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【“幻滅の青き貴婦人”】
GM:戦いは終わって、生き残った町の住民たちは火の玉が残した青色の鉱物で城壁を補修し始めます。
クランデール:どんなものなの? その鉱物は?
GM:アルカリ性の鉱物のボードだと思ってください。持ち上げると「しゃらしゃらしゃら」という不思議な音を立てます。空気に触れるとそういう音がするみたいです。トンテンカンテンと城壁に付けていくと、風が吹くたびにしゃらしゃらという音を響かせます。
ティスマン:涼しげな音が。
ジンジャー:鎧とかには加工してくれないのかね?
GM:硬いんですが、金属というよりは石に近いので。ただし、ノームと親和性のある天然の石とも違います。
クランデール:魔力を帯びている石みたいなもんか。
GM:「石に分類するのが一番妥当であろう」みたいな感じの代物ですね。
クランデール:サンプルとして少し持っていくか。ポンパドゥールに聞いてみましょう。「このような石は商品として価値があるのか?」
GM:「ん〜、あるとは思いますが、商品として流通するには時間がかかりすぎますね」とのことです。
クランデール:じゃあ一欠けら研究のために貰っていきます。
GM:ストーンが城壁工事を見ながら「もうこれ以上戦闘のない世界になってくれるといいのだが」と言います。
ティスマン:「確かに」
この後、戦場を探索してみますが目ぼしい物は何もなく(デーモン・アイテムは火の玉に全て吸い尽くされてしまっているので)、唯一貴重なものと言えば、ガルジャーンの着ていたメルニボネアン・プレートくらいでした。戦いの報酬としてそれを譲り受け、SIZ的にそれはポンパドゥールが身に着けることになりました。
GM:メンドクサイので、自軍の負けを悟ったパン・タン人のお留守番部隊はガレー船で逃げたということで。
さて、要塞の再建も進み、そろそろカドサンドリアへ戻ろうという話になります。当然パルヴィックが船で送ってくれます。
ジンジャー:はいはい。
GM:では「出港は明日」という日になって、ブルー・レディからお呼びがかかります。「話したい事があるから部屋に来てほしい」とのことです。
ジンジャー:早々に逃げ出したくせに。
クランデール:プンプン!(笑)
GM:皆さん、行くということで。ではコンコンとノックしてガチャッと扉を開けて部屋の中に入るんですが、一歩入るともうそこに扉はなくなってしまいます。
ティスマン:「おろ?」
GM:部屋の景色もまったくなくなってしまって、そこは薄暗い真っ青な世界になっています。
ジンジャー:異世界?
GM:ちなみに、クランデール卿の姿がありません。
ティスマン:おお?
クランデール(いない):つまり、部屋に一緒に入ったけど、俺だけいないと(笑)。
GM:で、奥にある青い石でできた玉座にブルー・レディが座っています。
ティスマン:ほう? 偉そうだな。
GM:足を組んだ栗山千明が座っている感じです。プレート・アーマーは着たままです。一応<歌謡知識>を振りましょう。(コロコロ……誰も成功せず)誰もわからない(笑)。
ティスマン:「え? 誰? どこ?」(笑)
GM:「ん?」と見ていると、彼女は「して、この戦いで一番活躍したのは、いったい誰だえ?」みたいなことを聞いてきます。
ティスマン:(クランデール卿を見て)一番活躍した人は、いねーみたいな(笑)。
GM:確かにドングリの背比べみたいなところはありますな(笑)。
ジンジャー:いやー、特に目立った活躍をしたっていう人はいないなぁ(笑)。
ティスマン:いや、ここは、でも、いない人とNPCに譲る必要はないんで、まぁ、ジンジャーかティスマンでいいでしょ。ダイスで決めますか、<混沌>らしく。
ジンジャー:(コロコロ)6。
ティスマン:5。ではジンジャーで。
GM:「それで良いのかえ?」と一応念を押します。そしてジンジャーに向かって「して、そちは何がほしいのかえ?」。
ティスマン:「ギャルのパンチーが……」(笑)
ジンジャー:ここはデーモン・バトル・アックスとか、回復の指輪?
クランデール(いない):僕を執行人にしてくださいとでも言ってみたら? 帰ったらまずアナスタシアと一騎打ちをしてもらうということで(笑)。
ジンジャー:(散々悩んだ末)う〜ん、では「強力なバトル・アックスがほしい」。
GM:「そんなもので良いのかえ?」と言って、ブルー・レディは使っていたライト・メイスを差し出します。
ジンジャー:はいはい(受け取る)。
GM:手に取るとグニュっと形を変えて、バトル・アックスになります。
ジンジャー:おお!
GM:まったく重さを感じないような、真っ青なバトル・アックスです。
ジンジャー:まぁ、こんなもんですか(※嬉しそう)。
GM:ブルー・レディ「わらわはこれからここ、不浄の要塞を本拠にして来るべき戦いに備えようと思う。もしその時に我が命令があらば、そなたは何かに導かれてここに戻ってくるであろうぞ」
ジンジャー:「ははー!」
GM:皆さんが同時に瞬きをすると、ふっと通常の部屋の中の景色に戻ります。当然クランデール卿もいます。部屋にはブルー・レディはいませんが。
ジンジャー:ふと見てみると、手に青い斧を持っているわけですな(笑)。
クランデール:「ん? ブルー・レディはどうした?」
ティスマン:「卿は先ほどいなかったのですな」ということで、かくかくしかじかこういうことがあった、と話しましょう。
GM:(クランデールに向かって)では<歌謡知識>を。
クランデール:(コロコロ)成功。「それはもしや……!?」
GM:おそらく、クランデールを除く4人が行ってきたのは「青の世界」という次元です。そこは“幻滅の青き貴婦人”女神エクオルが支配している世界です。魔術を守護する女神として知られています。どうやらブルー・レディはその化身だったのでしょう。物凄い力を持っていたのも、頷けますね。
ティスマン:当然<混沌>の?
GM:<混沌>の女神です。
クランデール:「どうりで、俺だけが行けなかったはずだ」(←※グロームの司祭)
GM:ま、そういうことですな。
GM:では皆さんは不浄の要塞を後にします。砂漠の途中で要塞を振り返ると、来た時とは違った、青い城砦がそこに見えます。
ティスマン:ああ、はいはいはい。修復が進むにつれて徐々に青くなっていくわけですな。
GM:これから20年くらいかけて、ここは急速に<混沌>の要塞と化していくわけです。
(了)
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