【古フロルマー到着】


ゲームマスター(以降GM):皆さんが上陸しますと、使いの者がやって来てこう言います。使者「公爵がお会いしたいと申しておりますので、“ゴルダーの秤”亭に来ていただきたい。そこに公爵が参られます」
一同:ほうほう。
GM:“ゴルダーの秤”亭はすぐに分かります。「公爵のお客様ですね」と言って出迎えられると、地下に通されます。地下は海中に入っています。一方の壁一面が一枚ガラスになっていて、海の中が見えるようになっています。<新王国>の技術からすると、この大きさの一枚ガラスを作るのはちょっと信じられないですね。
スタイン瞬間的にギョッとするような感じだろうね。
ティスマン「何だこりゃあ……」
GM:酒場の主人「これはメルニボネで作られたガラスなんですよ。公爵から寄贈された物です」。当然この酒場には地上階もあるんですが、地階(海中階?)は所謂VIPルームで、手に金の指輪をジャラジャラさせた商人とか、芸術家がいますね。芸術は<混沌>の良い面の1つです。
ピオカーナ「<法>の国でもこのような状態なんだな」
GM:アシカが泳いでいるのが窓から見えます。かなり涼しくて、部屋の中は海水の緑色に染められています。しばらくすると入り口の方が騒がしくなって、どうやら公爵が来たようです。上の方からは「やぁ、公爵!」というようなフレンドリーな声が聞こえてきます。
ティスマンほう。
GM:公爵が地下の部屋に入ってきます。レザー・アーマーを着てブロード・ソードを腰に下げています。四角い顔の、若い男性です。歳はあなた方と同じくらいですね。若いにしては威厳が感じられて、なるほど、地位が人を作るみたいな所があるようです。かなり魅力的に感じます。
ピオカーナ一応立ち上がって出迎えましょう。
ガーリックそうですな。
GM:アヴァン公爵「おお、貴公らが噂の!」。公爵は一人だけ護衛を連れています。パン・タン人の女性ですね。グレート・ソードを持っています。黒い髪をポニーテールのようにしています。目は冷たい緑色です。公爵は一番窓際の、特等席のような場所に座ります。パン・タン人の女性の方はガラスに背を向けて、階段が見える位置に腕を組んで座ります。
ピオカーナ護衛は一人だけ? パン・タン人の護衛をつけているっていうのも、かなり特殊だよね。
GM:パン・タンでは女性は二級市民なので、外に出て冒険をしている事自体、かなり変わっていますね。公爵も変わってますけどね(笑)
ティスマンふーむ。
GM:アヴァン公爵「貴公らが幽霊船の傭兵団か。どのような冒険をしてきたのか、どうか聞かせてほしい」という事で話を聞きたがります。
ピオカーナ詳しく話して聞かせましょう。
GM:初めの冒険(※「クリスタル・オブ・ダーダダース」)が何しろメルニボネの遺跡探検ですからね。その話を興味深く聞いています。
ティスマン「その先に、更にいたんですよ!」みたいな(笑)
GM:アヴァン公爵「え!? さっきがクライマックスじゃなかったの!?」
一同:(笑)
GM:それを4回くらい繰り返します(笑)。話は結構盛り上がって、軽食や酒がどんどん運ばれてきます。店主「遠慮しないでくれ。公爵とそのお客さんは、この店では全部タダだからな」
ピオカーナでは宴席が盛り上がっている頃合を見て、例の魔道書を取り出します。「見て頂きたい物があるのですが」
GM:アヴァン公爵「ほう、これは……」と言ってパラパラとめくっています。公爵はマブデン語読めないんですが(笑)、パン・タン人の護衛がペラペラなので読みあげてもらって、ウンウンと頷いています。パン・タンの言葉で書かれていますが、どうやら<光の帝国>の事を研究したパン・タン人によって書かれているようです。
ピオカーナああ、著者がパン・タン人研究家なのね。
GM:「これはなかなか興味深い」と言って公爵はパラパラと見ているんですけど……ここで<観察>ロールをしてください(ガーリックとスタインが成功)。先ほどまで窓の外の海を泳いでいたアシカの姿が見えなくなっています。部屋にふっと影が差したような気がします。
ピオカーナまさか……、奴(※シェール。「牙と噴水」参照)か?(笑)
GM:ドカーン! と、ガラスに何かがぶち当たってきました。
スタイン「な、何だ?」
ティスマン「何事だ!?」
GM:見ると、それはヒレと鉤爪のあるカエルみたいな生き物です。人間よりもずっと大きいです。赤い鶏冠のような物が背中まで生えています。で、ガラスが割れて……
ピオカーナガラス、割れてんの!?
GM:水が、滝のように流れ込んできています。驚いているパン・タン人の護衛の彼女は、鉤爪によって海に投げ出されてしまいました。「何だ!? 何が起こった!?」と言って公爵も驚いています。
ティスマン公爵を連れて逃げましょう!
GM:すると、上からも悲鳴が上ります。
ティスマン「な!?」
GM:カエルとは別の、ピンク色の肌をしていて、治りかけの傷のように瘡蓋が体中についている、ずんぐりした体格のモノが階段上の踊り場に現れます。短い足と、太くて長い腕を持っているデーモンです。頭はほとんどが口で、か細い口笛を吹いています。この地下室が水で満たされるまで何ラウンドかかるかな? という事で、誰か1D10を。
ピオカーナ(コロコロ……出目は8)よし。
GM:18戦闘ラウンドありますので、それまでに何とかしましょう。水がどんどん入ってきますので、ラウンドの最後に水圧に耐えるためにSTR×5のロールをして、失敗すると転びます。階段上のピンクのデーモンの方はこのロールはいりません。階段には二人まで並べる事にします。

