赤のQ


7

悪魔 “赤のQ”

史乃: 「ふぅ~。手を洗いたいよ……」
キーパー: 麻希「今の、一体……何?」
美緒: 「と、とりあえず……助かったんでしょうか……」
史乃: 「インプ、いわゆる小悪魔」
美緒: 「間違いなくインプです」
堂本: 女はみんなそう、とぼそりと思う
史乃: 「私も初めて見たけどね。いるんだね、知らなかったよ」
美緒: 「私もびっくりしました……」
堂本: 「にしても、歌は偶然か?」
キーパー: 麻希「……頭痛いわ。一体何の冗談かしら……?」
史乃: 「ねぇ、私たちの話、少しは現実味が出た?」>麻希
キーパー: そこで美影の携帯電話が鳴ります。pipipipipi・・・
史乃: 誰から?
美緒: 誰でしょうか?
キーパー: 電話に出た美影は、「白木さんから」と小声で教えてくれます
堂本: なになに?
史乃: 「何事?」
美緒: 「なんです?」
キーパー: どうやら白木が赤い聖書を見つけたようです
美緒: 「ええ~!」
堂本: ガーン
史乃: 「えええええええええええ!!!!」
キーパー: 美影「はい、はい……分かりました。生徒会長室ですね」
史乃: 「ともかく、現場へ」
美緒: 「はい、現場へ!」
堂本: 「かけあーし!」
史乃: 「……えっと」
堂本: 「なに?」
美緒: 「会長室!」
史乃: 「会長は居るの?」
堂本: 「行きゃわかる!」

ライン

キーパー: ここで情報を整理してみましょう。今回の一連の事件の流れを追ってみてください。犯人をAとして、まず犯人Aは聖書を発見しました。犯人Aは聖書に何を願いましたか?
史乃: 副会長に勝ちたい
堂本: ということは……、なに?
キーパー: 願いは3つと言うことでしたね。犯人Aは何を願いましたか?
史乃: 裏切った会計に死を、相手の右腕に死を、副会長に死を、ってところかな?
美緒: そうなるんでしょうか……
堂本: だと思います
史乃: 生徒会を我が物に、なのかねぇ
キーパー: それぞれの事件の起こったタイミングを考えましょう
史乃: 1週間前と昨日の今頃
キーパー: 結局、会計の甲斐螢は犯人を裏切っていましたか?
史乃: まだだったと思うけど、愚痴ってはいたのかな
美緒: ええと……裏切ってはいない?
堂本: まだ途中
キーパー: 垣間澄香は最終的には結城晶の手腕を認めていたそうです。それを晶は知りえましたか?
史乃: 知らないのでは?
堂本: たぶん
美緒: かと……
キーパー: 日下部麻希は晶のことを憎んで生徒会に混乱を起こしたがっていましたか?
史乃: いいえ
堂本: いいえ
美緒: してないです
キーパー: もし、犯人Aが聖書を見つけると同時に願い事を3つ済ませていたとすると、犯人の認識にはかなりの誤解が生じている可能性があります。以上を踏まえて、さて、犯人は誰だと思いますか?
史乃: なるほど
堂本: おお、犯人は最初の?
美緒: 会長?
史乃: ええっと
堂本: てことは……最初に死んだ会計かなあ?
美緒: あれ? また勘違い?
史乃: 会計が願い事をしたのなら、先に殺されるのはおかしいか。てっきり会長だと思ってたんだが……
キーパー: 犯人の願いは「螢」「澄香」「麻希」を亡き者とすることですね。その願いが叶った暁に、聖書に宿った悪魔は契約者の魂を奪っていくわけです。もし赤のQの怪談が真実なら、願いが成就された時に契約者の魂が奪われるはずです
堂本: あっ、外れた。やっぱ、麻希かな……? いや、前言撤回
キーパー: 消去法で行きますか。まず、現状で黒幕と考えられない人物は誰ですか?
堂本: 死人です
史乃: たしかに
キーパー: 正解です。螢と澄香は既に死んでいます
美緒: ですね
堂本: あほでした
キーパー: 生きているキャラクターの中で、他者に敵意を持っている人物は誰ですか?
史乃: 会長
堂本: そうですね
キーパー: 情報整理ができたでしょうか? では改めて聞きますが、今回の犯人Aとは?
史乃: 会長
堂本: 同じく
美緒: 会長になるんでしょうか……
キーパー: 全会一致でよろしいですね?

