って(青春18切符を利用する事に決定した模様)、呉の実家へ直接行ってみる事にします。
 なお、この時点で白凰市の問題から逸脱するため、鷲羽陽彦は一時別行動をとる事にしました。


キーパー:では鷲羽さん、イベントが起こります。
鷲羽!?(※探索からドロップアウトして気を抜いていました)
キーパー:ある晩、夢を見ます。夢の中で覚醒する所から始まります。上からぼんやりとした灯りがあなたを照らしています。「この上は座敷かな?」と思います。辺りを見回してみると、最初の夢で見た井戸のようなものがぽっかりと口をあけています。縁に手をかけて上に上ってみて見渡すと、あたり一面が滅茶苦茶に破壊されています。辺りは血の海です。おそらく、集まっていた人たちであろうと思います。肉塊と化したものの間に紋付袴が見えたりもしますね。シーンと静まり返った中で、それを見ているという状況です。「本当に申し訳ない事をした。これは自分がしでかした事だ。本当に申し訳ない事をした」と思うと同時に、足の下にある闇が怖くて怖くてたまらなくなります。足の下にゾワゾワと何かがいるような気がして、慌てて這い上がるんですけど、ズルッと血で滑って転んでしまいます。頭がカーッと熱くなって…そこで目を覚まします。
鷲羽う〜む。

キーパー:旅行に行った方々は、ベースとなる良い宿を取って(※お金は村瀬(弟)の兄・浩次が出しました:「予言」参照)、ディーゼル線で行くと、本当に古びた田舎町ですね。
チェ呉君の実家の住所と思しき場所に行きます。
キーパー:行ってみると「」という表札のかかった家がありますね。夢の中で見てた屋敷ほど立派じゃないですけど、それなりにどっしりとした家構えです。家はこの辺じゃ、一番デカイんじゃないか、と。
村瀬(弟)えーと、人は住んでいそうですか?
キーパー:人は住んでいますよ。
村瀬(弟)垣根越しに中の様子を覗くんですけど、夢と同じですか?
キーパー:いや、違いますね。ボタ山とか全然近くないし。住宅街に建っている、ちょっと立派な日本家屋って感じですね。
村瀬(弟)じゃあ、あの夢とは明らかに違う家なんですね。
相原ピンポーン。(インターホン越し)「すいませーん。國史院大学の者で相原といいますが、こちら呉正秀さんのお宅でしょうか?」
キーパー:ちょっと沈黙があった後、(インターホン越し)「…はい、そうですが」
相原(インターホン越し)「すいません、その呉正秀さんの事でお話があるんですが、よろしいでしょうか?」
キーパー:(インターホン越し)「あいにくとすいません、家人が不在なもので」ガチャ。
相原ピンポーン、ピンポーン。
キーパー:シー…ン。
織本「こういうのってワイドショーでよく見るよね」
村瀬(弟)「うん。多分警察呼ばれるな、これで」
相原ピンポーン、ピンポーン。
村瀬(弟)置いて逃げます(笑)

織本実家の電話番号って分かるのか。玄関先から携帯で名簿に載っている電話番号に電話してみます。
キーパー:「はい、もしもし」
織本「正秀君の友人の者なんですけど、正秀君が怪我をして入院しているんです」
キーパー:「…はあ」
織本「病院の人が連絡を取りたがっているんですけど…」
キーパー:「私はこの家で働かさせていただいている者ですので…」
織本「ご実家の方にはどのようにしたら連絡が取れますか?」
キーパー:「…はあ。こちらから連絡はしておきます。どうも、わざわざ有難うございました」ガチャ、ツーツーツー。
織本「参ったな〜」
相原「しかし、話も聞かずに切られるってどういう事よ?」
織本「…本当にお留守番の人なら分からなくも無いけどさ」
相原「多少状況を説明するだろ、普通」
織本「う〜ん、誰か来ても相手をしちゃ駄目、みたいな事言われているなら…」
チェ電話に出てくれないんだったら、近所で聞き込みか、地元の図書館で地元の新聞を調べるか、そういうレベルなんじゃないでしょうか?

 取り付く島のない呉の実家ではこれ以上手がかりを得られないと判断した一行は、チェの提案通り図書館班と聞き込み班に分かれて情報収集に当たります。
 <図書館>が得意な村瀬は地元の図書館へ行って、古い地方紙を当たってみます。難なく成功したロールによって15、6年ほど前の新聞の片隅に「爆発事故」の見出しを見つけます。「呉」という家でガス爆発事故があり、法事で集まっていた親戚一堂に多くの犠牲者が出たという内容の記事です。唯一の生存者は幼い男の子で、名前は「正秀」と報道されています。事故現場は呉の実家として登録されている住所から離れた、列車も通わぬ郊外であることが分かります。
 村瀬以外のメンバーはけんもほろろな呉の実家は諦めて、近所の家に聞き込みに行ってみることにします。「正秀君が大怪我をして入院したので、親族に連絡を取りたい」という理由を前面に押し立てて隣家を尋ねていくと、幸運にも話し好きな主婦に行き当たり、思いがけないほど呉家の内情を知ることになります。
 かつての呉家の本家筋のほとんどがガス爆発事故によって他界していること。呉正秀は養子として目の前の家にもらわれたということ。そして“鬼子”と呼ばれて疎ましがられていること。正秀を養子に取った家の主人と正秀の年齢が、さほど変わらないということ。正秀を余所(白凰市)へと追い出して、呉家はせいせいしていること、等。あまり身の上を語らなかった呉が隠していた深い事情を知って、一行の間に重い雰囲気が漂います。


キーパー:(鷲羽に向かって)蕪君から電話が来ます。身寄りが無いので蕪君が結構呉君に付き添っているんですけど、「昨日泊り込んでたんですけど、夜中にこういう夢を見ました。これってあの時と同じなんですか?」。まさにあなたが見た夢と同じです。
鷲羽…。「ちょっと俺も他の連中の所へ飛んでくるから、お前は呉に何かあったら俺に連絡してくれ」。村瀬に連絡を取ります。
村瀬(弟)「はい、村瀬ですけど」
鷲羽「あー、鷲羽だけど。こういう夢を見たんだけど、そっちで何か分かった事ってある?」
村瀬(弟)実家住所と、地方版でこういう記事があったと。あとは記事の住所。
キーパー:鷲羽さんも福岡へ向かうと。
鷲羽合流したら、「これこれこういう夢を見たので、やはり爆発事故の記事から察するに、その爆発事故のあった本家に行ってみないわけにはいくまい」と。
織本「う〜ん、あの夢がそこにつながるわけか」
鷲羽「絶対何かある。一刻も早く行った方が良いと思う」
村瀬(弟)タクシーでもチャーターしていきましょう。電車では行けないようなんで。「まぁ、ここまで来たんだし、行きましょう」
織本「うん」



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