 階段上のピンクのデーモン(ムルエウルー)にピオカーナとシャゼのエシュミール神官戦士コンビが、階下のカエルデーモン(フングス)にティスマン、ガーリック、ハンスヘルトのトリオが、公爵の護衛を(金が無くて鎧を着ていない)スタインと(戦力外の)グリンが受け持ちます。
 対フングス戦:鉤爪の攻撃をかいくぐってPCたちの反撃。ティスマンのクリティカル・ヒットで鉤爪を1つ破壊し、ハンスヘルトのデーモン・ロルミリアン・アックス(6D6ダメージ)が深手を負わせます。ガーリックの攻撃は外れて(お約束)、第1戦闘ラウンド終了。STR×5の水圧ロールでティスマンとハンスヘルトが転倒し、第2戦闘ラウンドはガーリックとデーモンの一騎打ち。ガーリックに鉤爪が当たってデーモン・アーマーが少し削られるものの、前のラウンドで鉤爪が1本減っていた事が幸いしてこのラウンドはそれ以上ダメージを負わず。ティスマンとハンスヘルトが立ち上がり(ガーリックは攻撃をはずし)、このラウンドは終了。第3戦闘ラウンドでハンスヘルトのアックスを喰らってフングスは退場。
 対ムルエウルー戦:階段を登るのに第1戦闘ラウンドを費やし、第2戦闘ラウンドから戦闘開始。シャゼの攻撃がヒットするもののタフなデーモンがそれだけで倒れるはずも無く、ピオカーナに組み付きます。ピオカーナは自分の手番でデーモンの腕を振り解こうとしますが、失敗。第3戦闘ラウンドで再びシャゼのバトルアックスがデーモンを傷つけますが致命傷にはならず、組み付かれていたピオカーナは階下へ投げ落とされて3ダメージを受けます。第4戦闘ラウンドでシャゼのクリティカル・ヒットと駆けつけたティスマンのブロード・ソードの攻撃を喰らってムルエウルーも退場しました。
 障害を排除して、一行と公爵は水没しつつある地下のVIPルームから脱出します。


GM:全員生きて出られました。「貴公らは命の恩人だ」と言って一人ずつ公爵から握手を求められます。そうしているとずぶ濡れになったパン・タン人の護衛の彼女が、ナドジャナって名前らしいんですけど、走ってきて公爵が助かったのを見てホッとするやら、自分が力になれなかった事にがっくりするやらみたいな表情を浮かべます。やがて街の警備兵たちが走ってきて、彼らに対して公爵が「この事件の元凶を調査するように!」と指示を与えます。警備兵たちは散っていきますね。
ピオカーナ明らかに狙われたとしか思えないですからね。
ティスマンうんうん。
GM:「貴公らには本当に世話になった。しばらくはバタバタすると思うが、どこでも好きな宿に泊まっていてくれ。勘定は全て私の名前でつけておいてくれて構わない。また後日、連絡させてもらう」。そう言って公爵は今度はズラリと並んだ警備の兵に囲まれて城砦の方へ去っていきます。



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