ライン

キーパー: では生徒会長室です。会長室の扉を開けると、白木の咽喉もとを片手で掴んで、宙にぶら下げるようにして掲げ持っている結城晶がいます
史乃: おいおい
堂本: やめろー
史乃: 「会長!!」
美緒: 「なにしてるんですか!」
キーパー〈目星〉もしくはPOW×2のロール(全員が成功)。では皆さん気付きました。晶の影が赤いです。正気度ロール(史乃だけが1ポイント喪失)。目から赤光を放つ晶がゆっくりとあなたたちに顔を向けます
堂本: ぎょええ
美緒: あわわ
史乃: 「な、何、してるんですか……」
堂本: 「その人を……おろしてくれないか」
美緒: 「会長!」
史乃: 聖書はどこにありますか?>キーパー
堂本: 史乃さん、さすが
キーパー: 会長がいつも座っている机の上に赤い聖書が乗っています。つまり、晶(?)のすぐ手元です
結城 晶キーパー: 晶(?)「去ね、定命のものよ」
史乃: 「あんた、誰?」
堂本: 「……そういう貴様は――」
美緒: 「会長じゃ、ないです!」
キーパー: 晶(?)「我は******。貴様らが赤のQと呼ぶ存在」
キーパー: ******の部分は人間の耳では聞き取れません
堂本: 「ナントカさん、とりあえずその人をおろせ、な?」
史乃: 「何のためにこんなことを!」
キーパー: 晶(?)「よーし、パパ、今までのあらましを全部しゃべっちゃうぞ~」
史乃: ワ~イ
美緒: あら?
堂本: ふがっ?
キーパー: そんなようなことを恐ろしくも厳かに言うと、赤のQは話し出します
史乃: 恐ろしかったのか……
堂本: がくがく、だけどドキドキ
美緒: うむむ
キーパー: 赤のQ曰く――

 三星祭の準備に忙殺されていたある日、晶は『紅血の聖書』を発見し、螢が自分を裏切ったと思い込んで脆くなっていた心につけ込まれて、赤のQと契約をしてしまう。晶は生徒会の反対勢力の主要人物に対するささやかな復讐をするつもりだったが、結果として螢が死んでしまう。晶は赤のQに止めるように指示を出したが、時既に遅く契約は効力を発生させており、垣間澄香をも殺してしまう。最後の標的である日下部麻希を殺せば契約は履行され、晶の魂は赤のQによって地獄へと連れ去られる

