地底の侵略者10:小五郎の導き

村瀬(弟)蕪が病院に見舞いに行ったら夢を見たっていう事は、夢見の感応作用は残っているんですよね?
鷲羽そう。だから、夢は見ているんだよ。
相原また夢の発信を待つか?
村瀬(弟)皆で病院にローテーションで泊まりこんで、夢を見るしか思いつかないなぁ、こうなると。
チェ夢の中から手掛かりを探すって事か。
織本彼自身はどうしたかったのか? …どうもしたくはなかったんだろうな。
鷲羽本当の所は何もしたくなかったんでしょうね。
村瀬(弟)ただ平和に…
織本生きたかったんだろうね。実家と縁を切って。

チェそういえば、俺が投げるためにポケットに入れてきた石って持ってきて良いものなの?
キーパー:ああ、そうか。ドームから先へ進む時に石を拾って持っていくって言ってましたよね。じゃあ良いですよ。
織本理学部あたりで分析してもらえば?
チェじゃあ鷲羽先輩にお願いして。
鷲羽じゃあ理学部に持って行きましょう。「よろしくー」
チェその結果が出ているかもしれない(笑)
キーパー:まさに流れるように後付けを(笑)。結果出ました! 「どこでこの石を? ずいぶん高い所まで行かれたんですね」
鷲羽「…と言うと?」
キーパー:レアメタルと言えばレアメタルなんですけど、高山地域でしか見つからない鉱石の一種だそうです。アパラチアとかヒマラヤ山脈とか、高山地帯でしか採取された事が無い、高山性の鉱物ですね。
鷲羽それが何で地下から掘り出されていたのか?
織本あそこは地下じゃないのか?
鷲羽地下で掘り出していたわけじゃないのか。
織本あの空間は地下ではなくて、凄い高い所、の地下。
相原寒かったのはそのせいか。

 能動的に打つ手のなくなった一行は村瀬の提案通り呉の病室に泊り込むことにします。
 その前に呉の自室にもう一度立ち寄ると、今まで姿を見せなかった三毛猫の小五郎が姿を現し、そしてその姿を幻のようにユラリと消します。小五郎に導かれていると感じた一行が呉のいる病院に連絡を取ると、果たして彼の病室にいつの間にか一匹の猫が紛れ込んでいるとの報告が。小五郎が、引いては呉自身が呼んでいるのだと確信し、一行は呉の収容されている病院へと急行します。


キーパー:呉の病室に行くと猫がいます。小五郎です。
織本とりあえず寝袋でも何でも敷いて、この部屋で寝てみよう。
村瀬(弟)医者と看護婦に凄い不審な目で見られながら(笑)
鷲羽ムダでも何でも良いわ。一つずつ潰していこう。
キーパー:寝ると、また夢をみるんですが、今回は皆さんは「自分」という認識があります。そこは呉君のマンションの部屋で、隣を見ると自分以外のメンバーがいるという感じです。そこには呉君もいます。「やあ。良かった。ようやく君たちと話をする事が出来た」
鷲羽「どうなっているんだ? 何をして欲しいんだ?」
キーパー:「小五郎だけは何とか戻してあげる事が出来た。でももう、多分これが僕の限界だと思う。君だったら僕のメッセージを受け取ってもらえるだろう。…僕を殺して欲しい
一同:「…」
キーパー:「もう小五郎は戻してあげたからこの場にはいないけど、小五郎が案内をしてくれるはずだ」
鷲羽「案内されて、どこに行けっていうんだ?」
キーパー:「…門を使えるようにしておいた」
鷲羽「脳を破壊すれば良いのか?」
キーパー:「そうだ。時間が無いと思うから、早めに。ただ…大変な事だとは思う。気をつけてとしか、僕からは言えない」
一同:「…」
キーパー:「どちらにしても、脳を破壊してくれれば全てが終わるはずだ」
鷲羽「あの怪物たちは、お前の脳を使って何をしようとしているんだ?」
キーパー:「彼らの目的までは分からないけど、おそらくは僕の脳に科学的興味を示したんだと思う」
チェ「脳を取り戻して、お前を助けるって訳にはいかないのか?」
キーパー:「多分、どんな事をやったとしても、僕たち人間の技術では不可能だと思う」
相原元には戻せないのか。
チェ我々の技術における外科的な手術で取り出しているわけではない、と。
キーパー:「推測なんだけど、僕の頭に詰められている液体は、どういう作用か知らないけど、僕の脳と繋がっているようだ」
鷲羽「…分かった。やろう」
キーパー:「たぶん大変な事になるとは思うけど…頼む、僕を殺してくれ」、というところで目を覚まします。
相原…行きましょう。
織本ああ、結局こうなるんだ。
鷲羽やるしかない。行きます。



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