 ――ということです
堂本: ひでえ……
美緒: 怪談は事実だったんですね……
史乃: 麻希、死んでないし
キーパー: 赤のQ「これから殺しちゃうもんね~」と言うようなことを恐ろしくも厳かに
史乃: やっぱし。どうするよ……
美緒: 聖書をなんとかするしか……
史乃: 本を狙って、燃やすしかないのかな? それとも、破れるのか?
堂本: 作戦要綱一、倒す。二、聖書だけ持って逃走。三、とにかく逃走
キーパー: 赤のQはゴギッと白木の首を握りつぶすと、バサッと翼を広げます。「デビルウィング!」
堂本: やっぱ転進、いや逃走
キーパー: 赤のQ「明日の夕刻、校舎の屋上にそこの女(麻希)を連れて来い。そこでたっぷりと恐怖を味あわせてから殺してやる」
堂本: 「んなこと言われて連れていけるかあ」
史乃: 「自分で探せよ」
キーパー: 赤のQ「もし来なければ、無差別に学院生を殺した後、晶の命を奪う」
美緒: 「そんな!」
史乃: 「てめー」
キーパー: 赤のQ「明日の夕刻までの1日、存分に絶望を味わえ。そのほうがオレも楽しいからな」
堂本: おのれ、たたり殺してやる
史乃: 「契約違反やん」
堂本: そだそだ
キーパー: 赤のQ「契約? そんなものに最初から拘束力なんてないのだよ」
史乃: 「はぁ!?」
堂本: 悪質リフォームかてめー
美緒: 「やっぱり悪魔は契約なんて守るつもりはないんですね……」
史乃: 「愉快犯かよ……」
堂本: 「律儀さがないから悪人」
史乃: 口からでまかせかもよ?
キーパー: 赤のQ「3つの願いと魂の交換。その天秤で苦しむ者の魂が美味なのだ。より美味な魂との交換であれば、100でも200でも願いを叶えてやるわ」
堂本: 化学兵器の出番か?
史乃: 効かないでしょう
堂本: しおしおしお……
キーパー: 晶(=赤のQ)はガラッと窓を開けて、そちらへ向かいます。「一日の猶予を、存分に苦しむがいい」
堂本: 「待てなんていわねえぞ」
史乃: 「ちょっと!」(追うふり)
美緒: 「そんな事って!」
キーパー: じゅわっち、と言って晶(=赤のQ)は窓から外へと飛び立ちました
堂本: 「……舐めた野郎だ」
史乃: 「どうしよう……」
美緒: 「どうみても低級な悪魔じゃありませんでした……」
堂本: 「専守防衛、守りきる」
史乃: 「でも、どうやって?」
堂本: 「頭の中身は下劣そう」
キーパー: 美影「そういえば……白木さん!!」
史乃: 「はっ!」
美緒: 「用務員さん!」
堂本: そうだった。駆け寄る
キーパー: 美影「死んでらー」
堂本: ……いきなりさばけた
キーパー: と言う内容のことを酷く悲しそうに言う美影
堂本: ほえー
美緒: ふむふむ
キーパー: 白木の死体と死に様を見て正気度ロールです(美影以外成功)。美影は思いっきり3減った
堂本: 慰める
キーパー: 美影「主よ。この者に安らかな眠りを……。無理っぽいけど」
堂本: おいっ! 半日の恋も冷める……のか?
史乃: 取りあえず、警察と学院長に連絡と相談
美緒: えうう……
キーパー: その前にやることはないですか?
史乃: 本!!
堂本: 聖書だ!
美緒: 聖書は?
史乃: 聖書はまだあるの?
紅血の聖書キーパー: 『The Bloody Bible』とタイトリングされている分厚い書物です
史乃: うへ
美緒: そのまんまですね
堂本: 陽圧防護服で処理を……無理!
史乃: 開いてみます
堂本: そっーとね
史乃: 糸引いたら嫌だな
キーパー: 最初のページに「結城晶」と署名があります
史乃: あちゃー
堂本: やはり化学防護隊を……
キーパー: ページは真紅に染まっています
堂本: 消せませんか?
史乃: 何が書いてあるの? 全部真っ赤なの?
堂本: そうだ、なにか防備に使える記述は
美緒: 何かありますように
キーパー: 始めのページには署名だけです。続く何ページかも真紅のページで、女性の名前が署名されています
史乃: 見覚えのある名前は?
堂本: 美影さんがあったりして
キーパー: とりあえずないですが、美影には見覚えのある名前があったようです
堂本: おお
史乃: 「誰ですか?」
美緒: やった
キーパー: 美影「え!? ○○さんって事故で亡くなったと聞いていたけど……まさか、赤のQに!?」
史乃: 「亡くなったんだ……」
キーパー: 美影「マジかよ……マジ凹む」
史乃: おい
キーパー: と言うようなことを悲しそうに
堂本: 「血の赤だな、この本」
美緒: 「シスター……」
キーパー: よよよ……悲しさに耐え切れない美影が誰かに縋りつく
史乃: ほう
堂本: 私?
美緒: ですね
堂本: でへへ
キーパー: 1:堂本 2:史乃 3:美緒 4:麻希(キーパーの出目は4。美影は麻希に縋りつきました)
美緒: 副会長?
キーパー: 麻希「気をしっかり、シスター・ハイジ」
堂本: だめだめ気分、更新中
史乃: 「麻希さんこそ、大丈夫?」麻希の様子は?
キーパー: 麻希「私はまだ死んでいないわ。1日あるんですもの、対策を考えます」
美緒: 「はい、何とか撃退方法を整えましょう」
史乃: 「前向きね。私も考えるわ」